がん治療中に良好な栄養状態を保つポイント

がんと診断された時点で、約20%の患者さんが栄養不良に陥っているといわれます。それが末期状態の患者さんになると、栄養不良の割合が80%以上にもなるそうです。栄養状態の良し悪しによるがんの治療への影響は無視することができません。そこで今回は、がん治療において栄養状態を保つためのポイントをご紹介しましょう。

栄養状態はがん治療の礎となる

がん治療を受けるにあたっては、患者さんの体力の有無が非常に重要な要素となります。また、筋肉や体重を維持することも不可欠といえるでしょう。その礎となるのが、良好な栄養状態です。栄養状態を保つことで、治療に必要な体力の維持だけでなく感染症のリスク低下や副作用への耐性向上、回復スピードの向上など、多くのメリットがあります。

がん治療中の栄養状態を保つ食事の工夫

良好な栄養状態を保つには、良質な食事をとらなければなりません。しかし、がんの治療が始まると、副作用などの影響で思うように食べられないケースがあります。そこで、がん治療中の食事に関するポイントをみてみましょう。

治療が始まる前から備えよう

がん治療に耐えるための体力を培い、感染のリスクを下げるためにも、事前に栄養状態を高めておかなければなりません。がんと診断されたら、治療が始まる前から栄養バランスの取れた食事を心がけてください。

治療が始まると、買い物に出かけたり料理をしたりするのがつらいことがあります。そのようなときに備えて、缶詰や瓶詰、ナッツ、ヨーグルト、アイスクリーム、ビスケット、クラッカー、冷凍食品など、簡単に口にできる食べものを用意しておきましょう。あらかじめ料理したものを小分けにして、冷凍保存しておくのもおすすめです。

また、可能であれば買い物や調理のサポートを家族や友人にお願いしておきましょう。特に自宅療養の場合は、治療開始直後に食事の用意をしてくれる人がいると大きな助けとなります。

さらに、食事の面から考えられる副作用への対策について、担当医や看護師に確認しておくことをおすすめします。

治療中の食事のポイント

治療開始後は、体力や抵抗力の維持がますます重要になります。栄養状態がよければ、体内の壊れた組織の再生が促進されます。また、きちんと食事をとって副作用への耐性を高めれば、より効果的な治療法の選択肢が出てくるかもしれません。

がん治療中の食事は、動物性・植物性を問わず高たんぱく質の食品を十分にとってください。例としては、脂身の少ない肉、魚、卵、豆類、ナッツ類、牛乳、チーズやヨーグルトなどが挙げられます。さらに、野菜やフルーツの摂取や十分な水分補給も大切です。

十分な食事がとれないときや、体重減少がみられるときは、1日に何回か間食をしてエネルギーと栄養を補ってください。その際は空腹感を待つのではなく、2~3時間おきに少量ずつ食べるといいでしょう。

軽い運動に取り組もう

体を動かすことは体力や筋力、骨の強度の維持に欠かせません。食欲増進の効果も期待できるので、医師と相談しながらウォーキングのような軽い運動に取り組みましょう。ただし、決して無理をしてはいけません。体調に気を配り、必要なときには体を休めるようにしてください。

バランスのとれた食事で栄養を管理しよう

がんの治療・療養中は、良質のたんぱく質、野菜やフルーツを含むバランスのとれた食事をとるのが大切です。その一方で、砂糖やカフェイン、塩、アルコールの摂取を控えることが推奨されています。ただし、治療内容によっては避けるべき食品もあるため、試してみたい食品や食事療法がある場合は、事前に担当医に相談するようにしてください。

 

参考: