病は気から!ストレスは免疫力を低下させる?!

「病は気から」と言いますが、科学的根拠はあるのでしょうか?日常生活でも、人間はあらゆるストレスに晒されています。どのようなストレスが人間の身体に悪く働きかけるのでしょうか?がんや免疫機能への影響は、どうでしょうか?
今回は「病は気から」の真相にせまります!

ストレスの種類はいろいろ!

ストレスとは、嫌なことに出くわしたときに受けるだけではなく、新しい環境や状況に適応しようと精神的エネルギーを使うことも含みます。適度なストレスは、人間を成長させると言われてきました。しかし、対処法を間違うと、心身に悪影響をもたらす可能性もあるのです。

短期間のストレスや意欲的なストレスは、病気の原因にはなりません。しかし配偶者の死や、家庭内不和など長期のストレスは、身体に不調をもたらすと言われています。実際に、長期のストレスを体験した人のがんの発症例は多いようです。

ストレスを受ける程度には個人差があり、性格なども関与しています。ストレスを受けやすい人のタイプとして、内気でおとなしい人、依存しやすく、まじめで、従順で、自分を犠牲にして安請け合いをする人・他人からの批判に敏感な人・感情(特に怒り)を抑圧する人・人付き合いが悪く、がんこで、冷たいところがあり、支配力の強い人・極端に活動的で忙しい人などがあります。

ストレスと免疫力の関係

免疫力とは、体内に入ったウイルスや異物から身体を守る力のことです。この免疫力が下がってしまうと、風邪を引いたり、病気になったりします。今まで、免疫力の低下の原因は、主に水分不足や肉体的疲労とされてきました。しかし、最近は精神的疲労(ストレス)も免疫力低下の要因となることがわかりました。ストレスが免疫機能を低下させる仕組みとして、自律神経の乱れとステロイドホルモンの放出があります。

自立神経のバランスが崩れると、内蔵を活性化させる副交感神経の働きが鈍くなり、食欲不良や血行不良を招きます。その結果、主な免疫力の働きをしているリンパ球が、不活発になります。また、ストレスで受けた刺激は、視床下部から副腎に伝わって、コルチゾールなどのステロイドホルモンを放出します。このような物質は、ストレスホルモンと呼ばれ、リンパ球の活力を奪って免疫力を低下させます。

ストレスとがんの関係

免疫力のコンディションは、がんにも密接に関与しています。実際がん治療の現場では、患者さんが鬱状態になると、免疫力の低下が見られ、がんの進行に大きく影響与えることがわかっています。メカニズムは明らかになっていませんが、体内でがんと戦うナチュラル・キラー細胞(NK細胞)やキラーT細胞などは、ストレスを受けると細胞数が減ってしまうことがわかっています。
また、がんの患者さんは、死への恐怖や、手術への恐怖心、家族や医療者などに依存しないといけない罪悪感など、それぞれのステージであらゆるストレスを感じます。これらのストレスは、がんを「不治の病」や「死の病」と思い込んでいることから起こると言われています。「死」への恐怖心が無ければ、ストレスのレベルは大きく下がります。

免疫力の低下と患者さんへのケアを考える

がんの発症は、必ずしも「死」を意味するものではありません。今や、治る病気とまで言われていますが、やはり患者さんが受ける精神的なショックは大きいものです。がんの正しい知識を啓発していくことと、前向きに治療に取り組むようなケアをすることが、患者さんの免疫力を活性化させ、完治の可能性をより確かなものにしてくれるではないでしょうか。

(画像出典:足成 http://www.ashinari.com/2010/10/29-037034.php)