大腸がんの手術後、食事で気をつけたいのは?

大腸がんの手術後、気になることのひとつに「食事」があげられます。「何を食べたらよいのか?」「何でも食べられるのか?」「お酒はやっぱりだめ?」そのような疑問にお答えしつつ、便秘などの症状別の食事のアドバイスについてもご紹介します。

術後に出やすい症状

大腸や直腸の手術後、腸の状態によって次のような症状がよく見られます。大腸での水分吸収量が低下することによる軟便や下痢。大腸のぜん動運動の障害による便秘。便の貯留機能の低下による頻便。大腸と小腸が癒着しておこる腸閉塞。また、下痢と便秘を繰り返す「交代性便通異常」もとても多くの方が経験する症状といわれています。

手術後の食事は、術後3カ月以内は食物繊維の多いものを避ける以外は、基本的には何を食べてもよいと言われています。ただし上記にあげた症状が起こりうることを念頭に入れて、献立を作成するとよいでしょう。食事内容を気をつけることによって、上記の症状を出にくくすることができます。

症状別、食事のアドバイス

それでは、便秘などの症状が見られるときに、それぞれの症状に対して食事についてはどのような点に気をつけるべきでしょうか。

便秘気味のとき

  • 規則正しく

毎日決まった時間に食事をとるという規則正しい食生活をこころがけましょう。特に朝食はしっかりとって排便を促すようにしましょう。そして、便意がたとえばなくても、毎朝トイレに行く時間を持ち、排便の習慣がつくようにしましょう。

  • 水分をとろう

体の水分不足も便秘の原因になることがあります。暑い季節でなくとも、きちんと水分をとるように気をつけましょう。

  • 食物繊維の豊富な食品をとろう

野菜や豆類、いも類、果物などの食物繊維が豊富な食品を大目にとるようにしましょう。ただし、術後3カ月以内は腸閉塞を起こす恐れがありますので、医師のアドバイスを受けながら、食事内容を検討しましょう。

  • 乳酸菌やビフィズス菌を含む食品をとろう

ヨーグルトや乳酸飲料などの乳酸菌やビフィズス菌を多く含む食品をとり、腸内細菌のバランスを整えるとよいでしょう。

下痢しているとき

  • 消化のよい食品をとろう

体の負担を減らすため、うどんや豆腐、半熟卵、茶わん蒸し、裏ごし野菜など消化のよいものをとるようにしましょう。市販されている栄養食品や栄養剤の中には、下痢をひどくするものもありますので、それらは避けたほうが無難なようです。

  • 水分をとろう

下痢の際も、体が水分不足にならないように水分補給を忘れないようにしましょう。スポーツドリンクの中でもハイポトニック飲料と呼ばれるものは、胃腸への水分の吸収が早いと言われていますので、それらを利用するのもよいかもしれません。その他、薄めた味噌汁、薄めた果汁、ゼリーなども水分補給に役立ちます。

  • つめたいもの、刺激のあるもの、においの強いものは避けて

下痢のときは、アイスや氷水のような冷たいもの、濃いコーヒーやアルコールなどの刺激の強いもの、しょうがやにんにく、ねぎ、にらなどのにおいの強い野菜は避けたほうが無難です。

おなかがはるとき

まずは、1回に食べる食事量を減らしてみましょう。食事の量を減らしても、あるいは、食事を抜いても膨満感が改善しない場合には、腸閉塞の可能性がありますので、すぐに医療機関を受診してください。

腸閉塞に対する注意点は?

なんとなくこわい響きがある「腸閉塞」。術後の腸閉塞は、腸管どうしや腹壁と腸管が癒着することによって起こることが多いようです。現在は手術時に癒着防止の工夫もなされるようになり、腸閉塞の頻度も下がってきているとのことですが、癒着が生じると腸閉塞を完全に予防することは不可能ということです。腸閉塞を起こすと食べ物やガスが腸内にたまります。便秘や吐き気、腹痛などがあったら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。すでに腸閉塞を経験している方は特に注意するようにしてください。腸閉塞を予防するために、こんにゃく類やきのこ類などは細かく切ったかたちでとるとよいでしょう。

その他、注意したいこと

便通を安定させるためには、食生活に気をつけるだけでなく、適度に運動することも大切です。もし、食事内容や生活習慣に注意を払っていても便秘などの不調が続く場合には、担当医にご相談ください。

「お酒は飲んでもいいのだろうか?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。基本的にはアルコールは絶対にダメというものではないようですが、飲酒すると、ついつい食べ過ぎやすく、食生活も乱れやすいので気をつけたほうがよいようです。

食事内容はなるべく栄養のバランスがとれるようにし、体に負担をかけないようによく噛むことも忘れないようにしましょう。


参考:

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