がんの治療中に安心して一時帰宅するためのポイント

がんの治療スケジュールの合間に年末年始やお盆、連休がある場合、医師の許可を得て一時帰宅する人がいらっしゃると思います。帰宅できることをうれしく思う一方で、病院を離れることに不安を感じるかもしれません。そこで今回は、がん治療中の一時帰宅を安心して過ごすためのポイントをご紹介します。

一時帰宅とは

病院施設の規則では「一時外出・外泊」といわれますが、一時帰宅と同じ意味です。

病状が安定しており、自宅などでの療養に問題がないと医師が判断した場合、患者さん本人やご家族の希望で冠婚葬祭に参加したり、年末年始やお盆に自宅で過ごしたりできます。また、投薬治療が行われない期間に自宅でリラックスして過ごしてもらうために、一時帰宅が許可されることもあります。しかし、患者さんの状態が安定していても、自宅療養の環境が整わないときは医師の許可が下りないケースがあります。

一時帰宅を希望するときは、多くの場合、医師の許可書を受け取り手続きします。その際は、療養先や家族の連絡先、自宅療養の予定などの事前報告が必要です。

一時帰宅の流れと準備

一般的な一時帰宅の流れや、準備の進め方をご紹介します。

一時帰宅の流れ

  1. 一時帰宅の希望は早めに伝える
    一時帰宅を希望する日程は、できるだけ早めに担当医師や看護師へ伝えましょう。治療スケジュールが考慮され、一時帰宅の可否の判断、時期や期間などについて調整してもらえます。さらに、自宅療養の環境や得られるサポートについても具体的に説明できるといいでしょう。
  2. 病院からの移動方法や緊急時の対処法などを確認する
    一時帰宅の具体的な日程や期間が決定したら、病院からの移動方法や再入院の方法を担当看護師と確認します。さらに、療養中に訪問看護や介護などのサポートが必要な場合はサービスの確保状況、急な体調変化をはじめとした緊急時の連絡先、受診方法などについてもチェックしておきましょう。
  3. 内服薬や装具などを確認してから帰宅する
    自宅療養中に内服を継続する薬や処置に必要な装具などは十分であるか、担当看護師と一緒に再確認したあとに、予定していた方法で帰宅します。
  4. 予定の日程で再入院する
    一時帰宅の日程を終えたら、予定どおりに再入院します。もし、予定の変更が必要になった場合は、すぐに再入院先に連絡して相談してください。

一時帰宅の準備について

一時帰宅が初めての場合は、患者さんだけでなくサポートする家族にも不慣れな点が多く、不安もあると思います。そのため、効率よく必要な準備を進めるには、担当の看護師に相談するのが最適です。看護師は患者さんの療養に必要な環境やケアを把握しているので、適切な助言を受けることができるでしょう。療養中に看護や介護などのサポートが必要な場合は、施設内にある看護相談窓口を紹介されるかもしれません。その際は、実際に患者さんをサポートするご家族が一緒に出向くと、具体的かつ効果的なケアプランの立案が可能となり、不安の軽減につながります。

安心して一時帰宅するために

一時帰宅の際に、安心して快適な療養生活を送るためのポイントをご紹介します。

  • 緊急時の対応方法を共有する
    自宅療養中に何らかの体調の変化がみられた場合の緊急連絡先や受診方法、移動方法などを、ご家族をはじめとした支援者にも共有しておきましょう。いざというときに、スムーズな受診や再入院ができます。
  • 福祉用具のレンタルサービスや自治体の一時帰宅支援制度などを利用する
    入院中に何気なく使っているベッド柵や手すりなどは、安定した移動だけでなく体を動かす際の痛みを和らげることにも役立っている場合があります。このような設備を自宅でも利用できるように準備したり、家庭にあるもので代用する方法を確認したりしておくといいでしょう。自治体によっては、入院中の患者さんの一時帰宅を支援する制度が用意されています。患者さんの年齢や状況にもよりますが、申請すれば福祉用具のレンタル費用などの補助を受けられるかもしれません。また、一時帰宅の際に地域の社会資源に関する情報を得たいときは、管轄の保健センターの保健師に相談する方法があります。

周囲のサポートを受けて快適な時間を過ごそう

次の治療の備えとなるように、一時帰宅では快適でリラックスできる時間を過ごすことが大切です。そのためには、遠慮せずにご家族や知人のサポートを受けましょう。また、急に体調を崩すことのないように、心身の負担となることは避けてください。

 

参考: