もう一度確認しよう!冬季に気をつけたいがん治療中、療養中のやけどと予防

寒さの厳しい冬季は、暖房器具だけでなくカイロや湯たんぽなど直接肌に近づけて体を温める器具を使用する頻度が多くなります。がんの治療中や療養中は、しびれや痛みなど皮膚の感覚が鈍くなっているために温度感覚を正しく察知できない場合があり、皮膚にやけどなどが起こっていても気づかずに重症化してしまうことがあります。今回は、特に冬季に気をつけたいやけどおよびその予防のポイントについて確認していきましょう。

やけどの注意が必要な理由

治療に用いる薬の種類やそれに伴って発症する副作用の症状、その程度には個人差が見られますが、がんの治療中や療養中にしびれを感じる、あるいは感覚が鈍くなったと訴える人は多いようです。特に注目しておきたいのが、抗がん剤の副作用として、治療開始14~28日後ほどで感じる手足や体がしびれる自覚症状です。しびれを生じると痛みやかゆみなどが分かりにくくなり、温度を適切に察知する感覚や触覚、圧覚も鈍ります。また、しびれの症状が現れていても、しびれていることに気づいていない場合もあります。そのため、がんの治療中や療養中は、ケガだけでなくやけどにも十分に注意する必要があります。

また、治療方法によっては感染症などに対する抵抗力が低下している場合があります。そのため、やけどを生じていても気づくのに時間がかかってしまった場合や重症のやけどを負ってしまったときには、その部位に感染症を発症する可能性もあるため、予防には細心の注意を払うことが大切になります。

やけどを予防するためには

やけどを予防するためには、まずは暖房器具や湯たんぽ、カイロなどの器具について、取扱い説明書にあるように適切な方法や条件で使用することが重要です。「あまり温かくないから」と説明書に記載してある以上に体を近づけて使用したり、就寝時の使用は避けるように記載があっても「いつもしているから大丈夫」と使用を続けることは、やけどの危険性を高めます。がんの治療中や療養中は特に自己判断による器具の危険な使用方法は避けましょう。それぞれの暖房器具の使用についてのポイントを以下に挙げましたので、使い慣れているものについても再度確認してみましょう。

  • カイロ

衣服の上から張るタイプは、使用する部位の体型に合わせた形状などさまざまなものが販売されています。しかし使用目的以外の部位に使用すると、必要以上にカイロが酸素を取り込み、想定以上に温度が高くなることがあるそうです。商品の表示や説明に沿って適切に使用しましょう。

カイロの使用で共通する注意点は、就寝時に使用しない、直接肌に貼らない、こたつなどの暖房器具と併用して使用しないなどです。

  • 湯たんぽ

長期間使用している湯たんぽは、ゴムやプラスチックが劣化している可能性もありますので、使用前に耐用年数を確認し、破損の有無をきちんと確認してから使用しましょう。

湯の温度は使用する湯たんぽの説明書に沿って、適切な温度の湯を適量注いで使用します。湯を注ぐ際には、湯たんぽが動いてやけどをしないように、乾いたタオルなどでしっかり押さえて注いでください。湯を注ぎ終えたあとは、栓をしっかりと閉めて、湯の漏れがないか必ず確認しましょう。付属している厚手のカバーで覆い、温めたい部位から説明書通りの距離をとって使用しましょう。

  • こたつ

こたつのヒーターにも使用耐用時間数があります。その時間を超えたものは適切な温度を保持できない場合もあるようですので、使用前に確認しましょう。また設定温度が、40~60度であっても長時間使用することで低温やけどの原因にもなりますので、長時間の使用は避けるようにしましょう。また、加熱部分に直接体が触れないように注意しながら使用してください。

  • 入浴

追い炊きタイプの浴槽は特に熱湯が表面に溜まりやすいため、温度を確認する際には厚めのゴム手袋などを着用し、洗面器や湯かき棒などを使用して湯をかき混ぜてから行いましょう。温度の確認も湯温計を使用して、直接素手で確認することは避けましょう。

もしものときには

もし、誤ってやけどを負ってしまったときには、清潔な流水で冷やせる場合はしっかりと冷やしましょう。流水を掛けることが無理な場合には、体表面に密着させることのできるような氷のうや柔らかいアイスノンを清潔なガーゼで包んで患部をしっかり冷却し、かかりつけ医や最寄りの医療機関をできるだけ早く受診しましょう。体調や年齢、やけどの部位にもよりますが、冷やす時間は15~30分を目安としてください。患部を冷やす際には、体温の低下にも注意を払いましょう。そして、可能な場合はできるだけ水分補給を心がけてください。自己判断での傷薬などの塗布は、医療機関での治療の妨げとなってしまう場合がありますので避けましょう。

まとめ

やけどは、体が高温にさらされた場合だけでなく、44度程度の低温であっても6時間以上皮膚へ密着することにより低温やけどを引き起こします。就寝中やがんの治療中、療養中、糖尿病などの方は特に皮膚感覚が鈍っている場合がありますので注意が必要です。

暖房器具や機器に頼りきりになるのではなく、体を温めるメニューを取り入れた食事や手軽な運動をするなど、さまざまな工夫をしながら厳しい冬を乗り越えましょう!

 

参考:

A)画像番号  160896112