本来の目的を見据えないと効果薄。がん検診を考える

医療技術や薬の進歩のおかげで、がんの克服が少しずつ可能になってきています。しかし、がんは未だに国内死亡原因のトップであり、死亡者数は年間30万人に上ります。

がんは早期発見と治療が重要と言われています。早期発見を可能とするのが、がん検診です。しかし、短絡的に行ってしまうのでは、お金をかけてがん検診を受ける意味がありません。正しいがん検診を受けるためには、正しい知識が必要なのです。

「検診=安心」ではない!内容を見極めて!!

がん検診の目的は、がんを早期発見し見合った内容の治療を行うことで、がんで死亡する人を減らすことです。多くのがんを見つけることが目的ではありません。検診の対象となる方は、がんが進行している人ではなく、今のところ症状が無い人です。

検診の最終目的が「死亡者を減らすこと」ですので、検診を受ける部位のがん治療など「その先」を見極めることが大切です。例えば、胃がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんなど、死亡する患者も多いがんは検診を受けて、早期発見に努めることが大切です。

また、がん検診の検査方法が安全に行われているのか、検査の精度が高いものか、そして見つかったがんの治療方法が確立されているのか、といったことにも注意しましょう。

デメリットがあることを念頭に

検診にはメリットがあれば、デメリットも当然あります。検診を受ける前には、どのようなものがあるのか確認しておくことも大切です。

検診で、がんが100%見つかる訳ではありません。見つけにくいところにがんが出来ていた場合など、見逃しがあることは、念頭入れておきましょう。また、見つかったがんが「進行がん」になるかどうかの区別は難しいものです。早期治療のために切除などを行っても、そのがんが治療不要のものだった、というケースもあります。

また、頻度は低くても検査という医療行為による合併症を引き出すこともありますし、検診を受ける人に心理的な負担をかけることもあります。

検診の前に知っておきたい、国のクーポン

がん検診には保険がきかず高額なものもあります。しかし、厚生労働省では、がんの死亡者数を減らすことを目的に、一定年齢に達した方へ「検診無料クーポン」を「検診手帳」と共に配布しています。
検診無料クーポンの対象となるがんは、子宮頸がん・乳がん・大腸がんです。いずれも、死亡者数の多いがんです。現在のところ、がんの症状が無い方は、検診無料クーポンを利用して、がん検診を受けてみるのが、良いのではないでしょうか。

正しい知識で正しい健康管理を

当然のことですが、がん検診後に「異常あり」という診断を受ければ、精密検査を受けなければいけません。精密検査を受けた結果、「異常なし」となれば、また定期的に検診を受けるサイクルに戻ります。

がん検診は、がんによる死亡を避けるために行うものです。一度受診して「異常なし」なら大丈夫、といったものではありません。検診に対する正しい知識を身に付けたうえで、死亡率の高いがんの検診は定期的に受診しましょう。

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