発症するのは中高年だけ?胃がんの種類と特徴を知ろう

胃がんは日本人に多く、2014年の部位別死亡数をみたデータでは男性が2位、女性が3位となっています。患者は50~60代が大半のため、中高年のがんというイメージがありますが、種類によっては30~40代を中心に発症するがんもあるので油断は禁物です。そこで今回は、胃がんの種類と特徴についてご紹介します。

胃がんとは?

胃は食道と小腸の間にある袋状の臓器で、摂取した食物を一時的に貯蔵し、消化する役割を果たしています。

胃壁の構造は内側から、粘液や胃液を分泌する「粘膜」、粘膜を支えている「粘膜筋板」、続いて「粘膜下層」、胃を動かしている「固有筋層」があり、もっとも外側にある「漿膜(しょうまく)」によって胃全体が包まれています。

一番内側にある粘膜内の細胞ががん化して増殖すると、胃がんになります。

胃がんの好発年齢は?

胃がんは患者の6割近くを50~60代が占めるとされていますが、近年では70代以上での発症も増えています。

胃がんの発生には、ヘリコバクター・ピロリ菌の関与が指摘されています。50代以上の日本人の約8割がピロリ菌を保菌しているといわれ、中高年に胃がんが多い一因であると推測されているのです。

また、長年にわたる食習慣や、加齢にともなう免疫低下なども、胃がんの発生に関わっていると考えられています。

しかし、スキルス胃がんは30~40代に多く発症しており、若い世代も胃がんと無縁ではありません。

胃がんの種類と特徴

胃がんのほとんどは胃粘膜の腺上皮という組織にできる「腺がん」であるといわれており、「分化型線がん」と「未分化型腺がん」に大別されます。

分化型のがんは進行が緩やかで、比較的予後がいいとされています。それに対して、未分化型は進行が早く、悪性度が高いといわれています。

早期胃がんと進行胃がんの違い

胃がんは進行の度合いによって、「早期胃がん」と「進行胃がん」に分けられます。

がんが胃の粘膜下層までにしか達していない場合は、早期胃がんです。進行の度合いにより、「隆起型」「表面隆起型」「表面平坦型」「表面陥凹型(ひょうめんかんおうがた)」「陥凹型」と、さらに細かく分類されます。

がんが粘膜内に留まっている段階であればかなりの早期で、リンパ節転移などの可能性はほとんどないとされ、内視鏡で切除できるケースもあります。

粘膜下層まで浸潤している場合は、リンパ節転移の確率が10%程度あるので、病巣の近くにあるリンパ節を一緒に切除することが多いでしょう。

固有筋層より先に浸潤している場合は、進行胃がんです。進行の度合いによって、「腫瘤型」「潰瘍限局型」「潰瘍浸潤型」「びまん浸潤型」に分類されます。

進行胃がんになると、リンパ節やほかの臓器に転移している可能性が高くなりますが、遠隔転移や腹膜播種(がん細胞外壁を突き抜け、お腹のなか全体に散らばった状態)が起きていなければ、手術で病巣を取り除ける可能性があります。

スキルス胃がん

胃がん全体の約10%を占めるスキルス胃がんは、胃壁の中で増殖する特殊ながんです。粘膜の表面に異常がみられないため早期発見が難しく、がんが見つかったときには手術ができないほどに進行していることが少なくありません。また、抗がん剤が効きにくく、転移しやすいので、完治が難しいといわれています。再発率も高く、たとえ早期発見ができて外科手術を受けたとしても、注意深く経過を見守らなければなりません。

スキルス胃がんは30~40代という若年層に多くみられます。さらに、通常の胃がんと違って女性の発症が多いという特徴もあります。つまり、胃がんは中高年の男性だけではなく、比較的若い女性にとっても油断のできない病気のひとつなのです。

気になる症状が続く場合は早めの受診が重要

胃がんの初期書状としては、胸やけや胃痛、黒い便などがあります。しかし、胃炎や胃潰瘍の症状と似ているため、見分けがつきません。また、スキルス胃がんは、症状が進むと胃がもたれたり、食欲不振に陥ったり、下痢や体重減少がみられたりしますが、単なる体調不良だと見過ごされることがあるようです。いずれにしても、体調不調や気になる症状が続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。

40歳になったら年に1回は胃がん検診を受けよう

胃がんで亡くなる人の割合は減少してきています。早期発見できれば完治が期待できるがんなので、40歳を過ぎたら毎年、胃がん検診を受けるようにしましょう。なんらかの自覚症状がある場合は、放置せずに医療機関を早期受診してください。

 

参考: