早期発見と予防で命を守ろう!子宮頸がんの基礎知識

近年、ニュースで子宮頸がんワクチンの接種に関する話題を目にします。そこで今回は、子宮頸がんがどのような病気なのか確認してみましょう。また、子宮頸がんを早期発見する方法や、ワクチンの接種による予防についても併せてご紹介します。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入口にあたる子宮頸部にできるがんです。国立がん研究センターがん対策情報センターのデータによると、2014年の子宮頸がんによる死亡数は2,902件、2006~2008年に子宮頸がんと診断された人の5年相対生存率(5年後に生存している割合)は73.4%となっています。

子宮頸がんの初期症状

初期症状はほとんどない場合が多いといいます。しかし、おりものの増量・異臭や、不正出血がみられることがあるようです。病状が進むと足腰に痛みを感じたり尿に血が混じったりすることもあるので、そのようなときはすぐに医療機関で受診してください。

子宮頸がんの原因は?

子宮頸がんの発症には、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が関与していることが明らかになっています。HPVは人の皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100以上の種類があります。そのなかの少なくとも15種類が子宮頸がんを引き起こす可能性の高い「高リスク型HPV」で、主な感染経路は性交渉とされています。

HPVに感染したとしても、必ずがんを発症するというわけではありません。90%以上のケースで2年以内にウイルスが自然排出されるようです。しかし、ウイルスが排出されずに数年~数十年間、持続的に感染した場合には、がんを発症する可能性があります。

早期発見には定期的な検査が有効

5年生存率の高さからわかるように、子宮頸がんは治癒しやすいがんだといえます。しかし、発見が遅れると治療が難しくなるので、早期発見は大切です。

子宮頸がんの検査は子宮頸部細胞診、あるいはスメア検査と呼ばれ、子宮頸部の細胞を採取して異常の有無を調べます。傷みがほとんどなく短時間で済むため、受診者の負担が少ない検査方法です。ところが、日本人女性の検診受診率は32.7%しかありません。

子宮頸がんの罹患者は20代後半から増加していきます。近年では20~30歳の若年層に急増しているので、20歳を過ぎたら2年に一度は検査を受けましょう。

HPVへの感染はワクチンで予防できる

HPVへの感染は、ワクチンで予防できます。ワクチンには2つの種類があり、子宮頸がんの原因の50~70を占める16型と18型に対して有効です。

日本では当初、小学6年生から高校1年生の女子を対象にした定期接種でしたが、ワクチンの副作用への懸念から、積極的な接種推奨が控えられています。そのため、新潟市の例では2012年に80%を超えていたワクチン接種率が2015年には0.19%にまで落ち込みました。

しかし、2015年に名古屋市は、子宮頸がん予防接種調査の解析結果から、ワクチン接種者と非接種者の間で、疼痛、視野・視力の異常、疲労感など24種類の症状の発生頻度に統計的な差は見られなかったと発表しています。また、2016年6月にオーストラリアで開催された「欧州性感染症と性器がん研究機構2016」では、世界保健機関(WHO)がHPVワクチンの安全性を危惧する科学的証拠はないと明言しています。

さらに、2016年6月に開催された「米国臨床腫瘍学会2016」にて「HPVに関連した子宮頸がんの展望」のテーマで講演したパーラム博士は、HPVワクチンがさらに普及すれば、近い将来、子宮頸がんは撲滅されるだろうという見解を述べています。

ワクチン接種は早めに検討しよう

日本では、毎年約1万人が子宮頸がんとの診断を受けています。そのうち100人弱は妊娠中にがんが見つかったために、妊娠の継続をあきらめているとのことです。子宮頸がんはHPVワクチンの接種で予防することができますが、確実な予防効果が期待できるのは性交渉の経験前です。年ごろの女性は、ワクチンの接種について早めに検討を始めましょう。

 

参考: