がんに関わる「しゃっくり」について

しゃっくりの経験は、誰にでもあると思います。しかし、いつまでも止まらないしゃっくりには、胃がんや肺がん、脳腫瘍などが潜んでいるケースがあります。また、抗がん剤治療の副作用でしゃっくりが出ることもあります。今回は、がんと関わりのあるしゃっくりについてご紹介しましょう。

しゃっくりは横隔膜と肋間筋のけいれんで起きる

医学用語では「吃逆(きつぎゃく)」といわれるしゃっくりは、横隔膜と肋間筋がけいれんすることによって起こります。「ひっく」というような音が出るのは、横隔膜がけいれんした際に声帯の筋肉が収縮し、狭くなったところを息が通るためです。

しゃっくりは持続時間によって3種類に分類され、48時間以内に治まるものは「吃逆発作」、48時間~1カ月間続くものは「持続性吃逆」、1カ月以上続くものは「難治性吃逆」といわれます。

すぐに止まる心配のいらないしゃっくりの原因

しゃっくりは、さまざまな原因で引き起こされます。以下のような原因の場合は短時間でおさまり、病気の心配はないとされています。

  • 多量の食事やアルコールを摂取したとき
  • 香辛料などの刺激のある食べものを摂取したとき
  • 笑ったり、驚いたりしたとき
  • 冷たいシャワーを浴びたり、冷たい飲み物を飲んだりして、胃腸やその周りに急激な温度変化があったとき

長く続くしゃっくりは要注意

持続性・難治性吃逆と呼ばれる長く続くしゃっくりは、ストレスやヒステリー性神経症など心因性の原因がある場合や、突発性で原因不明な場合があります。また、以下のように病気が原因になっているケースもあります。

  • 中枢性しゃっくり
    脳や脊髄といった中枢神経が刺激されて生じるしゃっくりです。原因となる病気としては脳梗塞やアルコール依存症などがあり、がんとの関連では脳腫瘍が挙げられます。
  • 末梢性しゃっくり
    中枢神経からのびている、筋肉を支配する末梢神経が刺激されて生じるしゃっくりです。原因となるがんには、食道がん、肺がん、胃がん、肝臓がんなどがあります。横隔膜に近い消化管の潰瘍や炎症は、横隔膜を直接刺激してしゃっくりを引き起こすといわれています。

がん治療中に生じるしゃっくり

抗がん剤の副作用でしゃっくりが生じる場合があります。例えば、シスプラチンでは点滴の翌日にしゃっくりが出る頻度が高いことが知られています

がん治療にともなうしゃっくりは、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)に大きく影響することから、効果的な治療法が求められています。

薬剤によるしゃっくりの対処

しゃっくりを治療する薬剤には、ジメチコン含有制酸薬、メトクロプラミド、バクロフェン、クロナゼパム、クロルプロマジンなどがあります。必要に応じて処方されるでしょう。

がん治療中のしゃっくりは担当医に相談を

しゃっくりは日常的に起きるため、病気の症状として認識できないかもしれません。しかし、あまりにも長くしゃっくりが続く場合は、念のために医療機関を受診するようにしましょう。また、抗がん剤治療中にしゃっくりが生じたとしても、その原因が抗がん剤の副作用だとは限りません。ほかに原因がある可能性もあるので、がん治療中のしゃっくりは必ず担当医に相談してください。

 

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