なぜ?大気汚染は発がん率を高めるのか

今年の10月17日、世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、大気汚染に発がん性があることを認めました。大気汚染と聞いて思い浮かべるものの一つに、中国のPM2.5問題があります。今年も、中国の河北、三東、江蘇、天津などの都市で観測された微粒子状物質(PM2.5)量が日本でも懸念されました。

大気汚染は、なぜ発がん率を高めるのでしょうか。また汚染度合いはどのくらいでしょうか?詳しく見ていきましょう。

微粒子物質(PM2.5)とは何者か?

微粒子物質とは、空気中に浮遊する2.5ミクロン以下の非常に小さな物質のことです。(1ミクロンは1ミリの千分の1)。大きさは、髪の太さの30分の1と非常に小さいものです。微粒子物質には、物の燃焼などで排出されるものと、硫黄酸化物などガス状の大気汚染物質が化学反応を起こし粒子化したものがあります。発生源はボイラーや自動車などの排ガス、工場のばい煙など人工的なものと、火山などの自然由来のものがあります。

PM2.5の代表的なものとしては、ディーゼルなどの排ガスに含まれているものですが、国内では環境に配慮した規制などにより濃度は減少傾向にあります。

体内に入った汚染物質の行方

PM2.5は、非常に小さいため、気管や肺の奥まで入り込み、そのまま体内に蓄積されて、がんの原因となってしまうと言われています。WHOの協力機関である国際がん研究機関(IARC)より決められた、大気汚染の体内への影響を図る重要な指数に「発がん性評価」というものがあります。この発がん性評価は、4つのグループにより分けられ、「発がん性を示す十分な根拠が認められる」とされる、危険性が最も高いカテゴリーに、PM2.5の物質が指定されました。

どのぐらいなら大丈夫?ひとつの目安は大気汚染指数基準

「外出しても影響がないか?」などの基準となるのが、大気の汚染指数です。これは、各国・地域によって決められています。下記の表は、大気汚染を6つの段階に分けたものです。汚染の値を図るのに重要な指数となるのが、汚染物質が空気中に浮遊する割合です。
この割合が、どの指数になるかにより、大気汚染の度合いが分かります。

前述の大気汚染指数ですが、中国の河北、三東、江蘇、天津などでは、6段階を越えたと報じられました。河北省の複数の都市では、なんと500を越えることころも出てきているそうです。北京市では、2011年の間に肺がんで死亡した人数が、2002年と比較して1.6倍に増加しています。

経済成長に伴い、工場や車などから多くの汚染物質が排出されている中国。実際に日本へも、偏西風に乗って微粒子物質などの汚染された空気が流れてくることもありました。もはや対岸の火事ではない事態です。

正しい知識が身を守る近道!

微粒子物質(PM2.5)は、非常に小さいので肺の奥まで入り込み蓄積されます。仕組みとしては、肺がんで苦しんでいる方が今もいる、アスベストと同じです。大気汚染から身を守るには、PM2.5 の正しい知識を持つことと、各自治体や環境省が発表している情報を積極的に取り入れることが重要です。冷静に正しい情報を入手していくようにしましょう。

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