がんの治療中・療養中でもおしゃれを楽しもう!〜つけまつげ編〜

がんの治療中や療養中にまつげや眉毛までなくなってしまうのは、一時的なこととはいえ、女性にとっては大変つらいものです。

毎日の洗顔や入浴の際に鏡で自分の顔を見るたびにつらい気持ちになるよりも、ちょっとした工夫でおしゃれを楽しみ、少しでも明るい気持ちになりたいですよね。

今回は、顔の表情や印象を変えることのできる「つけまつげ」をテーマに、がんの治療中や療養中でも可能なおしゃれのポイントとその注意点をご紹介します。

まつげや眉毛の脱毛はなぜ起こる?

がんの治療中の脱毛はよく知られていますが、頭髪のみならず、まつげや眉毛まで脱毛してしまうことがあります。

がんの治療法の中で、脱毛の副作用がよく見られるのは抗がん剤による治療です。薬の種類や量、治療期間、患者さん自身の状態などによって、脱毛の程度には違いがあります。

がん細胞には分裂と増殖が速いという特徴があります。ですから、抗がん剤は分裂と増殖が速い細胞を攻撃するようにできています。このため、正常な細胞であってもがん細胞と同じように分裂と増殖が速い細胞は、がん細胞と同様に抗がん剤の影響を受けてしまうことがあります。頭髪をはじめとする全身の毛の発生に大きな役割をはたすのが毛母細胞と呼ばれる細胞ですが、この毛母細胞もがん細胞と同様に細胞分裂と増殖が活発であるという特徴を持っています。したがって、毛母細胞も抗がん剤の影響を受けやすく、その結果、脱毛が起こります。抗がん剤の作用は全身にわたるため、頭髪だけでなくまつげや眉毛にも脱毛が生じることがあるのです。ただし、脱毛の症状が見られないのは、抗がん剤が効いていないからというわけではないことにご注意ください。

まつげの役割とは?

ところで、まつげの役割とは何でしょうか? まつげが脱毛すると顔の表情や印象が変化してしまうことは、すぐわかりますね。しかし、まつげには美容的な印象に影響するだけでなく、目の健康を守るという大切な役割もあります。まつげに何か触れると反射的に目を閉じるようになっており、目へのごみや雑菌などの異物の侵入を防いで眼球に傷がつかないように守っているのです。

残念ながらこれらのまつげの機能を全てつけまつげでは補うことはできませんが、ほこりや塵などの異物の侵入を防ぐことを助け、目を保護することにつながります。肌トラブルなどでつけまつげを使用できないときには、トーンの低いサングラスなどを使用することも目の健康を守る方法のひとつになるでしょう。

つけまつげに挑戦しよう!

「つけまつげ」といえば「若い人が使うもの」「手間がかかりそう」という先入観をもっていませんか? つけまつげの使用に年齢などは関係ありません。現在では毛の長さ、濃さ、色の種類なども豊富であり、100円均一の店などでも購入が可能です。がんの治療をきっかけにつけまつげにはじめて挑戦する方は、お手頃な価格の商品からいろいろ試してみてはいかがでしょうか。

つけまつげをつけるのには、少し練習が必要な場合もありますが、慣れてしまうとほんの一瞬でつけることができるようになります。鏡を見るたび「女性には見えなくなってしまった」「自分らしさがなくなってしまった」とつらい思いをするよりも、「今日はどのつけまつげにしようかな?」「治療前と同じお化粧ができる!」と少しでも明るく前向きな気持ちになれるといいですよね。特別な外出の時だけに留まらず、気軽につけまつげに挑戦してみませんか? 

つけまつげのポイント

つけまつげの使用には、次のような気をつけておきたいポイントがあります。

  • 肌に優しい商品を選ぶ

つけまつげは、接着剤で目元にくっつけます。治療によって肌がデリケートになっている場合が多いので、できるだけ肌に負担の少ない商品を選ぶようにしましょう。ドラッグストアなどで購入することのできる二重まぶたをつくる接着剤は、比較的肌に負担をかけずにつけまつげをくっつけることができるようです。

  • つけまつげに抵抗のある方

つけまつげが全く初めてで抵抗のある方は、毛の量は少なめ、長さも短めのものを選び、場合によってはさらに毛を短くカットしてからつけると、つけまつげの使用感があまり気にならないようです。また、つけまつげをつける作業の前に、アイラインをきちんとひいておくと、つけまつげをつける部位がわかりやすくなり、失敗も少なくなります。

  • つけまつげの正しい使用方法を学ぶ

今日では、インターネットの動画や画像などでも適切なつけまつげの使用方法や使用の際の注意点などを見ることができます。しかし、一人ひとり目の表情や印象が違うので、つけまつげの選び方や着ける際のポイントも異なります。そのため、つけまつげが初めての方やより自然な目元の印象を作りたい方は、美容相談のできる最寄りの美容室で講習を受けるのもよいでしょう。がん治療や療養中の患者さん向けのウィッグを取り扱っているお店では、がん患者さん向けの美容相談を行っている場合もあります。ホームページなどで情報収集し、利用してみるのもよいでしょう。

  • まつげのエクステンションやまつげ専用の美容液や育毛剤を利用する

治療が終了すると、個人差はみられますが、少しずつ産毛のようなまつげが生えてきます。肌トラブルなどがない場合には、美容室でまつげのエクステンションを利用することが可能になります。エクステンションは、入浴や洗顔によってはがれてしまうことがないので、目元のお手入れがより手軽になります。美容室によっては、肌トラブルを避けるために、がん治療中や療養中の患者さんへの施行を断る場合もあるそうですので、事前に電話問い合わせしておくとよいでしょう。また、効果には個人差がありますが、まつげの育毛を促すために低刺激のまつげ専用美容液や育毛剤を使用するのもよいでしょう。

まとめ

今回は、女性にとっては大きな悩みであるまつげの脱毛の対処方法、「つけまつげ」についてご紹介しました。がん治療中や療養中であっても、おしゃれを楽しみつつ女性として自信を持った生活を送る方法はたくさんあります。つけまつげのほかにも、いろいろなことに挑戦してみてください。

参考: