がんの転移や再発を予防するためのポイント

原発のがんをうまく治療できたとしても、転移や再発の可能性がゼロになったわけではありません。そして、そのことが患者さんの大きなストレスになっているといいます。それでは、がんの転移や再発を予防するには、どうすればいいのでしょうか。そこで今回は、医療側が行う予防治療や患者さん自身でできる生活改善など、がんと向き合いながら自分らしく生きるための工夫と注意点について考えてみます。

5年経過後に再発するがんとしないがんがある

がんの治療が終わり、再発などの心配が少なくなるのは5年後だといわれています。

胃がんや大腸がんは、5年を経過した後に再発することは稀になります。例えば、大腸がんの再発の可能性をステージ別に集計した「肝臓がんガイドライン」のデータによると、ステージ3でリンパ節転移がある症例の場合、5年経つまでの再発率は30.1%です。これが5年以降になると、0.67%と大幅に低下します。

しかし、がんの種類によっては、5年経過した後に再発や転移が見つかることが少なくありません。例えば、乳がんは5年を経過しても再発する可能性があり、死亡するケースがあるそうです。

ただし、再発の可能性はがんの種類だけでなく、ステージや発症した場所によっても変わってくるので、一概にはいえないことを認識しておきましょう。

再発や転移のサインを見逃さない

がん治療は早期発見と早期治療が重要ですが、これは再発や転移についてもあてはまります。以下のような症状を見逃さないようにしてください。

  • 原発がんの症状
    がんの種類によって、症状は異なります。まずは、原発がんの症状を把握しておき、同様のものが生じていないかチェックすることが大切です。例えば、肺がんであれば長く咳が続いていないか、乳がんであれば乳房にしこりや脇の下の痛みはないかといったことがチェックポイントとなります。
  • 原発がんと異なる症状
    最初に見つかったがんと同じ症状が出た場合は、気づきやすいので見逃すことが少ないと考えられます。しかし、がんの再発は遠隔転移するケースがあります。例えば、肺がんの治療を受けた患者さんの場合、咳や血痰には敏感になりますが、もの忘れやうつの症状が現れても、それが脳への転移によるものだとは気づきにくいかもしれません。全身の体調変化に気を配り、何らかの異変を感じたときには病院を受診するようにしてください。

再発・転移予防のためにできること

再発や転移のサインを見逃さないことはもちろんですが、予防を心がけることも重要です。

手術でがんを切除したあとに抗がん剤治療を継続するのは、がんの再発や転移を予防するためです。その期間は、最初のがんの状態や種類によって異なります。

また、以下のような生活習慣の見直しにも取り組んでください。

  • 食生活の注意点
    食生活は毎日のことなので、改善による予防効果は大きいと考えられます。もっとも気を配りたいのが栄養のバランスです。動物性タンパク質の摂取を否定するような意見もありますが、体力維持のために必要な栄養素のひとつです。野菜や果物もしっかりとって、栄養が偏らないようにしましょう。
  • 日常的に運動する
    日常的に体を動かす習慣を作りましょう。運動する時間を取るのが難しい場合は、通勤や買い物の際に歩く時間を増やす、エスカレーターではなく階段を使うといった、ちょっとした心がけを積み重ねることが大切です。
  • タバコを避ける
    自分自身が喫煙しないことはもちろん、受動喫煙も避けてください。
  • 飲酒量に気を配る
    過度の飲酒は、再発のリスクを高めます。お酒を飲むときは、食欲増進につながる程度の量に留め、体に負担をかけないようにしてください。

なお、このような生活改善は生涯的なものだと認識しましょう。

不安なことは専門家に相談しよう

がんの再発や転移を予防するには、免疫力の維持・向上が重要です。治療を終えてから少なくとも5年間は医療機関との連絡をきちんと取り、健康的な日常生活を心がけて体力の維持に努めてください。

そして、気になることがある場合には、すぐに担当医に相談するようにしましょう。心配ごとはストレスの原因になります。不安な気持ちを自分ひとりで抱え込むのではなく、専門家と共有して事前に対策することが大切なのです。

                                  

参考: