血小板減少の副作用で注意すべきポイント

抗がん剤治療による骨髄抑制の副作用では、白血球や赤血球、血小板の減少がみられます。今回は血小板の減少に着目し、症状が生じる可能性があるときや実際に症状が現れたときの注意点について解説します。また、血小板減少時にけがをしてしまったときの対処法もご紹介しましょう。

血小板減少の副作用が生じるメカニズム

がん治療に用いる抗がん剤の影響は、病変部位だけでなく骨髄にもおよびます。すると骨髄の血液をつくりだす機能が低下し、血を固めて出血を止める働きをもつ血小板もつくられなくなってしまうのです。抗がん剤の種類や患者さんの体質などによっても異なりますが、一般的には抗がん剤投与後7~10日で血小板が減少し始め、14日程度症状が続くといわれています。

健康な状態であれば、血液1μl(マイクロリットル)あたり20~35万個の血小板が存在します。これが減少すると出血しやすくなり、血液1μlあたり3万個未満になると血が止まりにくくなったり、皮下出血しやすくなったり、鼻血が出やすくなったりします。

血小板減少時の療養生活の注意点

血小板が減少した状態だと、出血しやすくなったり、出血が止まりにくくなったりします。そうなると万一のときの出血量が増えるため、傷やけがを防がなければなりません。療養生活のなかでの注意点を以下で確認しましょう。

療養生活における基本的な注意点

  • アルコールには、血液を固まりにくくする作用があります。飲酒は避けましょう。
  • 便が硬くなると、りきんだときに肛門を傷つけてしまう可能性があります。消化のいい食事や十分な水分摂取など、便通を整える工夫をしましょう。
  • 歯ブラシは毛が柔らかいものを使い、歯茎を傷つけないようにしましょう。フロス(糸ようじ)や歯間ブラシは、できるだけ使わないことをおすすめします。
  • 下着、衣服、ベルト、時計などで体を締めつけすぎないようにしましょう。
  • 鎮痛薬や解熱薬のなかには、血が止まりにくくなる成分を含むものがあります。服用する可能性がある場合は、事前に主治医に相談しましょう。
  • 皮膚を傷つけないように爪は短く切り、丸く整えましょう。
  • 転倒や打撲に注意してください。室内履きのスリッパには、滑り止めが不十分なものや脱げやすいもの、つまずきやすいものがあります。安定感のある上履きや運動靴で代用するといいでしょう。衣類は、家具やドアノブ、手すりなどにひっかからないように、袖がすぼまっているものをおすすめします。
  • ひげを剃る際は、傷をつくらないためにカミソリではなく電気シェーバーを使いましょう。
  • 爪でひっかかれたり、噛まれたりする可能性があるので、ペットの入浴などはほかの家族に任せましょう。やむを得ずに自分でやる場合は、肌の露出が少ない服装で手袋を着用しましょう。
  • ガーデニングや畑仕事などをするときは、手袋を使って傷を防ぎましょう。

傷やけがを予防するための注意点

血小板減少時にけがをしたときの対処方法

注意をしていても、けがをしてしまうことがあると思います。体を動かして血圧が上昇すると出血量が増えてしまうので、まずは静かに横になって心身の安静を保ちましょう。

出血がある場合は、その場所を清潔なガーゼやタオルで圧迫して止血します。その際に、冷却枕や氷水を入れたビニール袋で傷口とその周辺を冷やすと、血が止まりやすくなります。止血できたら、感染予防のために傷口の清潔を保ってください。

止血のアドバイスを受けたいときは、担当医に連絡してください。

転倒・打撲後に体調変化があったときはすぐに受診を

適切な処置を施しても、出血が止まらない場合や、出血斑(皮下出血)の範囲が明らかに拡大している場合は、早めに医療機関を受診してください。

また、転倒や打撲をしたときは、その後の体調の変化に気を配りましょう。時間が経つごとに痛みが増したり、急速に腫れたり、気分が悪くなったりした場合は、外側からでは見分けのつかない場所で出血している可能性があります。すぐにかかりつけの医療機関に連絡して指示を仰ぐとともに、受診するようにしてください。

血小板減少の副作用は「工夫」で乗り切ろう

血小板減少の危険性を知ると、症状の出現を必要以上に恐れてしまうかもしれません。しかし、血小板減少の副作用自体を防ぐことは難しくても、その症状にともなう二次的な影響は工夫しだいで予防できます。今回ご紹介した内容を参考に、療養生活をすごしましょう。

 

参考: