がん検診における細胞診検査の位置づけ

がんは早期発見・早期治療ができれば、完治する確率が高くなってきました。がん検診を受ける人も、少しずつではありますが増えてきているようです。そのようななか、検診でがんとの結果が出たために、その後詳細な検査を受けたところ、実はがんではなかったという話があります。がんの診断が下されるまでには、どのような検査が行われるのでしょうか。

今回は、がん検査の流れと、診断の決め手といわれる細胞診検査についてご紹介します。

確実ながん診断には多くの検査が必要

がん検診の意義は、早期にがんを見つけて治療を行うところにあります。また、がんになる前の病変、例えばポリープのような異常細胞を見つけて除去し、がんへの変異を防ぐところにもあります。

日本人の2人に1人ががんを発症し、3人に1人はがんで死亡するといわれている昨今、がん検診を受けることはますます重要になっています。ですが、いくつもの検査を受けるとなると精神的にも肉体的にも負担が大きく、もう検査は嫌だと感じる人は少なくありません。しかし、がんの早期発見、早期治療につなげるには確実な診断こそが重要であり、そのためには多くの検査が必要なのです。

がん検診ではどのような検査を実施する?

定期的ながん検診や健康診断で発見される可能性の高いがんには、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんなどがあります。そして、疑わしい箇所を見つけ、がんかどうかを判断するために、以下のような検査が行われています。

血液検査・尿検査

採取した血液や尿を生化学的に分析し、成分を調べる検査です。例えば、コレステロールや血糖、中性脂肪などの量は血液検査で調べられます。尿検査では尿に含まれるタンパク、潜血、ケトン体などの成分を分析したり各成分の比重を測定したりして、病変によって現れる物質が含まれていないかどうかを調べます。

しかし、健康診断で行われる血液や尿の検査では異常があることはわかっても、どの部位に病変があるのか、どのような状態にあるのかといった詳細を知るのは難しいことがあります。そこで、範囲を絞り状態を特定するための検査をする必要があるのです。

画像検査

胸部X線検査やマンモグラフィー、胃部X線検査、腹部エコーなどのことです。部位ごとの検査に加え、CTのような全身を調べる検査を受けることもあります。

画像検査で影が写り込んだ部位には、なんらかの病変があると考えられ、さらに詳しい検査が必要になります。

がんの診断の決め手となる細胞診検査

血液検査や尿検査、画像検査などで異常が見つかり、さまざまな精密検査によってがんの可能性が濃厚だとする結果が出ても、医師はがんだと診断できません。最終的にがんであるとの診断に至るには、がん細胞を発見しなければならないのです。そのために行われるのが細胞診検査です。

細胞診検診は、調べたい部位の細胞、あるいは腹水、胸水、尿、喀痰などを採取し、そのなかに含まれている細胞を分析する検査です。

診断は病理医が担当し、一般的には細胞の状態を「正常」「良性異型」「良・悪性のどちらとも判定できない細胞」「悪性を強く疑う細胞」「悪性細胞」に分類されます。

がん検診の検査の流れ

がん検診の検査の流れは、どのようになっているのでしょうか。乳がんを例にみてみましょう。

自覚症状のない人を対象とした定期的ながん検診では、問診や触診、マンモグラフィーによる画像診断を実施します。マンモグラフィーで疑わしい影が写った場合には、引き続き超音波検査(エコー検査)やMRT検査などによる画像診断が行われます。

そして、画像診断の結果、良性か悪性かの判断ができない場合や、さらにがんを疑う状態の場合に細胞診検査となるのです。

細胞診検査では、乳房に細い針を刺して細胞を採取します。このときに、画像検査で病変の位置が特定されていれば、がんの疑いがある細胞をピンポイントに採取して調べられます。よって、より確実な結果が出せる検査だといえるでしょう。

精密検査をきちんと受けよう

細胞診検査は、乳がんをはじめとした婦人科におけるがんの発見に利用されています。特に子宮頸がんの発見に有効だといわれており、細胞の採取方法も子宮頸部の表面を器具で軽くこするだけなので、痛みが少なく身体的負担が軽いのが利点です。

健康診断で病変を疑う結果が出た際に、事実から目をそむけても不安が消えることはありません。不安を解消して早期に対処するためにも、きちんと専門医の精密検査を受けましょう。

 

参考: