喫煙がもたらす白血病のリスク増加

多くの研究にて、喫煙がさまざまながんや呼吸器疾患、循環器疾患の原因となることが示されています。さらに、国立がん研究センターの研究によって、喫煙が白血病の罹患リスクを高めることが明らかになりました。そこで今回は、喫煙と白血病の罹患に関する新たな研究報告についてご紹介します。

約10万人を対象にした追跡調査を実施

日本では白血病の発症率が年々上昇しており、2014年の統計では人口10万人あたり男性は8.0人、女性は5.1人が死亡しています。男性の割合が高い原因としては、喫煙との関連が指摘されていました。

また、国際がん研究機関(IARC)も喫煙が急性骨髄白血病の発症リスクとなることが確実との報告をしています。しかし、日本人を対象にした検証はなされていなかったため、1990~2012年にかけて40~69歳の男女約10万人を追跡調査する多目的コホート研究が行われました。

喫煙習慣によって対象者を合計4グループに分類

白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性白血病(CLL)の4種類に大別されます。しかし、近年では慢性リンパ性白血病は悪性リンパ腫の一種と考えられているため、今回の研究対象にはなっていません。

今回の調査では、喫煙習慣によって対象者を「非喫煙者グループ」「喫煙をやめたグループ」「喫煙者グループ」に分けました。さらに「喫煙者グループ」は、喫煙指数(たばこ1箱を20本として「1日あたりの喫煙箱数×喫煙年数」の計算式で算出した値)によって2つのグループに分類しています。

性別と1日の喫煙本数で急性骨髄性白血病のリスクに差

男性は、喫煙者グループでも喫煙指数が30未満の場合は、非喫煙者グループに比較して急性骨髄性白血病のリスク増加は認められませんでした。しかし、喫煙指数が30以上になると、急性骨髄性白血病の発症リスクが非喫煙者グループの2.2倍に上昇したとのことです。ただし、女性においては、喫煙者や白血病に罹患した人の数が少なかったため、はっきりとした結果が得られませんでした。

電子たばこも過信は禁物

今回の調査から明らかになった白血病の発症リスク増は、受動喫煙においても同様です。また、近年利用者が増えている電子たばこも、国際がん研究機関の発がん性分類でグループ1(ヒトに対する発がん性がある)に分類されるホルムアルデヒド、グループ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に分類されるアセトアルデヒドなどの有害なカルボニル類が検出されたとの報告があります。

電子たばこから発生するカルボニル化合物量は、平均値では紙巻きたばこより非常に少ないものの、銘柄によって、または同一銘柄でもロットによってばらつきが大きいことが指摘されています。特にホルムアルデヒド発生量は、紙巻きたばこの10倍以上に達するケースがあったとのことです。有害物質が少ないとされる電子たばこですが、過信は禁物だといえるでしょう。

禁煙に取り組んで白血病の発症リスクを低減しよう

今回の研究で、国際的に指摘されていた喫煙による急性骨髄性白血病のリスク上昇が、日本人にも当てはまることが明らかとなりました。急性骨髄性白血病は、ほかのがんより発症頻度は低いのですが、治療が難しい疾患のひとつです。その発症リスクを低減するには、禁煙が欠かせません。

また、喫煙は白血病だけでなくさまざまな疾患の原因となることが明らかになっています。がんの治療効果を最大限に得るためにも、療養生活を快適に過ごすためにも、ぜひ禁煙に挑戦してください。しかし、喫煙が長年の習慣となっている人にとって、禁煙は難しいものです。自分ひとりでストレスを高めながら取り組むのではなく、まずは主治医や担当看護師に相談しましょう。禁煙を成功させるためのアドバイスや、禁煙外来などの紹介を受けられるはずです。

 

参考:

喫煙とがん|がん情報サービス