がんの治療・療養中に必要となるストーマケアについて

がんの治療・療養中に、医師からストーマの造設をすすめられることがあります。しかし、日常のセルフケアについては想像することが難しく、不安に感じる方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、ストーマ造設後のセルフケアのポイントや注意点についてご紹介します。

ストーマケアが必要な理由

ストーマは、手術で病巣を切除することで自然排泄が難しくなるケースで、腹部に人工的につくられる排泄口のことです。装具の定期的な交換や排泄物の処理が必要になるため、皮膚トラブルの予防に気を配らなければなりません。また、体調やライフスタイルに応じて排便をコントロール(排便の促進、排便間隔や排便時間の調節など)するため、洗腸をはじめとしたケアを日常的に取り入れる場合があります。

日常的なストーマケアの手順

ストーマケアに必要な知識と日常的なケアの流れをみていきましょう。

ストーマの装具について

ストーマの装具は、排泄物をためるストーマ袋(パウチともよばれる)と、それをお腹に固定するための粘着剤が付いた面板(めんいた:皮膚保護剤ともよばれる)で構成されます。面板は、皮膚トラブルを防ぐために汗や排泄物の水分を吸収する素材でできているのが特徴です。素材や大きさ、排出口の違い(解放型、閉鎖型)、面板への固定方法の違い(嵌合式、ロック式、粘着式)によってさまざまなタイプがあり、体型やセルフケアの状況、目的に応じて使い分けます。

ストーマの装具の交換方法

装具の交換時期の目安としては、面板(皮膚保護剤)がストーマから外側に向けて1cmほど溶けたときです。溶けるまでの期間を記録しておくといいでしょう。なお、以下の交換手順は、面板とストーマ袋が分かれたツーピースタイプの場合です。

  1. 皮膚に負担をかけないように、使用中の装具をゆっくりと何度かに分けてはがします。剝がしにくいときは、リムーバーを使うか石鹸水やぬるま湯で濡らしながらはがします。
  2. はがした面板の粘着面に、排泄物の付着がないか確認します。付着している場合は、面板のサイズが合っていない可能性があるので、穴の大きさを調整しましょう。
  3. ストーマ周囲の皮膚を、やわらかい布と泡立てた石鹸を用いてやさしく洗います。石鹸をしっかり流し、完全に皮膚が乾燥してから装具をつけます。洗浄が不要な清拭剤もあります。
  4. ゲージでストーマの大きさを測ります。そして、新しい面板に計測したストーマの大きさより1~2mmほど大きな穴をあけ、ストーマ部位に貼ります。
  5. ストーマ袋を装着します。

ストーマにたまった排泄物の処理方法

ストーマ袋に3分の1ほど排泄物が溜まったら、トイレで排出します。手順は以下のとおりです。

  1. まず、便器の中に数回折り返したトイレットペーパーを置きます。その上に排泄物を出すことで、飛び散りを防ぐことができます。次に、ストーマ袋の排出口を便器に向けて開けます。袋の外側に便が付着するのを防ぐ折り上げ板がある場合は、必ず折り上げた状態で固定してください。
  2. 排出口に向けてやさしく押し出すように、排泄物を出します。
  3. 出し終えたら、トイレットペーパーで排出口を横方向にふき取ります。
  4. 排出口を閉じ、元どおりに巻き上げます。

セルフケアのポイントと注意点

ストーマ袋は、洗ってはいけません。洗うと便と混ざった水分が袋の外に付着して臭いの原因となるだけでなく、袋の劣化を早めてしまいます。

また、セルフケアの際に、ストーマの色の変化、浮腫みや腫れ、出血の有無、ストーマ周囲の皮膚トラブルの有無、排泄物の状態の変化などをチェックすることが大切です。万が一、異常がみられる場合は早めに受診してください。

特に異常がない場合でも、定期的な受診が必要です。自分では気づかないトラブルを未然に防いだり、適切なセルフケアの助言を受けたりできます。

セルフケアへの取り組みが日々の楽しみにつながる

ストーマを造設したあとも、以前と変わらぬ生活を続けることができます。体力の回復次第で、外出や旅行、運動もできます。しかし、そのためには適切なセルフケアが欠かせません。日々の楽しみを見つけるためにも、前向きにセルフケアへ取り組んでみましょう。

 

参考: