健康への影響は?使用上の注意点は?殺虫剤の基礎知識

春から夏にかけて気温が上がるとともに、蚊やハエ、ゴキブリなどの存在が気になり始めます。このような害虫の対策をしたい人にとっては、殺虫剤に含まれる成分の発がん性が気になるところでしょう。そこで今回は、殺虫剤の成分と健康への影響、適切な使用方法についてご紹介します。

殺虫剤成分と健康への影響

殺虫剤には、蚊取り線香や電気蚊取、スプレー、くん煙剤などさまざまなタイプがあります。そしてその成分は、対象とする害虫によって異なります。

日本で市販されている殺虫剤は、薬事・食品衛生審議会の審査によって安全性が確認されています。毒性やアレルギー、生殖に及ぼす影響など数多くの試験が行われていますが、実は発がん性に関しては必須ではありません。必要に応じて実施することになっているのです。

また、家庭で使ううえでの安全性は確認されているとはいえ、誤った使い方をすると健康へ悪影響を及ぼす可能性があります。成分によっては環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の疑いがあるものや、動物実験で発がん性が認められたものがあるそうです。商品に記載されている使用方法は、必ず守るようにしてください。

不適切な使用法によって体内に殺虫剤の成分を取り込んでしまうと、どのような影響があるのでしょうか。ペルメトリンとd-フェノトリンを例にみてみましょう。

  • ペルメトリン
    長い残効性と特にゴキブリに対する優れた効果を持ち、動物実験によって生体内での分解と排泄が非常に速いという特徴があることが明らかになっています。健康への影響は、吸入した場合には咳症状、皮膚に付着した場合には発赤と灼熱感、目に入った場合には痛みと発赤、経口摂取した場合は嘔吐や下痢、灼熱感の症状がみられます。長期的、または反復した接触の影響については不明です。
  • d-フェノトリン
    イエバエ、蚊、ゴキブリに対する高い致死率が特徴です。眼に入った場合には、発赤の症状がみられます。また、作業中は、肌に直接触れないように保護手袋の着用するとともに、経口摂取を避けるために飲食や喫煙をしないようにとされています。食品や飼料と一緒に保管してはいけません。長期的、または反復した接触の影響については不明です。

殺虫剤の成分から身を守るために

まったく殺虫剤を使わないのは、日常生活を送るうえで現実的ではないでしょう。そこで、殺虫剤に含まれる有害成分から身を守るために、気を付けるべきポイントをご紹介します。

  • 目的に合った殺虫剤を使う
    殺虫剤の成分は、駆除をする害虫によって異なります。そのため、目的に合わない殺虫剤を使っても効果は得られません。それに気づかずにいると、効果がないからといって適用量を超えて使ってしまう危険性があります。殺虫剤の効果はよく確認し、目的に合ったものを選んでください。
  • きちんと保護具を着用する
    殺虫剤によっては、使用時にマスクやゴーグル(眼鏡等)、手袋といった保護具を着用するよう指示のあるものがあります。それを守らずに事故が発生した例もあるので、面倒かもしれませんが保護具はきちんと着用するようにしましょう。
  • 使用後の後処理も忘れずに
    殺虫剤を使ったあとには、十分な換気が必要です。これは、可燃性のガスを屋外へ排出する目的もありますが、殺虫剤の成分の人体への付着や吸引による中毒事故を防ぐためでもあります。臭いは消えていても、殺虫成分は空気中に残っている可能性があるので、十分な換気を心がけましょう。また、殺虫剤が肌や衣服に付着した場合は、速やかに洗い流す、着替えるなどの対処をしてください。

殺虫剤の使用頻度を減らす工夫も必要

殺虫剤を使わずに済むのであれば、それに越したことはありません。害虫が簡単に侵入できないように、網戸や窓、戸の状態は定期的に確認しましょう。屋外に通じる扉のそばに、カーテン式の防虫ネットや虫よけのライトなどを用意するのも有効です。

殺虫剤が必要な場合は、空中に散布するタイプではなく、備え付けるタイプをおすすめします。そのほうが、殺虫剤の成分に接触する頻度を抑えられるでしょう。

ご自身の療養環境に適した工夫をしながら、上手に殺虫剤を使ってください。

 

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