早期がんと進行がんの違い、分かっていますか?

がんは早期発見し、早期治療を行えば、治癒する可能性が非常に高くなると言われています。しかし、症状が出にくいものは、見つかりにくく、かなり時間が経って、「進行がん」となって発見されがちです。

がんは、はじめに1つのがん細胞が分裂し2倍になり、さらに分裂して4倍になり……という具合に、分裂を繰り返して増殖していきます。そのがん細胞が、早期がんとして発見可能な大きさになるまでには、幾たびもの分裂を必要とし、10-20年はかかると言われています。

では、どの状態を「早期がん」「進行がん」と言うのでしょうか。

がんの病期と進行度

がんはその進み具合によって、前がん状態、早期がん、進行がん、末期がんに分けられます。

「前がん状態」

がんとは認められないが、そのまま放っておくとがんとなる可能性の高い状態をいいます。胃にできる胃粘膜とは異なる粘膜(腸上皮化生や異形上皮)、大腸にできるポリープ、舌にできる白い角化性変化(白板症)などが、この前がん状態に相当します。将来、悪性化する可能性が高いので、長期にわたって経過観察したり、早めに切除したりします。

「早期がん」、「進行がん」

がんがどこまで浸潤しているか、ほかに転移はないかなどをもとに早期がんか、進行がんかを判断します。それぞれの時期のがんの進行状態は、臓器によって異なります。代表的ながんについてみていきましょう。

①胃がん
早期胃がん
:がんの広がりが、胃壁の内側の粘膜内、あるいはその下を形成する粘膜下層までのものを早期がんといいます。内視鏡を使った傷の小さな手術ですみ、早く退院できます。

進行胃がん: 胃壁の内側の粘膜、粘膜下層を超えて深くがんが広がり、筋層、あるいは胃の外側をつつむ漿膜まで到達したものを進行がんといいます。開腹手術、抗がん剤、放射線療法などで治療します。この漿膜を破ってがんが浸潤すると、腹膜全体にがんが散らばり、がん性腹膜炎と言います。

② 肺がん
早期肺がん:がんの大きさが小さく、転移がないかあっても限られたリンパ節にのみ認められるものを早期肺がんといいます。主に内視鏡を使った傷の小さな手術を行い、快復も早いです。

進行肺がん:リンパ節への転移を認め、がんが大きくなり、食道や気管に浸潤していたり、さらに進行すると肝臓や骨などに転移したりしたものを言います。がん細胞の混じった胸水を認めることもあります。開胸手術、抗がん剤、放射線療法などで治療します。

③大腸がん
早期大腸がん:がんの広がりが、大腸の内側の粘膜あるいは、その下を形成する粘膜下層までのものを早期がんといいます。肛門から入れる内視鏡手術または、おなかに小さな穴を開けて内視鏡を使った手術をします。傷の小さな手術ですみ、体への負担も少ないです。

進行大腸がん:大腸の内側の粘膜、粘膜下層を超えて深くがんが広がり、筋層、あるいは大腸の外側をつつむ漿膜まで到達したものを進行がんといいます。開腹手術を行います。手術後に抗がん剤療法、放射線療法を行うことがあります。おなかに人工肛門をつけることもあります。

「末期がん」

がんが、全身に転移してしまい、積極的な治療方法がほぼない状態となってしまったがんのことを言います。通常のがん治療では体の体力を奪って死を近づけてしまうため、がんそのものの治療より、がんによる苦痛を和らげる治療が主となります。

がんを「早期がん」のうちに発見し、治療するために

がんは早期に発見し、早期に治療を開始すれば、体への手術侵襲も少なく、早く日常復帰できます。完治の可能性も高まります。また手術後に抗がん剤などの補助治療も必要なく、経済的にも負担が少なくてすみます。早期発見、早期治療は大事なことです。定期的に検診を受けることをおすすめします。また、何か気になる症状がありましたら、積極的に病院を受診し、検査を受けるようにしてください。

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