ベッド環境を整えて快適な療養生活を送ろう

ベッドは就寝だけでなく、がんの治療や療養の疲れを回復したり、体の苦痛や負担を少しでも和らげたりするための大切な場所です。ちょっとした工夫をすることで、痛みがつらいときでも寝返りをうちやすくなることがあります。そこで今回は、ベッドの環境づくりのポイントをご紹介します。

ベッド環境を整えるべき理由

体に痛みや不快感があるときにベッドで休養すると、無意識に楽な姿勢を長時間維持してしまいます。ところが、それが原因となって筋肉や関節、皮膚などへ負担をかけている場合があるのです。そのようなときは、ベッドの環境を整えることで体への負担を軽減し、より快適に過ごすことができるようになります。具体的には、体の状態に適したマットレスを使うことに加え、適宜クッションなどを組み合わせることで、体への負担を軽減しつつ楽な姿勢を維持しやすくなるでしょう。また、ベッド柵や介助バーがあれば、寝返りをうったり姿勢を変えたりするときの助けとなるほか、体を動かす際の痛みを軽減することもできます。

人は就寝中でも人はコップ1杯ほどの量の汗をかくといわれています。また、新陳代謝による体からの汚れが、知らぬ間に寝具に付着します。つまり、ベッドは汚れがたまりやすい場所なのです。特に治療中は、就寝時間以外もベッドの上で過ごすこととなるため、ベッドの清潔を保つことがより重要になります。

寝具は体の状態や目的に合わせて選ぶ

布団、ベッド、マットレスは、素材や厚み、機能などによってさまざまな種類があります。特にマットレスは、自分の体の状態や目的に合ったものを選ぶことが大切です。

マットレスに使われる素材は、ウレタンフォーム、ゲルやゴム、エア、ウォーターなどさまざまな種類があり、なかには複数を組み合わせたものもあります。

マットレスのかたさは、患者さんの日常生活のADL(日常生活動作)の状態を考慮して決めます。ADLが自立している場合は、適度なかたさがあって動きやすく寝返りのうちやすいものを、ADLの介助が必要な場合は、状態に応じて耐圧分散性に優れるやわらかめのものを選びましょう。適切なマットレスは安眠だけでなく、安定した寝返りや体位変換を促し、褥瘡予防にもつながるのです。

お手入れと少しの工夫でベッドを清潔に

寝具は常に清潔を保ちたいものです。それには、日ごろのお手入れが欠かせません。しかし、がんの治療・療養中は体調が変化しやすかったり、思うように体を動かせなかったりすることがあります。そのようなときでも、少しの工夫で比較的簡単にベッドの清潔を保つことができます。

  • 寝具カバー類は週に一度は交換する
    シーツや寝具カバーのように直接肌に触れるものは、汚れたらその都度交換するのが最善です。しかし、寝具には目に見えない汚れが蓄積します。また、保温性が高く雑菌が繁殖しやすいため、少なくとも週に一度は交換するようにしてください。特に、枕カバーは皮脂で汚れやすいため、可能であれば毎日交換しましょう。
    体調が不安定でシーツやカバー類をこまめに取り替えるのがつらいときは、シーツの上に大きめのバスタオルを敷いて寝ると、汚れたときに手軽に交換できます。同様に、枕カバーの上からタオルを巻いておくのもおすすめです。
    なお、防水シーツは通気性が悪いため、蒸れによって皮膚トラブルを起こすことがあります。嘔吐などの汚れが心配な場合は、フラットタイプのオムツや吸収パッドを枕元に敷くか、枕自体に被せておくと、汚れを最小限にとどめつつ簡単に清潔なものと交換することができます。
  • 掛け布団のお手入れ方法
    掛け布団は、素材によってお手入れの方法が異なります。綿や合繊の布団は週に1~2回、羊毛布団は週に1回、羽毛布団は月に1~2回を目安に干しましょう。時間は片面1~2時間が目安です。その際に布団を強くたたく人がいますが、生地や中身の素材を傷める可能性があるため、表面を軽く手で払う程度にするか、取り込んだあとに掃除機をかけることをおすすめします。
    日干しするのが難しい場合は、布団乾燥機を使うといいでしょう。布団の湿気を取り除けるほか、ダニや雑菌などを死滅させる効果もあります。

体の負担を軽減できる寝具を選ぼう

がんの治療・療養中に使う寝具は、体への負担を軽減できることを意識して選ぶようにしましょう。もし、入院中に体が楽に感じた寝具があったときは、担当の看護師に種類を確認しておくと、自宅の寝具を買い替える際に役立ちます。実際に購入する場合は、介護用品店に問い合わせてみましょう。

 

参考: