抗がん剤の副作用:どんな副作用がいつごろ出るの?

「抗がん剤」と言えば「副作用」が思い浮かぶほど、両者は切っても切れない関係にあります。しかし、副作用と一言でいっても、実際にはいろいろな症状があります。どのような副作用が、いつごろ出てくるのでしょうか? 今回は、副作用が出てくる時期と期間について見ていきましょう。

治療についての理解を深めておこう

不安感があると、副作用の症状もよりいっそうつらく感じることでしょう。不安の大きな理由の一つには治療について知識や理解が不足していることが挙げられます。ですから、あらかじめ治療について理解しておくことはとても大切です。どのような薬を、どのようなスケジュールで使用するのか。どのような副作用が、いつごろ現れると予想されるのか。担当医や看護師からの説明をよく聞くようにしましょう。わが身にどのようなことが起こるのか。その可能性を前もって知っておくと、それらに対する心の準備ができ、前向きに治療にのぞめます。

それでは、一般的な副作用があらわれる時期について、見ていきましょう。

副作用が出現する時期

吐き気や脱毛など、抗がん剤の副作用の症状はさまざまですが、それらは一度に出てくるわけではありません。副作用の症状は、使用された抗がん剤が体のどの正常な細胞に、どのような影響を与えたかにより、副作用があらわれる時期も期間も異なります。

使用開始後すぐに出る症状

抗がん剤に対するアレルギー反応のなかでも危険なアナフィラキシーは投与開始直後に出ます。重い症状を引き起こしますが、多くあるケースではありません。

その他の、じんましんや呼吸困難、発汗、腹痛、発熱、おう吐、血圧低下などのさまざまな症状としてあらわれるアレルギー反応は、抗がん剤の投与中や投与後数時間以内に出ることが多いようです。

抗がん剤の副作用としてよく知られている吐き気や嘔吐は、使用開始直後から翌日あたりに現れます。期間は数日間ほどであり、使用が終了した数日以内におさまっていきます。

使用開始後2日~1週間で出る症状

吐き気や嘔吐だけでなく、食欲不振や便秘、倦怠感といった症状も使用開始後1週間以内に見られます。

また、抗がん剤によって血液中の細胞を作る骨髄が影響を受けると、白血球、赤血球、血小板の数が低下します。この骨髄抑制と呼ばれる副作用は、使用開始後1~3週間後に顕著になります。使用終了後、血球数は回復していきます。

使用開始後1~2週間すると出てくる症状

抗がん剤の副作用として悩まされることの多い口内炎は、使用開始後数日~10日ほどであらわれることが多く、2~3週間たつとおさまっていきます。

使用開始後2~4週間を経て出てくる症状

副作用の症状の代名詞とも言える脱毛は、抗がん剤によって発毛に関与する細胞が影響を受けることにより起こります。使用開始後2~3週間たつと見られるようになり、使用終了後2~3カ月たつと回復していきます。

手足のしびれや痛みなども、使用開始後2~3週間たつと出てくる症状です。これは、末梢神経に障害が出て引き起こされるので、回復には長い時間を要することが多いようです。

記録しておこう

つらい副作用をのりこえるために役立つのが、体調変化の記録をつけることです。

副作用でどんなに苦しい思いをしても、少し時がたつと、いつごろから始まったのか、どのような感じの症状だったのか、意外に覚えていないものです。そのようなときに体調変化の記録があれば、担当医による各症状へのきめ細かな対応の助けになります。また、記録をつけることによって、自分自身の状態を客観的に把握でき、やみくもに不安にかられることもなくなるでしょう。

東京慈恵会医科大腫瘍・血液内科教授の相羽恵介先生は、誰でもすぐに手に入れることができる市販の手帳を利用して体調を記録することを勧めています。1週間1ページの形式のものが便利とのことです。線で仕切って欄を作り、以下のような項目について毎日記入できるように工夫するとよいようです。

  • 受けた治療や服用した薬の名前や服用した時間
  • 食事内容や量
  • 体重
  • 体調や元気度合い
  • つらい症状とつらさの度合い

細かく書き記すのがつらいときには、○や×などの記号でもよいでしょう。長続きさせるためには、簡単なメモを残すつもりで気負わず気楽にいきましょう。体調の変化が治療を通して把握できるように毎日記録をつけられれば理想的ですが、間があいてしまっても気にせずにまたメモしましょう。体調変化に気がついたときに、あるいは症状を感じたときにすぐにメモできるように、手帳は常に身近なところに置いておくとよいでしょう。

相羽先生のおすすめは、「ポジティブな気持ちを忘れないように」手帳の項目に「良かったこと」や「うれしかったこと」の欄も作ることです。つらいことばかりではなく、ちょっとしたことでうれしく感じた気持ちも大切にして記録に残していくことで、療養生活をうまく乗り切っていきましょう。


参考: