がん予防にもなる?「笑い」の効能

「笑う門には福来たる」ということわざがあるように、昔から笑っていると幸せになるといわれています。ところが近年になって、笑うことには医学的にも注目すべき効果があるとわかってきました。そこで今回は「笑い」に注目し、人の体にもたらす効果やがん予防との関係を探ります。

笑いがもたらす効果

がんや心臓病の患者さんを含む19人に、漫才や吉本新喜劇を観て3時間笑ってもらったあと、免疫力がどのように変化するのかを調べた例があります。この実験の直前と直後に採血をして、リンパ球の活性(がん細胞を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性)を比較したところ、笑ったあとは数値が正常化、もしくは正常範囲に近づくことが確認されました。つまり、笑いは免疫力の正常化に即効性があるという結果が示されたのです。

ほかにも、笑いは以下のような効果をもたらします。

  • 運動効果
    声を出して笑うと、腹筋をはじめとした多くの筋肉を使う有酸素運動となるそうです。また、笑うことで消費カロリーは10~20%増加し、1日に15分程度笑うと40kcalの消費になるとされています。積極的な運動が難しい高齢者にとって、非常に効果的だといえるでしょう。
  • 脳の活性化
    脳の血流が増加し、活性化します。
  • 幸福感が得られる
    エンドルフィンというホルモンが分泌されます。エンドルフィンはモルヒネと同等の作用を持つために「脳内麻薬」とも呼ばれ、多幸感や鎮痛作用をもたらします。
  • ストレスの軽減
    エンドルフィンのほかに、ドーパミンやセロトニンといったホルモンも分泌されます。ドーパミンはやる気を高めてくれるホルモンで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制します。また、セロトニンにはリラックス効果やストレスから開放する作用があることがわかっています。

笑いとがん予防の関係

健康な人の体内では1日に3000~5000個のがん細胞が発生していますが、NK細胞が発生したがん細胞を攻撃することでがんの発症を食い止めています。しかし、日常的にストレスがあり免疫力が低下すると、がんのリスクが高まってしまうのです。

前述したように、笑いはNK細胞の活性化を促し、免疫系を正常化させる可能性があります。ひいては、がんへの抵抗力を高めるものと期待されているのです。

作り笑いでも効果がある

ひとくちに笑いといっても、爆笑や愛想笑いなどさまざまな種類があります。どのような笑いが体に好影響をもたらすのでしょうか。

実は、作り笑いにも免疫力アップやリラックス効果があるのです。笑顔になると口角が上がり、目が細くなります。そこに感情がともなっていなくても、笑顔を作るだけで脳が笑っていると錯覚し、エンドルフィンやドーパミン、セロトニンといった脳内ホルモンが分泌されるのです。

そこで、笑えるような状況ではないときも、口角を上げて目を細め、笑顔を作るように心がけましょう。たとえ作り笑いでも、体のなかでは笑ったときと同じような好ましい効果がもたらされます。1日に1回でも声をあげて大笑いをする習慣が、がん予防を含めた健康維持につながるのではないでしょうか。

 

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