がんの療養中に足がつる場合の対策

がんの療養中に、よく足がつる場合があります。また、抗がん剤のなかには足がつりやすくなる副作用が生じるものもあります。そこで今回は、足がつる原因や足がつったときの対処法、予防法についてご紹介します。

足がつるメカニズムと原因

「足がつる」と足の筋肉が痙攣した状態になり、激しい痛みをともないます。ふくらはぎの筋肉に起きることが多いので「こむら返り(こむらはふくらはぎのこと)」とも呼ばれます。実際には筋肉がつるのは足だけに限らず、指や首などにも生じます。

筋肉の収縮は、脳からの信号が末梢神経へ伝達されることで起こります。しかし、何らかの要因によって信号が一部分の筋肉のみにしか伝わらないと、その筋肉だけが過剰に収縮するという状態になります。これが足の筋肉で起きると、足がつった状態になるのです。

原因としては、筋肉の疲労や運動前のウォーミングアップ不足が挙げられます。運動不足が慢性化していると、ちょっとした動きがきっかけとなって足がつることがあるようです。ベッドに横になっていることが多い入院中は運動不足になりやすく、足がつりやすい状態だといえるでしょう

ほかには、大量の発汗、嘔吐、下痢などで脱水状態になると、筋肉や神経の働きを調節する役割を持つ血液中のミネラルのバランスが崩れて(電解質異常)、足がつりやすくなるといわれています。血流の低下が原因となる可能性もあります。

また、動脈硬化や糖尿病、腎不全、椎間板ヘルニアなどの疾患と関連していることもあります。

服用すると足がつりやすくなる抗がん剤

乳がんの治療に使われるタモキシフェン(ノルバデックス)は、服用すると足がつりやすくなることが知られています。

タモキシフェンはがんの治癒、延命、症状緩和を目的に投与されている抗がん剤です。細胞傷害による脱毛などの副作用も少ないために術後の長期投与に用いられ、投与期間は5~10年に及ぶことがあります。

しかし、タモキシフェンに副作用がないわけではありません。吐き気、嘔吐、ほてり、月経異常や無月経などの症状のほか、足がつりやすくなることが知られています。なかには、足がつったときの激痛によってQOL(生活の質)が低下し、治療を中止せざるを得ないケースもあるそうです。

タモキシフェンがこむら返りを引き起こすメカニズムは、まだはっきりしていません。効果的な治療法については、今後の研究成果を待たなければならないのが現状のようです。

こむら返りの対処法と予防法

足がつったときには、足の筋肉を延ばして対処します。例えば、ふくらはぎがつったときには、足をのばした状態でつま先を反らせて、ふくらはぎの筋肉をのばすようにしましょう。

しかし、足がつると激しい痛みがあるため、できれば予防したいものです。それには、以下のような方法があります。

  • 椅子に座るときやベッドで長時間横になるときは、こまめに体勢を変えましょう。
  • 脱水状態にならないように、十分に水分補給をしましょう。
  • スポーツをする前に、しっかりと準備運動をしましょう。
  • 定期的にマッサージやストレッチをしましょう。睡眠中に足がつる場合は、就寝前にストレッチをするといいようです。
  • ミネラルバランスを整えるために、バナナ、アボカド、ネクタリン、レーズン、プレーンヨーグルト、ホウレンソウ、干しアンズなど、カリウムを豊富に含む食品を多めにとるようにしましょう。

つらい場合には担当医に相談を

こむら返りがひんぱんに起きる場合は、がまんすることなく担当医に申し出ましょう。薬を処方してもらえるかもしれません。

また、漢方の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)はこむら返りの市販薬としてよく知られています。ただし、市販薬の服用を考えている場合は、必ず事前に担当医に相談するようにしてください。

 

参考: