聞きづらいけど知りたい!がん治療中のデリケートゾーンのトラブルと対処方法

がんの治療、特に化学療法による副作用などで皮膚が過敏になり、痛みやかゆみ、感染症などのトラブルを経験される方も多いと思います。トラブルは、手足だけでなくデリケートゾーン(陰部など)にも同様に起こります。女性であれば、カンジダになったり、下着の摩擦が不快に感じることもあるでしょう。そこで、デリケートゾーンのトラブルと具体的な対処方法についてご紹介します。

どうしてトラブルが起こる?

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織とよばれる3層からなります。皮膚は体内に感染症の原因となる病原菌やウイルスの侵入を防ぐバリア機能をはじめ、湿疹やかぶれなどを防ぐ緩衝作用、水分を一定に保ち、いらない水分をはじくことで肌の潤いや柔軟性を保つ作用があります。化学療法をはじめとするがん治療では、薬剤などの影響ががん細胞だけでなく正常な細胞にまでおよぶので、これらの皮膚機能が正常に働くのが難しくなり、さまざまなトラブルが生じます。使用する薬剤の種類や個人の状態によって程度や部位の差はありますが、目視しやすい顔や手足だけでなく、陰部や手足の関節の内側など、デリケートな皮膚にも生じます。 また、抗がん剤治療により骨髄の機能が低下すると、体内に侵入した病原菌と闘う白血球(好中球)が減少し、体中のいろいろな部分で感染症を起こしやすくなります。この場合もデリケートゾーンは例外ではなく、感染すると、おりもの増加、性器からの不正出血、陰部のかゆみ、肛門の痛み、排尿時痛や血尿、頻尿、残尿感などが生じます。

デリケートゾーンの具体的なトラブルと対処方法

それでは次に、それぞれのトラブルへの対処方法をご紹介しましょう。

肌荒れや摩擦によるかゆみ、痛みなどの不快感

皮膚が乾燥している場合は、肌を清潔にしたうえで処方された軟膏やクリームをこまめに塗り、皮膚を保護しましょう。下着など肌に直接触れるものは、肌への負担を少なくするために、体に合ったゆとりのあるデザインがよいでしょう。綿、絹などの天然素材や通気性を考慮した素材、動きにあわせて適度に伸縮する機能のあるものを選ぶよう心がけましょう。縫い目やタグも肌を刺激しない仕上げになっているかを確認しましょう。 おりものシートなどは、できれば皮膚への負担が少ないオーガニックコットンなど天然素材を使用したものを使うのがよいでしょう。汚れの有無に関わらず、こまめに交換するようにしてください。

感染症

デリケートゾーンの痛みやかゆみ、出血、おりものの増加や色の変化などの症状に気づいた際には、自己判断で対処せずに、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。誤った対処を行ってしまうと症状を悪化させてしまうことがあります。 予防のため、可能な限り毎日入浴し、排便後にはウォシュレットやウエットテッィシュなどで清潔を保ちましょう。女性の場合は、膣の洗いすぎにご注意ください。常在菌のバランスが崩れやすくなり、カンジダなどの感染症にかかりやすくなります。 カンジダと診断されたときには、陰部を通常の石けんで洗浄することは症状を悪化させてしまうので避けましょう。どうしても石けんを使用したい場合は、薬局などで販売している抗真菌効果のある石けんを用いましょう。ただし、人によっては石けんが肌にあわないこともありますので注意が必要です。 もし、デリケートゾーンに吹き出物などができた場合は、無理につぶすことは避けましょう。

まとめ

今回は、相談することをつい避けてしまいがちなデリケートゾーンの皮膚トラブルと対処方法の例をご紹介しました。一番大切なことは、どんな体の部分や症状、副作用であっても恥ずかしがらずに、つらいことを治療担当医や看護師などのスタッフにできるだけ早く相談するということです。 「見せてくださいと言われたらどうしよう」「恥ずかしくて気が引ける」などと感じる必要はありません。もし、担当医が異性の場合には、連携する婦人科や泌尿器科などを紹介されるなど、プライバシーの保護には十分な配慮がなされます。不必要な我慢を続けたり、自己判断で間違った対処方法を行ったりしてしまうと、より症状を悪化させる原因にもなります。もし、デリケートゾーンのトラブルを抱えたときには、恥ずかしい気持ちを少し抑えて、悪化する前に対処するのが望ましいということを思いだしましょう!

参考:

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