抗がん剤の副作用への不安感を克服する方法

抗がん剤は第一選択の治療法としてだけでなく、再発や転移の抑制にも大きな効果を発揮します。しかし、副作用があるために不安を感じてしまう患者さんが少なくありません。そこで今回は、不安に思う気持ちを整理し、コントロールする方法をご紹介しましょう。

まずは不安の原因を探ろう

ただ漠然と不安感にさいなまれているのは、決していい状態とはいえません。まずは、何が原因になっているのかを考えてみましょう。その際に紙に書き出すと、頭の中を整理する助けとなります。

多くの人は、以下のような要素を不安に感じます。自分の不安感の原因が判然としない場合は、これらを手掛かりに気持ちを探ってみましょう。

  • 自分の身にどのようなことが起きるのか、よくわからない
  • 副作用の症状を、自分で完全にコントロールできない
  • 吐き気、下痢、疲労感など、さまざまな不快な症状が待ち受けている
  • 仕事、家事、趣味といった、今までの日常生活が妨げられる
  • 脱毛のような容貌の変化
  • 妊娠の可能性の低下
  • 点滴などの治療全般

副作用への不安感を軽減する3つのポイント

副作用に対する不安を軽くするには、3つのポイントがあります。以下で確認してみましょう。

ポイント1:副作用について理解する

何かつらいことが起こりそうなのに、その正体がわからないという状況は、非常に大きな不安を感じるものです。知りたくないという気持ちもあるかもしれませんが、自分の身に何が起きるのかを理解しておくことは、不安の軽減に有効です。

予想される副作用の症状や発現時期、発現確率などを把握しておきましょう。さらに、副作用が生じたときの治療や、セルフケアの方法についても確認してください。副作用に関する知識があると、症状が現れたときに早めの対処ができるため、重症化を防ぐことができます。自分自身でそのような話をしたくない場合は、家族などに確認してもらうといいでしょう。

患者会などで同じような治療を受けた人の話を聞くのもおすすめです。副作用について、経験者ならではのアドバイスを受けられるかもしれません。また、自分ひとりだけではないと感じられることにも意義があります。

ポイント2:専門家や身近な人に相談する

仕事に関することや妊娠の可能性など、特に気にかかることがある場合は担当医や看護師に相談してください。不安や心配ごとの内容によっては、ソーシャルワーカーなどの専門家を紹介してもらうといいでしょう。また、家族や親しい人に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。

ポイント3:がんを治すための抗がん剤治療だと認識する

もっとも重要なのは、がんを治すための抗がん剤治療だと認識することです。決してつらい思いをするためのものではありません。そして、自分をリラックスさせる方法を探すことも大切です。音楽鑑賞や深呼吸、ヨガや散歩など何でも構いません。気持ちを落ち着かせることで、ものごとを冷静に考えられるようになるでしょう。

進化が続く副作用の対処法

昨今では副作用の少ない抗がん剤が増えるとともに、副作用を軽減する治療法の開発も進んでいます。

例えば、副作用による吐き気の症状は、1995年に開発されたセロトニン拮抗剤によって劇的に改善されました。以降もステロイド剤やアプレピタントといった新たな薬剤が続々と登場し、2010年には第2世代のセロトニン拮抗剤としてパロノセトロンが承認されています。

副作用の症状が出たときに医師へ正確な情報を伝えれば、より適切な処置を受けることができます。そして、副作用が軽減される可能性が高くなるでしょう。それを理解しておけば、過剰な不安を抱えることがなくなるかもしれません。

 

参考: