初期の卵巣がんが、血液検査からわかるようになる?

女性特有の病気、卵巣がん。早期発見が治療しやすいため、できるだけ早く見つけたいものですが、初期の場合は発見しにくいのが現状。卵巣が、がんのために多少腫れていたとしても、痛みなどの症状が出にくく、発見したときには既にかなり進行していることもあるのです。

卵巣がんが早期発見のため、現在その研究が盛んに行われています。そして、昨今、その結果が少しずつ現れるようになってきました。どのようなレポートが発表されているか、見てみましょう。

スクリーニング検査で初期卵巣がんを見つける実験

昨年、医療誌「Cancer」は、アメリカのUniversity of Texas MD Anderson Cancer Centerの研究内容を発表しました。

同レポートによると、研究グループは、効果的な治療を行える程度の初期の卵巣がんを、スクリーニング検査で発見するテストを行ってきたとのこと。

対象は閉経後の女性4015名。試験期間は11年でした。対象者は血液検査により「CA125」という、卵巣がんで高い値を示す腫瘍マーカーのチェックを受けました。そして、その結果と本人の年齢によって、卵巣がん発症の確率が判断され、次の3グループに分けられました。

・低リスク:1年以内にフォローアップの血液検査を受ければよい

・中リスク:3か月以内に血液検査を再度受けること

・高リスク:超音波検査が必要。婦人科の腫瘍専門医の診察を受けること

高リスクのグループに入った対象者のうち10人が手術を受けることになり、がんが4例見つかりました。今回、がんの治療が可能だったのは、初期の段階で発見されたためでした。この結果は、今後のスクリーニング試験への応用が期待されます。

実用化に向けて、イギリスでも実験は行われる

しかし、アメリカにおけるこのスクリーニング方法の試験は完璧ではなく、がんかどうかのボーダーライン上に置かれてしまったままになり、発見しきれなかったがんもありました。そのようながんも発見できるよう、今後、さらなる研究が待たれます。

現在イギリスにおいても20万人を対象とした同様の試験が行われています。アメリカでの研究よりもかなり大規模なテストになるため、その結果も待ちたいところです。

卵巣がん患者の生存率アップを目指して

今、卵巣がんの患者は、アメリカで年間約2万2千人にも上っています。初期の卵巣がんをスクリーニング検査で発見できれば、治療できるケースが増えてきます。卵巣がん患者の生存率アップが見込めるようになり、卵巣がん治療の飛躍的な発展が期待されています。まだ実用化はされていない研究ですが、一日も早く実現できるようになって欲しいですね。

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