がんが再発したときの受け止め方

がんが再発したときの患者さんのショックは、最初にがんと診断されたとき以上に大きいともいわれています。今回は、がんの再発について再確認するとともに、怒りや誰かを責めたくなるような患者さんの気持ちを取り上げ、どのように受け止めればいいのか考えてみます。

がんの「再発」とは

がんの治療が成功したと考えられていたのに、目には見えないほどの小さながんが残っている場合があります。この取り除けなかった小さながんが増殖し、再び現れるのが「再発」です。

元の病巣とは違う場所にがんが見つかる「転移」も、再発に含みます。転移は、がん細胞が自らの力で血管やリンパ管に入り込んで血液やリンパ液の流れに乗って移動し、ほかの場所で増殖することによって生じます。そのため、血液の流れが豊富な肝臓、肺、脳、骨、そしてリンパの流れが集まるリンパ節は、転移しやすい場所として知られています。

大腸がんの再発率

再発の確率は、がんの種類や性質、治療法などによって異なります。大腸がんを例にみてみましょう。

日本癌治療学会の「大腸癌治癒切除後のStage別再発率と術後経過年数別累積再発出現率」の資料によると、ステージ別の再発率は、ステージIが3.7%、ステージIIが13.3%、ステージIIIが30.8%となっています。リンパ節転移がなく、がんの浸潤が粘膜下層あるいは固有筋層までに留まるステージIでも、再発の可能性があるのです。

また、術後5年以上経過していても、ステージIで0.15%、ステージIIで0.94%、ステージIIIで0.67%と、わずかではありますが再発するケースがみられます。

がんの再発を告知された患者さんの心理状態

がんの種類や性質によっては、再発のリスクがある程度予想できます。そのようなケースでは、再発を予防するための治療が行われることがありますが、再発を完全に防止することはできません。

そして、がんの再発がわかったときの患者さんの精神的ショックは、最初にがんと診断されたときよりも大きいといわれています。そのときの患者さんの心理状態には、以下のようなものがあります。

自分を責める

定期検診を受けなかったせいだ、お酒を飲んだせいだ、食事の栄養バランスを気にかけなかったせいだ、あまり運動をしなかったせいだ、などと、日ごろの行いに再発の原因があると考え、自分を責めてしまう患者さんが少なからずいらっしゃいます。しかし、どんなに努力をしても再発の可能性がゼロになるわけではありません。あのときこうしていれば、と、後悔する必要はないのです。

医療者を責める

がんの治療が実は適切ではなかったのではないか、治療後のフォローアップが不十分だったのではないか、と、担当医を責める気持ちを抱くケースもあります。

医師や看護師などの医療者は、治癒のために全力を尽くしています。しかし、気になる点がある場合は、再発がんの治療が始まる前に担当医と十分に話し合い、疑問や不満を解消してください。

それでもなお担当医への不信感が消えないようであれば、納得できる治療を受けるために病院や医師の変更を考慮すべきかもしれません。

怒りや心配、死に対する恐れ

怒りを覚えたり、心配でたまらなくなったり、死に対する恐怖に襲われたりすることもあります。

そのようなときには、誰かに自分のつらい気持ちを話すと、心の整理がついて、少し落ち着くかもしれません。話をする相手は、担当医や看護師、家族、友人をはじめ、患者会で知り合った同じがんを患う人など、信頼がおける人ならば誰でも大丈夫です。知っている人には話しづらいと感じるときは、担当医にカウンセラーを紹介してもらうといいでしょう。

また、不安で眠れなかったり、何も手につかないほど気持ちが落ち込んだりする日々が2週間以上続く場合は、専門家による心のケアを受けるようにしてください。  

希望する生き方を医師に伝えよう

再発したがんは、根治が望めないケースがほとんどです。しかし、がんが治らなくても治療ができないわけではありません。再発の告知を受けた直後のショックから気持ちが落ち着いたら、今後どのように生きていきたいのかを考え、自分の希望を担当医に伝えましょう。

 

参考: