ホクロやシミと皮膚がんの気になる関係

ホクロやシミは美容の面で気になるものですが、皮膚がんではないかと不安に感じる人も多いようです。それが健康上問題のないものなのか、病的な変化なのかは、どのようにチェックすればいいのでしょうか。今回は、注意が必要なホクロやシミについて解説します。

皮膚がんの種類と見た目

皮膚がんにはいくつかの種類があり、それぞれ特徴的な症状があります。以下で確認してみましょう。

基底細胞がん

日本人に多い皮膚がんといわれています。皮膚の最下層にある基底層や毛包などの細胞ががん化するもので、頭や顔の正中部に発症しやすい一方で、手のひらや足の裏には発生しません。

進行はゆるやかで、リンパ節や内臓への転移は稀だとされています。しかし、放置すると筋肉や骨などに浸潤するため、早期治療が必要です。患者さんの約70%が60歳以上と、高齢者に多い傾向があります。

初期の段階では、小さなホクロのようなおできだと認識する人が多いようです。それは数年をかけてゆっくりと大きくなり、痛みやかゆみを伴わないこともあって、がんだと気がつきにくいといわれます。やがて大きくなったおでき状のものの中心部が崩れ、周辺が堤防のように盛り上がってきます。

有棘細胞がん

紫外線の影響やヒト乳頭腫ウイルスの関与が指摘される皮膚がんです。基底細胞がんに次いで発生数が多く、特に高齢者の発症が多くみられます。

通常は皮膚が盛り上がり、表面はジクジクとした状態で出血しやすくなります。症状が進むとカリフラワーのような形になることがあります。

多くの場合は自覚症状がないとされていますが、神経にまで浸潤すると強いかゆみや痛みを伴うケースがあります。

表面が赤く盛り上がったホクロやシミができた場合は、皮膚科を受診するようにしてください。

悪性黒色腫(メラノーマ)

メラニンを作るメラニン細胞から発生し、日本人の発症は10万人に1~2人ほどといわれています。その特徴から、以下の4種類に分類されます。

  • 末端黒子型黒色腫
    日本人の悪性黒色腫の50%近くを占めるとされています。手のひらや足の裏、爪部などに発生するのが特徴です。
  • 表在拡大型黒色腫
    全身どこにでも発生し、少し隆起したシミのように見えます。皮膚との境界は不鮮明です。
  • 悪性黒子型黒色腫
    高齢者の顔に発生しやすいとされています。褐色から黒色のシミ状のため放置されることが多く、注意が必要です。
  • 結節型黒色腫
    全身どこにでも発生します。黒色あるいはまだらな色をしたイボのような見た目で比較的成長が速く、悪性度が高いことが多いようです。

いずれの悪性黒色腫も、最初は小さなホクロやシミのような黒っぽい色素斑として現れます。左右対称ではない不規則な形をしていることが多く、色も均一ではなく薄い部分や濃い部分などバラツキのあるのが特徴です。

皮膚の内部に浸潤すると、水平方向に広がるように増殖します。さらに進行して皮膚の深い部分へ浸潤すると、皮膚以外の部位へ転移する可能性が高まります。

注意すべきホクロやシミとは

かゆみや傷み、ただれなどのわかりやすい症状があれば、多くの人は病院で検査を受けるでしょう。しかし、初期の皮膚がんにはほとんど症状が出ないといわれています。そのため放置されることが多く、病状が進んでから気がつくケースが少なくないようです。

注意すべきホクロやシミには、以下のような特徴があります。

  • 手のひらや足の裏、爪部などにできた
  • 周囲との境目が不明瞭で盛り上がっている
  • 数カ月の間に大きさや形が変わった
  • ホクロの直径が6mm以上ある
  • 色にムラがあり、赤みをおびている
  • 出血や炎症がある

上記のような特徴がみられる場合は、皮膚科を受診しましょう。がんになる前の状態であることも多く、がん化する前に取り除く必要があります。

日常のセルフチェックが早期発見の決め手となる

皮膚がんは自分の皮膚の状態を日常的にチェックしていれば、早期に発見できる病気です。入浴時に、顔や背中、腕などにホクロができていないか、以前からのホクロやシミが急に大きくなっていないか、色合いが変化していないかを鏡で確認しましょう。

 

参考: