乳製品が原因?日本でも増加する前立腺がんと関係する食事とは

牛乳やチーズなど乳製品が好きな男性にとって、ドキッとする研究結果が厚生労働省研究班から発表されました。それは、乳製品が前立腺がんの発症率を増加させるかもしれないという結果です。

最近、日本でも前立腺がんの被患者が増加しています。
日本人が注意していく必要がある前立腺がんと、食事との関係をご紹介します。

日本でも患者が増える前立腺がん

前立腺がんは、精液を作っている前立腺の外側に発生します。自覚症状が乏しく早期発見が難しいがんと言われてきましたが、PSA腫瘍マーカーと呼ばれる前立腺特異抗原検査が功を奏し、近年では早期発見が可能になりました。

アメリカでは被患率がトップのがんであり、日本でも80歳以上の7割がかかっています。国内での急増の原因は、食生活の欧米化や高脂肪食の定着とも言われ、今後も増えつづけていくと考えられています。

日米の研究結果から見える、乳製品と前立腺がんの関係

厚生労働省では、10府県に住む45歳~75歳の男性、約4万3千人を対象に、乳製品・チーズ・ヨーグルトの摂取量を調査しました。その結果、乳製品・ヨーグルト・牛乳を最も多く摂取したグループは、最も少なく摂取したグループに比べて、前立腺がんの発症のリスクが約1.5倍。摂取量が多いほどリスクが高まるという結果が出ました。

また、アメリカのハーバード大学研究グループは、およそ2万人の医師が11年かけて追跡調査を行ったデータを分析したところ、全乳・スキンミルク・シリアル(牛乳と食べる朝食)・チーズ・アイスクリームなどを多く摂取する人々のうち20%は、そうでない人に比べて前立腺がんにかかる可能性が34%も高かったことが分かりました。

前立腺がんの発症に、乳製品が大きく関わっているようにも見えますが、実はこの研究結果には続きがあります。

直接的な原因は未だ不明、しかし食生活の改善を

乳製品に含まれる成分には、カルシウムと飽和脂肪酸があります。厚生労働省の研究結果では、「おそらく飽和脂肪酸が、関わっているのではないか?」と言った程度しか分からず、はっきりとした発症の原因を出すことはできませんでした。また、アメリカでは全脂肪乳製品は前立腺がんの予防に役立つけれど、低脂肪/無脂肪のミルクでは、危険性が増大するという調査も挙がっています。

どうやら、前立腺がん発症の直接的な原因を探るには、引き続き調査が必要なようです。しかし現在のところ、脂肪の大量摂取と肥満が、前立腺がんの一因と考えられています。

トマトと緑茶に予防効果がある?

一方、前立腺がんを予防すると言われる食品もあります。
その1つがトマトです。ハーバード大学研究グループが4万8千人を対象にした研究では、トマトに多く含まれているカロチノイド色素のリコピンに予防効果があると発表しました。リコピンは、ピザのトマトソースやケチャップのように加工したほうが体内に吸収されやすいと言われています。

また、緑茶も効果があると言われています。緑茶には水溶性ポリフェノールが30~40%含まれていて、1日5杯以上を飲んでいる人は、1杯飲む人より、進行性前立腺にかかるリスクが48%も低下するという結果が、国立がんセンターの研究で分かっています。

生活習慣の見直しと健康診断が予防への道

日本でも被患者が増えている前立腺がんですが、直接的な原因を究明するには、もう少し時間がかかりそうです。しかし他のがんと同様に、食生活など生活習慣が発症の1つになっていることは確かです。

高脂質の食事をとり過ぎないことも予防策として有効です。また、早期発見が難しいがんですので、定期的に健康診断に行くこともお忘れなく。

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