がんの治療・療養中の感染予防に!「洗剤」「石けん」「消毒液」を使いこなそう

がんの治療・療養中の不安要素に、感染症への罹患があります。冬場は特に心配されるところでしょう。感染症の予防には、うがいや手洗い、消毒などをしっかりと行うことが重要です。それには、洗剤、石けん、消毒液を適切に使わなければなりません。今回は、それぞれを用いた感染予防のポイントをご紹介します。

洗剤、石けん、消毒液の定義

洗剤、石けん、消毒液それぞれの定義と特徴を、以下で確認しましょう。

  • 洗剤
    日本石鹸洗剤工業会では、人の体を洗うためのボディソープや化粧石けんと区別し、体以外の物を洗うために用いるものを「洗剤」としています。洗剤を使って洗うものは、衣類、食器、家具など幅広いため、用途や目的によってさらに細かく分類されています。なお、洗剤の汚れを落とす作用は、界面活性剤によるものです。アルカリや酸などの化学作用によって汚れを落とすものは「洗浄剤」と呼ばれ、洗剤とは区別されています。
  • 石けん
    洗濯用石けんと呼ばれるものもありますが、ここでは人の体を洗う目的の石けんを取り上げます。石けんは、体に一時的についた汚れや菌などを洗い流して取り除くことを目的としたものを指し、化粧石けんやボディソープ、シャンプーなどが該当します。
  • 消毒液
    消毒液は、人の体や熱に弱い素材のような加熱消毒ができないものの菌の数を減らすために用いられます。一般に購入できるものとしては、外傷消毒薬、アルコール手指消毒剤、塩素系漂白剤などがあります。

感染予防のポイント

がんの療養生活のなかで、身近なお店でも購入できるものを感染予防に活用する方法をいくつかご紹介します。

重要なのは、洗剤、石けん、消毒液を適切に使い分けることです。

まずは、手洗いについてです。外出後や感染者の鼻水、吐物などの汚染物に触れた場合は、感染予防のために手に付いた病原菌を十分に取り除く必要があります。薬用石けんを使って手洗いして、手指をきちんと乾燥させてから手指消毒剤を用いると、効果的に病原菌を取り除くことができるでしょう。自宅療養中に調理をして手が汚れたようなときは、石けんを使った手洗いだけで問題ありません。

次に、洗濯物についても確認しましょう。家族が感染症にかかったときに、洗濯物をどのように扱うべきなのか迷うことがあると思います。感染症の種類にもよりますが、心配なときには念のために分けて洗うといいでしょう。一般的な細菌は家庭用の洗濯洗剤でも取り除けることが報告されていますが、冬場に流行する感染力の強いノロウイルスの場合はそうはいきません。ノロウイルス感染者の便や吐物が付いた洗濯物は、85℃の熱水で1分以上洗います。熱水洗濯ができない場合は、次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤による消毒が有効です。さらに、高温の衣類乾燥機やスチームアイロンなどを使うと殺菌効果が高まります。

化学療法や放射線治療などの副作用のために免疫機能が低下している患者さんは、感染症にかかった家族にはできるだけ近づかないほうが無難です。しかし、どうしても感染症の家族を看病しなければならない場合には、使い捨てのビニール手袋とエプロン、マスクを着用し、直接病原菌に触れることがないようにしてください。そして、汚染物はビニール袋に密封して処分し、その都度手洗いを忘れないようにしましょう。

洗剤、石けん、消毒液を使う際の注意点

療養生活で洗剤、石けん、消毒液を使うときの注意点をご紹介します。

  • 目的に適したものを使う
    洗剤、石けん、消毒液の効果は、汚染状態や病原菌の種類によって異なります。そのため、「何をどの程度消毒したいのか」という目的に適したものを選ぶようにしましょう。
    また、効果が期待できる病原菌であっても、消毒液などの使用方法が誤っていると十分に菌を取り除くことができません。使用濃度や方法を遵守してください。
  • 保存方法や使用期限を守る
    例えば、固形石けんの場合、濡れたまま置いていると、いくら薬用成分が配合されていても空気中の雑菌が繁殖する場となってしまいます。使ったあとは水を切って、乾燥した状態で保存するようにしましょう。また、一度開封した消毒液は、時間の経過とともに劣化します。そのため、指定された保存方法を守り、使用期限内に使い切れなかった場合は処分するようにしてください。あとで確認しやすいように、容器に開封した日付を書き込んでおくといいでしょう。
  • 手荒れ予防もお忘れなく
    がんの治療・療養中の患者さんは、肌が乾燥しやすい状態になっています。手荒れによる小さな傷であっても病原菌が付着しやすい環境になるので、きちんと手指の保湿ケアに取り組みましょう。温度の高いお湯で手を洗うのを避け、手指消毒剤は保湿剤の成分を含むものを選びます。就寝時には保湿剤を塗って、綿や絹の手袋をつけるのも効果的です。

洗剤、石けん、消毒液を効果的に使い分けよう

感染予防に役立つ商品には、さまざまな種類があります。洗剤、石けん、消毒液の効果的に使い分けて、感染予防に取り組みましょう。

参考: