コロストミー(大腸ストーマ)の特徴とケアのポイント

がんの治療・療養中に「ストーマ」という言葉を耳にしたことのある人がいるかもしれません。ストーマにはさまざまな種類があり、それぞれに違いがあります。そこで今回は、コロストミー(大腸ストーマ)について、特徴やケアのポイントをご紹介します。

コロストミーを造設する目的

コロストミーは、がん手術で大腸を切除したあとの、自然肛門に代わる排泄口を確保するために造設します。コロストミーを増設するがんとしては、直腸がん、結腸がん、子宮および付属器がん、骨盤内腫瘍をはじめ、その他臓器がんの転移や再発のケースが知られています。

なお、コロストミーには一時的なものと永久的なものがあります。一時的コロストミーは、腸閉塞をはじめとした消化管の通過障害の症状を緩和する目的や、手術後に吻合部が便の通過で刺激を受けることなく安静に保つ目的でつくられます。そして、永久コロストミーは、腹会陰式直腸切断術、骨盤内臓全摘術,大腸全摘の場合につくられます。ただし、当初は一時的コロストミーの予定でも、病状によっては永久コロストミーとなる場合があります。

コロストミーの詳細

コロストミーは増設する腸管によってストーマ(排泄口)の位置が異なり、上行結腸ストーマはお腹の右側、横行結腸ストーマは中央、下行結腸ストーマはお腹の左側、S状結腸ストーマはお腹の左下となります。

コロストミーの増設位置によって食べ物の消化・吸収の度合いが異なるため、排泄される便の状態も変わってきます。一般的に、上行結腸ストーマは泥状、横行結腸ストーマは泥状から軟便、下行結腸は軟便、S状結腸ストーマは固形便といわれていますが、体調によっても左右されます。

コロストミーの大きさは、患者さんによって異なりますが、セルフケアの視点から理想的な高さ(ストーマの盛り上がり)は0.5~1cmといわれています。また、多くの場合は単孔式(排泄口が1カ所)ですが、双孔式(便の排泄口と粘液排出口の2カ所)が採用されることもあります。なお、ストーマには、便を受けるパウチ(ストーマ袋)と、パウチとコロストミーを接続する土台となる面板(皮膚保護剤)で構成されるストーマ装具を取り付けます。

手術直後は、ストーマにむくみを生じますが、数週間で落ち着いて本来の大きさになります。色は腸管内部の赤色で見た目は痛々しいですが、神経がないため痛みは感じません。しかし、ストーマの表面は傷つきやすいため、ケアの際は特に気を配る必要があります。

コロストミーには括約筋がないため、自然肛門のように排泄のタイミングや量を調整することができません。消化管の動きによって無意識に排泄される便は、ストーマ装具で受け止めることになります。また、ガスも無意識のうちに排出されるため、その音を抑えるにはストーマ装具の上に軽く手を置くといった手技が必要です。

コロストミーとともに生活するためのポイント

日常生活のなかでコロストミーと上手につき合うためのコツと注意点をご紹介します。

食事

医師の特別な指示がない限り、食事内容の制限はありません。バランスのとれたメニューをよく噛んで食べましょう。食事量も減らす必要はありませんが、消化管のトラブルを避けるために食べ過ぎには注意してください。豆類、イモ類、ネギ類などは便の臭いやガスの発生に影響があるので、心配な場合は控えるようにしましょう。また、ガスの8割は食事のときに口から飲み込んだ空気だといわれているので、口を閉じて焦らずに食べる工夫も大切です。

スキンケア

排泄物が皮膚に付着すると、皮膚トラブルを引き起こします。ストーマ部位の清潔を保つようにしてください。ストーマ装具は適切な大きさで準備し、面板を皮膚に密着させて便が直接触れないようにすることが大切です。また、ストーマベルトを活用するとパウチの重みを支えられるため、面板がはがれるのを防止できます。万が一、体重減少による体形変化でストーマ周辺にしわができ、従来どおりのケアが難しくなった場合は専門家に相談してください。

便の排出とストーマ装具交換のタイミング

漏れやパウチの膨張を防ぐために、便がパウチの3分の1ほどたまったのを目安にトイレで排出するといいでしょう。その際にパウチの外側と排出口の清潔を保つことで、気になるにおいを防げます。また、消臭剤を活用するのもひとつの方法です。

ストーマ装具の交換は、便の排泄が少ない食事前や食後2時間以上経ったタイミングが安心して実施できるでしょう。

医療機関受診の目安

医師の指示に従い、医療機関で受診してください。ただし、下記の症状が見られるときは、再診日を待たず早めに受診しましょう。

  • 激しい腹痛が2~3時間続く
  • 通常と違う便臭が1週間以上続く
  • ストーマの大きさや形が通常と異なる状態が続く
  • ストーマの脱出をともなう、またはともなわない閉塞がある
  • ストーマの狭窄(狭くなること)がある
  • ストーマからの大量出血がある、または中等量の出血が数回続けてパウチ内へ貯留する
  • ストーマの損傷
  • ストーマと皮膚の境目からの出血が続く
  • 5~6時間以上、水様便が続く
  • ストーマ周辺に慢性的な皮膚障害がある
  • 排泄物の漏れがないにも関わらず、ストーマ装具が2~3日間もたない

医師や経験者の話を聞いて疑問と不安を解消しよう

コロストミーの造設に不安を感じる人は多いと思います。事前に主治医の説明や情報提供をしっかりと受けて、疑問と不安を解消しておきましょう。また、医療機関や患者会を訪ね、コロストミーを持つ人の経験談を聞くことも、非常に参考になるはずです。

 

参考:

ストーマ種類別の特徴|日本オストミ―協会