がん治療において痛み止めを服用する際の注意点

がんを患うと、多くの人が痛みを経験します。特に末期がんは痛みを感じる人が約70%にものぼり、その痛みも激痛であることが珍しくはありません。

現在は、病期に関わらず痛みの治療が積極的に行われています。今回は、痛み止めを用いる際に気をつけるべき点をご紹介します。

痛み止めは医師の指示どおりに服用する

痛み止めを服用する際は、医師の指示を守ることが重要です。ここでは、服用時の注意点をご紹介します。

  • 指示された時間に服用する
    痛み止めの効果を常にキープするために、薬は定期的に服用する必要があります。例えば、1日3回8時間おきに服用の指示があった場合、朝昼晩の毎食後に飲むのでは夕食から朝食までの時間があきすぎることが多いでしょう。モルヒネ系の薬剤は胃腸への影響がないので、食事のタイミングに関わらず、決められた時間を守って服用するようにしてください。

特に、服薬回数を減らすために効果が長続きするタイプの薬が処方されている場合は、服用後に効き目が出始めるまでに1時間から1時間半かかるので、決められた時間にきちんと服用しましょう。

  • 自己判断で用量を変えない
    痛み止めは、痛みの強さに合わせて処方されます。痛み止めの強さは病状の重さと必ずしも関連があるわけはなく、用量が少なければいいということもありません。大切なのは、適切な量の痛み止めを服用し、きちんと痛みをおさめることです。

痛み止めの用量に疑問がある場合は、担当医に率直に相談しましょう。

  • 自己判断で服用を中止しない
    自己判断で服用を中止してはいけません。特に、モルヒネ系の薬剤の使用を突然中止すると、体が変化に対応できないことがあります。

外来通院でモルヒネ系の薬剤の投与を受けている人が予約した日に通院できなくなった場合は、必ず医師に連絡をするようにしてください。

  • 錠剤やカプセルをかみ砕かない
    長時間効き目が得られるように工夫された錠剤やカプセルには特別な細工がしてあるので、絶対にかみ砕いてはいけません。

錠剤やカプセルが飲みこみづらい場合は、担当医に相談するようにしてください。紛薬や水薬、坐剤、注射など、より適した方法を探してもらうことができます。

痛み止めの使用状況を記録する

適切な痛み止めは、服用後の痛みの緩和状態を確認し、量を調整しながら探していきます。必要な量の見極めには、時間がかかることもあるでしょう。痛みは患者さん本人にしかわからないので、痛み止めの使用状況と痛みの状態をきちんと記録することは、担当医の判断の手助けとなります。

服薬確認表に記入する

痛み止めとともに服薬確認表を渡されている場合は、服用日時を忘れずに記入しましょう。次の服用タイミングの確認が容易になり、飲み忘れ防止にも役に立ちます。

痛みがある場合はその強さや種類を記録する

まったく痛みがない状態を「0」、痛くて動けない状態を「10」とした場合の、痛みの強さを記録するようにしましょう。

どのような痛みを感じるかということも、痛みをコントロールのための判断材料になります。鈍い痛み、ピリピリとした痛み、ズキズキと脈打つような痛みなど、痛みの種類を表現するようにしてください。痛みのある場所が複数ある場合や、数種類の痛みを感じる場合も細かく記録するといいでしょう。

また、薬剤による痛みの改善状況も「痛みで目をさますことなく朝まで眠れた」など、具体的に書いておくことをおすすめします。

レスキュー(臨時に用いた痛み止め)も忘れずに記録する

定期的に痛み止めを服用していても、次の服薬時間の前に痛みが出たり、突然強い痛みに襲われたりした際は、応急処置として臨時に痛み止めを追加服用することがあります。この臨時に使う痛み止めは「レスキュー」と呼ばれており、早く効き目が現れる一方で効果時間の短い薬剤が用いられます。レスキューも担当医の指示どおりに服用し、その記録を残しましょう。医師が服薬量を決める際の大切な情報になります。

痛みのない療養生活を送ろう

痛み止めによって痛みから解放されると、担当医が病状を正確に把握できなくなるのではないかと不安に思う方がいるかもしれませんが、その心配は無用です。痛みがあるときはがまんすることなく担当医に伝え、痛み止めの処方を受けましょう。痛みから開放され、睡眠や食事をしっかりとれるようになることが、病気に打ち勝つ力を養うのです。


参考: