喫煙は万病の元!がんのリスクとなる理由

タバコを取り巻く世の中の動きは、禁煙推進へと向かっています。タバコを吸う人にとって、喫煙は直接的に体の中へ有害物質を取り込むこととなり、がんをはじめとした健康被害のリスクを高めるのはよく知られるところです。また、タバコを吸わない人にとっても、周囲に喫煙する人がいると受動喫煙による健康被害の危険性が高まることがわかっています。しかし、それをわかっていても、なかなか禁煙できないという人は多いでしょう。そこで今回は、喫煙がもたらす健康面のリスクについて考えてみます。

タバコの煙に含まれる有害物質

タバコの煙は約4000種類もの化学物質を含むといわれています。そのうち、体に取り込まれると遺伝子を傷つけ、がんを発症させる可能性の高い「発がん性物質」は40種類以上、発症したがん細胞を増殖させる作用を持つ「がん促進物質」は200種類以上にのぼるそうです。

なかでも最も有害な物質であるといわれているのが、ニコチン、タール、一酸化炭素です。

強い依存性があるニコチン

タバコにニコチンが含まれていることは、多くの人がご存じでしょう。

ニコチンはタバコの葉に含まれる成分で、それ自体に発がん性はありません。しかし、体内に取り込まれたあとに分解・代謝されて発がん性物質を生成します。また、ニコチンには強い血管収縮作用があり、血流を悪化させます。そうなると血圧の上昇を招いたり、細胞が健康を維持するために必要な栄養が運ばれにくくなったりするほか、免疫力低下の原因にもなるのです。

さらに、ニコチンには強い依存性があります。喫煙によって血中に取り込まれたニコチンは、約30分で半減するといわれています。時間が経ってニコチンの血中濃度が下がってくると、イライラする、集中力が落ちたように感じる、怒りっぽくなるといった禁断症状が現れ、再びタバコを吸いたくなるのです。ニコチンはタバコを吸うと10秒足らずで脳に到達し、禁断症状は収まります。タバコを吸うと落ち着くように感じるのはそのためです。それを繰り返すことで、喫煙の習慣ができていきます。

また、ニコチンは神経毒性の強い猛毒です。誤ってタバコの葉を食べてしまったり、灰皿代わりにしていた缶に入った飲料を飲んでしまったりすると、中毒を起こして死亡する可能性があります。

体内に長期間留まり悪影響を与えるタール

タールはタバコの葉に含まれる有機物質が熱分解され、化学物質の結合体となった粘り気のある液体です。タバコを吸ったときにフィルターを茶色く染める物質といえば、わかりやすいでしょう。なお、タールに含まれる約4000種類の化学物質うち、約200種類は人体に有害なものです。そして、ベンゾピレン、ジメチルニトロソアミン、キノリン、メチルエチルニトロソアミン、ヒドラジンなど、60種類以上の発がん性物質が含まれています。

いったん体内に取り込まれたタールは、禁煙しても長期間残って悪影響をおよぼします。また、そばに喫煙をする人がいれば、非喫煙者の体内にもタールが取り込まれてしまいます。つまり、喫煙者は自分の体だけでなく、周囲の人の健康にも害を与えていることになるのです。

全身の細胞に酸素不足を引き起こす一酸化炭素

タバコの煙には、1〜3%程度の一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は、炭素が燃えるときに酸素が不十分で、不完全燃焼を起こした際に発生する気体です。

通常、呼吸によって体内に取り込んだ酸素は、ヘモグロビンと結合して全身の細胞に送られます。ところが、一酸化炭素は酸素の200倍以上ヘモグロビンと結合しやすい性質を持っています。そのため、喫煙によって一酸化炭素を吸いこむとヘモグロビンが酸素と結合することができず、全身の細胞に酸素が行き渡らなくなって慢性的な酸欠状態に陥るのです。また、一酸化炭素は動脈硬化を促進させるともいわれています。

タバコはがんをはじめさまざまな病気のリスクを高める

タバコには依存性があるため、いったん喫煙の習慣ができるとなかなかやめることができません。長年喫煙を続けていると、体内に取り込まれた有害物質や発がん性物質の影響で免疫力の低下を招きます。

がん細胞は健康な人の体内でも毎日発生していますが、免疫がしっかりと機能していればがんの発症には至りません。しかし、喫煙が原因で免疫力が低下しており、発がん性物質ががん細胞の増殖を促す状態だと、がんを発症する可能性が高くなります。

もちろん、がん以外の病気のリスクを高めることも忘れてはなりません。喫煙の習慣がある人は、禁煙に取り組むべきではないでしょうか。

 

参考