復習しよう、喫煙と肺がんの関係

喫煙は肺がんに繋がるというのは、半ば世間の常識として認識されています。たばこのパッケージにも、「喫煙は死に繋がる」という注意喚起がされているくらいです。しかし、いろいろな注意喚起も見慣れてくるとその効果を失ってしまいます。この辺で、もう一度喫煙と肺がんの関係について見直してみませんか。

たばこに含まれる発がん物質

たばこには、4000種類もの化学物質が含まれています。その中でも、主な物質で、発がん性があるといわれる、「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」について見てみましょう。

ニコチン

ニコチンは、植物のタバコに含まれる天然成分で、脳の中枢神経に作用し興奮状態をもたらします。また心地よい快感を得る物質も分泌するため、中毒性があります。ニコチンは大量に取得すると死に到る毒性を含んでいます。

タール

タールは、べっとりとした黒い「ヤニ」のような物質です。喫煙をすることで、たばこの葉に含まれている成分が化学反応を起こして出来上がるのです。ベンゾピレンと呼ばれる成分を始め、多くの発がん物質を含みます。

一酸化炭素

一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素を運搬する働きを阻害してしまいます。体が酸欠状態になり循環器に負担をかける他にも、血管収縮作用により、脳や心臓にうまく酸素が運ばれないなどの弊害を起こします。

血痰や胸の痛みを感じたら、肺がんの検査を

肺がんは、小細胞がん、扁平上皮がん、大細胞がん、腺がんと大きく4つに分けられます。その中でも、扁平上皮がんが最も喫煙と関係があるといわれています。

このがんは、肺の間にある気管支に関わるがんです。リンパや骨などへ転移する悪性の小細胞がんと異なり、転移の心配は少ないと考えられています。手術を中心とした治療が図られています。

喫煙者で、血痰、止まらない咳、胸の痛みなどを感じた場合は、扁平上皮がんの疑いが考えられますので詳しく検査をすることをお勧めします。

喫煙者の肺がんリスクは、非喫煙者の6倍に及ぶことも

では、実際に喫煙者と非喫煙者では、発症リスクはどのぐらい違うのでしょうか。

喫煙者がたばこを吸い始めた年齢や、1日に吸う本数によって違いますが、毎日喫煙する人は、非喫煙者に比べて5倍ほど、肺がんになるリスクが高いと考えられています。また、肺がんのリスクは、喫煙年齢が低いほど高くなるといわれています。20歳ごろから喫煙習慣がある人は、非喫煙者に比べて肺がんになるリスクが6倍にもなります。

しかし、喫煙習慣を止めることで、肺がんになるリスクを下げることができます。喫煙の年数が増えるほどリスクを低下させることができ、一般的に10年間禁煙をした場合は、肺がんの発症リスクを3分の1程度まで下げることができると考えられています。

肺がんだけじゃない。禁煙はがん予防の第一歩

さて、喫煙と肺がんに大きな関わりがあることが、再確認できたのではないでしょうか。先ほどご紹介したように、禁煙により、肺がんの発症を予防することができます。また、喫煙は肺がんだけでなく、胃がんや肝臓がんなどの発症にも大きく関わっているのではないか、というデータも出ています。

今は喫煙外来など、医療機関でもたばこを止めるための治療を受けることができます。喫煙とがんの関係を再確認し、予防のためにも禁煙をスタートしては、いかがでしょうか。

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