オストメイトとしてストーマと上手につきあう方法

がん治療の一環でストーマを増設する場合、多くは永久的なものとなります。そのため、快適な療養生活を送るには、ストーマの存在を受け入れることが大切です。そこで今回は、オストメイト(ストーマ保有者)としてストーマと上手につきあうために、理解しておきたいポイントをご紹介します。

ストーマと向き合うことから始めよう

ストーマについて、きちんと理解して受け入れることが大切です。ストーマの造設前から、気持ちの面も含めて専門家と一緒に少しずつ準備していきましょう。

自分のお腹にストーマができることを受け入れられないままでは適切なセルフケアが困難で、心身ともに大きなストレスを抱えてしまうことにもなりかねません。

まずは、ストーマと向き合うところから始めてみましょう。

オストメイトが利用できる制度やサービス

ストーマ増設後の生活には、さまざまなサポートが必要です。オストメイトが利用できる公的制度の内容や手続き方法、サービス、患者会などについて具体的にみてみましょう。

身体障害者手帳

永久的ストーマを造設した場合は、身体障害者手帳を取得できます。等級は主に4級で、消化器と尿路のストーマが両方ある場合は3級、ほかの障害もある場合は1級となります。

申請は、ストーマを造設したらすぐにできます。その手順は以下のとおりです。

  1. 市区町村の福祉事務所で「診断書用紙」と「身体障害者手帳申請用紙」を受け取り、指定医を確認する。
  2. 指定医に「診断書用紙」を渡し、診断書の作成を依頼する。
  3. 福祉事務所に「身体障害者申請用紙」「写真(縦4cm×横3cm )」「印鑑」「指定医が作成した診断書」を持参して申請手続きをする。
  4. 審査で障害が認定されると、手帳が交付される(期間は必要書類の提出後1~2カ月程度)。

詳細は、市区町村の福祉事務所でご確認ください。

なお、身体障害者手帳を取得すると、以下のようなサービスを受けることができます。

  • 鉄道、バス、地下鉄、タクシー、国内航空、有料道路などの利用料金の割引
  • 税金の減免
  • 駐車禁止除外標章の交付、障害者等の非課税貯蓄制度、雇用保険の所定給付日数の延長など
  • 携帯電話の利用料金、美術館や博物館の入場料金などの割引

割引の制度や割引率は、都道府県、市区町村、会社、施設によって異なるので、利用前に詳細を確認してください。

ストーマ外来

オストメイトをサポートするために、さまざまな病院でストーマ外来を開設しています。セルフケアや日常生活における疑問や悩みについて、専門家に相談したりアドバイスを受けたりできます。

患者会

患者会では、ストーマに関する情報交換をしたり、お互いに励まし合ったりといった、療養生活を快適に過ごすために有益な患者さん同士のつながりが得られます。興味がある場合は、かかりつけ医や担当看護師、保健師に相談しましょう。

オストメイトとして生活するうえで抑えておきたいポイント

オストメイトとして日常を過ごすうえで、抑えておきたいポイントをいくつかご紹介します。

WOCナースとの関係に悩んだときは

WOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)はストーマケアやスキンケアの専門家で、セルフケア方法に関する疑問や日常生活の悩みについて助言をしてくれます。しかし、気軽に相談できる関係でないと患者さんの心身の負担が大きくなってしまうため、担当ナースとの相性を軽視することはできません。万が一、担当ナースとの関係に悩んだときには、主治医に相談するようにしましょう。施設の状況にもよりますが、担当者の変更をはじめとした配慮をしてもらえるはずです。

災害への備え

災害はいつ起きるかわかりません。緊急持ち出し袋を準備して、ストーマ装具と装具の交換に必要な物品一式を入れておきましょう。1カ月分の用意があると安心です。ファスナーで密閉できるビニール袋やポーチに小分けにしておくと、使い勝手がいいだけでなく汚染防止にもなります。なお、ストーマ装具には使用期限があるので、年に一度はチェックをしてください。

そして、非常時でも自分に合った装具を入手できるように、ストーマに関するメモを用意しましょう。メモには、ストーマの種類とサイズ(縦、横、高さをmmで計測)、使用している装具の商品名(メーカー名、製品名、サイズ、注文番号)のほか、かかりつけのストーマ外来、装具購入先、装具メーカー相談窓口、市区町村の役所、日本オストミー協会の連絡先を記入しておきます。

旅行の際の注意点

飛行機を利用する場合に、気をつけたい点があります。国際線は機内への液体の持ち込みが制限されているため、機内での装具交換に備えて、ウェットテッシュを準備しておきましょう。また、刃物は持ち込めないので、装具は出発前にあらかじめカットしておかなければなりません。さらに、保安検査でストーマ袋を液体と誤認されないように、事前に担当者へオストメイトであることを説明する必要があります。その際に、「オストメイトカード」を提示すると簡単に理解してもらえるので、日本オストミー協会コロプラストのホームページからダウンロードし、印刷しておくことをおすすめします。

専門家のサポートをフル活用しよう

オストメイトの生活に慣れるまでは、緊張や不安を感じるものです。また、いきなりすべてを完璧にこなそうとするのは、心身にストレスを抱えることにもなりかねません。ストーマとは長いつきあいになることをふまえ、焦らずに自分のペースで進めていきましょう。はじめは「わからないことは何でも聞く」というスタンスで、専門家のサポートをフル活用することが快適な療養生活への近道となるのです。

 

参考: