がん患者の「ストレスコーピング」とは?

「ストレスコーピング」という言葉をご存知ですか?
日常生活をしていく上で精神面への緊張や負担を受けストレスを抱えることは誰にでもあります。そのストレスを受け止めて、どのような行動をしていくのか対処法をみつけていくことを「ストレスコーピング」と呼びます。
がんを患った時、どうやってストレスを対処していくのかは大きな課題です。ここでは、この「ストレスコーピング」についてご紹介します。

がん患者さんのストレスが増大する時は6つに分けられる

まずは、がん患者さんはどういった時期にストレスを受けるのでしょうか。東海大学医学部保坂教授によれば、がん患者さんのストレスが増大する時期は6回あるとのことです。
一番目は、本人が症状に気づいた時です。ちゃんと検査や診断を受ける前に「もしかしたら、がんかもしれない」と思い始めると、ストレス度は一気に増えます。
2番目は、症状に気づいてから、いざ診察を受ける直前には、最初よりもストレス度は高くなるようです。3番目は、がんの告知を宣言される時。4番目は、告知を受けた後に手術を受ける直前。5番目は、手術後の退院時。6番目は、退院後、快復して社会復帰をする時です。
このようなストレスが最大に膨れ上がるときの「ストレスコーピング」はとても重要です。次に、コーピングのタイプについて説明します。

がん患者さんの「ストレスコーピング」のタイプ

コーピングには、「がんに負けないぞ」、「がんになったから、もうダメだ」、「なったからには、それを受け止め治療していこう」、「がんを忘れて否認する」など、4つのタイプがあります。
同大学の調査結果では、「がんになったから、もうダメだ」という抑うつ的・絶望的なコーピングをとるグループは、再発率が高く、生存率が低いという結果が出ています。
理想的なコーピングのタイプは、事実を受け止めて治療に前向きになる「なったからには、それを受け止めて治療していこう」というものです。さらに、この理想的なコーピングと似たものにサバイバーシップという概念があります。

「がんの告知を受けても死の瞬間まで生存者でありつづける」サバイバーシップとは?

欧米から始まった「がんと共に生きる・サバイバーシップ」という概念は、「がんを患ったから何年生きられるか」ではなく、「どう生きるのか」という生命の質を問うコーピングのあり方であります。近年、この傾向は日本でも浸透してきています。
がんの告知を受けても、決して悲観的や絶望的にならず、不安定な心理状態に陥いらないように心がけます。そして、治療をしていく上で、がんという病魔としっかりと向き合いながらも少しでも質の良い生活をしていくように努めるというものです。

まとめ

最善のコーピングのあり方は、がん患者さんの心の持ち方しだいではありますが、患者さんがひとりだけでできるものではありません。家族・医療者・同病者などのソーシャルサポートにより、がん患者さんのひとりで抱えていた重圧を少しでも軽減することができます。医療側のがんリハビリテーションのシステムも、より重要になってくるでしょう。
現代のがん看護をより良く進歩するためには、「ストレスコーピング」や医療側のリハビリテーションのシステムなどが、今や必要不可欠な課題となっています。