がん予防が期待できる食事とは

厚生労働省が公表している人口動態統計によると、2015年の死因のトップは悪性新生物によるものです。亡くなった方は全死亡者数の28.7%となる約37万人にのぼり、年々増加傾向にあります。そこで今回は、がん予防の観点から毎日の食事について考えてみましょう。

がん発症のしくみと予防の考え方

人の体を構成する細胞の数は、約60兆個といわれています。そのうち3,000~4,000億個の細胞が毎日死んでいき、減少分は細胞分裂によって生み出された新しい細胞で補われています。その細胞分裂の際に遺伝子の複製にミスが起きると、がん細胞になるといわれています。1日に生じるがん細胞の数は5,000個ともいわれていますが、ほとんどは免疫細胞に攻撃されて生き残ることはありません。しかし、なかには生き残ってしまうがん細胞があり、のちにがんを発症してしまうのです。つまり、がんは誰もがかかる可能性のある病気だといえます。

がんを予防するためには、遺伝子を傷つけたり、がん細胞の成長を助けたりするリスクを避けなければなりません。そこで、日々の生活習慣を振り返ってみることが大切になるのです。

がんを予防するために気をつけたいこと

がんを予防するために生活全般で気をつけるべきポイントについて、国立がん研究センターの「日本人のためのがん予防法」(2015年12月改訂)には以下のように記されています。

  • たばこ
    喫煙しない。他者のたばこの煙も避ける。
  • アルコール
    過度の飲酒を避ける。
  • 食事
    バランスのとれた食事をとる。
  • 身体活動
    日常を活動的に過ごす。
  • 体形
    体重を適正な範囲で維持する。
  • 感染
    肝炎ウイルスとピロリ菌の検査を受け、必要な治療を受ける。

注意すべき食品は?

長年の研究や調査から、飲食物が原因となってがんを引き起こす可能性が示唆され、避けたほうがいい食品がいくつか明らかになってきています。以下に、詳しくみてみましょう。

塩分

塩分のとりすぎは心臓病や脳卒中の原因となるだけでなく、がんの発生にも密接に関係していると指摘されています。国立がん研究センターでは、1日あたりの食塩の摂取量は男性で8g未満、女性で7g未満に抑えることを推奨しています。塩辛などの高塩分食品を食べるのは、週に1回程度にしておきましょう。

焦げ

従来より肉や魚といったたんぱく質の焦げには発がん性物質が含まれるといわれてきましたが、近年では炭水化物の焦げも避けたほうがいいとわかってきています。どんな食材であれ、焦げたものはできるだけ口にしないようにしましょう。

カビ

ピーナッツやピスタチオナッツ、アーモンド、ブラジルナッツといったナッツ類や、トウモロコシなどに生えるカビが産生するアフラトキシンは、強力な発がん性物質であることが知られています。アフラトキシンは加熱調理しても減ることはありません。ナッツ類やトウモロコシの長期保存は避けたほうが賢明です。

アルコール

アルコールの摂取は、がん全体の発症リスクを確実に上昇させるといわれています。1日あたりの飲酒量は、ビールは大瓶1本、日本酒は1合、ウイスキーはダブル1杯、ワインはボトル1/3程度に抑えることが推奨されています。

バランスのとれた食事のポイント

健康を維持するためには、バランスのとれた食事が必要だという話をよく耳にすると思います。それでは、食事のバランスをとるには、具体的にどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

野菜や果物の摂取を心がける

野菜や果物を食べることで、口腔がん、咽頭がん、食道がん、胃がんなどの予防になる可能性が高いといわれています。野菜や果物の摂取量は少なくなりがちなので、毎日の食事にきちんと入れるようにしましょう。1日の摂取量の目安は、野菜が350g、果物が100gです。

ワンパターンな食事を避ける

同じ料理ばかりを食べていると口にする食材の種類が限られてしまい、がん発症のリスクを高める可能性があります。食材の品目を増やすことには、さまざまな食品からまんべんなく栄養を摂取できるというメリットがあります。

ふだんの食事に気を配ろう

食事には嗜好品としての側面があるので、ときには高脂肪・高塩分の食事やお酒を楽しむことがあると思います。しかし、食事は生活習慣のひとつであり、毎日の積み重ねが大切です。短期間の心がけで終わるのではなく、日々の食事に気を配りましょう。

 

参考: