抗がん剤治療中でも旅行に行ける?

現在は、通院で抗がん剤治療を受ける人が増えています。以前と変わらない生活を送り、治療をしながら社会復帰を目指すケースも少なくありません。そのような日常のなか、がんの治療中でも旅行に行きたいと思うこともあるでしょう。しかし、何かあったときのことを考えると、不安を感じるかもしれません。そこで今回は、抗がん剤治療中の旅行が可能かどうか考えてみましょう。

抗がん剤治療についてあらためて確認しよう

まずは、抗がん剤治療について、再確認しましょう。

ひとくちに抗がん剤治療といっても、錠剤やカプセルといった飲み薬を服用する方法や、点滴や注射で薬剤を血管(静脈)に入れる方法、カテーテルで特定の臓器へ集中的に投与する方法など、その種類はさまざまです。どの治療方法を用いるかは、がんの種類や進行状況、体調への影響を考慮したうえで選ばれます。

なかでも、注射や点滴による投与の場合は、「治療をする日」と「治療をしない日」を組み合わせた1~2週間程度の周期を設定し、ひとつの周期を1クールとして数回繰り返すのが一般的です。治療中には副作用の発症状況や、体調の変化を細かく確認し、薬剤の投与量や間隔が見直されます。あまりにも副作用が強い場合には、副作用への対処をしながら抗がん剤治療を継続することになります。

近年では、副作用が生じる期間や症状がある程度予想できるようになっており、その対処法も確立されてきています。そのため、抗がん剤治療の最初の1クールは入院で、以降は通院で続けることが増えてきました。ときには、最初から通院で治療を受けるケースもあるほどです。

通院での抗がん剤治療では、治療スケジュールをきちんと守ることが非常に重要です。抗がん剤治療のスケジュールは、薬の効果を最大限かつ継続的に活かせるように計画されているため、投与する日がずれると期待どおりの効果が得られないことにもなりかねません。

また、抗がん剤治療のあとに、なんらかの体調変化が現れた場合は、すぐに担当医に報告してください。

旅行の計画は抗がん剤治療の日程と副作用への対処を考慮する

抗がん剤治療を受けている場合、日常生活で最も注意が必要なのは投薬直後です。投薬後は白血球が減少するため、免疫力が低下します。すると、風邪などに感染しやすくなるため、なるべく人混みは避ける必要があります。したがって、抗がん剤治療中に旅行に出かけるのは、次の治療(投薬)期間が始まる直前が適当でしょう。

自力で副作用に対処できるようにしておこう

旅行に行くのは次の投薬が始まる直前が理想ではありますが、そのタイミングで副作用が出てしまっては旅行を楽しむことができません。

副作用がいつ、どのように発症するのかは、ある程度予想ができるようになっています。とはいえ、個人差があるので、旅行の計画を立てるときは体調の変化を常々チェックしておく必要があります。

さらに、担当医から投与中の薬の副作用に関する説明を受け、予想される副作用については対処法を確認しましょう。そのうえで、自力で対処できるようにしてください。

旅行中の体調変化にも万全の備えを

旅行をする際に最大の不安となるのは、急な体調の変化でしょう。旅行中は日常生活よりも体力を消耗します。家族や友人と一緒に楽しい時間を過ごすことは、心身に好影響があると同時に、自分のことばかりを優先できないという遠慮や緊張感が負担になることもあります。

まずは同行者に自分の体調や病状を理解してもらい、少しでも疲れを感じたときには宿で休めるような、臨機応変に対応できる計画をたてましょう。

また、担当医には事前に行き先や目的を伝え、突然の体調変化があった際に対応を受けられる現地の病院を紹介してもらってください。

体調と相談しながら旅行を楽しもう

薬剤の開発が進んだことで、入院しなくても抗がん剤治療を受けられるようになってきました。それによって、日常生活と治療を両立し、仕事や趣味をあきらめることなく自分らしい生き方を楽しむ人が増えています。

しかし、自分の体力を過信するのは禁物です。詳細な体調管理をして、治療に臨まなければなりません。

旅行を計画する際は何よりも体調を優先し、無理があると感じた場合には次の機会を検討するようにしましょう。

 

参考: