大腸がんの初期症状を知って早期発見に役立てよう

年々増加しているといわれる大腸がんですが、早期に見つけることができれば治癒率は100%に近いそうです。そこで今回は、大腸がんのリスクと初期症状を中心にご紹介します。

大腸がんになるリスクはどのくらい?

大腸がんにかかる人が増加傾向とのことですが、どのくらいの人数がいるのでしょうか。まずは、がんの動向について調べた国立がんセンターの「がん統計」のデータをみてみましょう。

「人口動態統計によるがん死亡データ」(2013年)で死亡数が多いがんの部位をみると、大腸は男性では3位に、女性では1位となっています。結腸と直腸を分けたデータでは、男性は結腸が4位で直腸が8位、女性は結腸が3位で直腸が9位とのことです。さらに、生涯で大腸がんにより死亡する確率は男性が3%、女性が2%と出ています。これは、男性が33人に1人、女性が44人に1人の割合です。

2011年のデータをもとに算出された生涯で大腸がんにかかるリスクは、男性が9%(結腸6%、直腸3%)、女性が7%(結腸5%、直腸2%)となっています。これは、男性が11人に1人、女性が14人に1人の割合です。

年齢による大腸がんの罹患率の変化では、30~40歳代にかけて徐々に増え始め、高齢になるほど高くなっていきます。特に60歳代以上の男性では、罹患率の上昇が顕著です。

大腸がんの原因となる要素

大腸がんの原因には、以下の要素が挙げられます。ご自身に当てはまるものがある場合は、できるものから改善するように心がけてください。

  • たんぱく質や脂肪分の多い食事
    大腸での便の滞留時間が長くなると、大腸がんの発生リスクが高くなります。
  • 肥満
    特に男性は、大腸がんの発症リスクと肥満との関連が深いようです。BMI27以上になると、確実にリスクが高くなるとのことです。
  • 飲酒
    過度の飲酒は、大腸がんの明確なリスク要因となることがわかっています。
  • 喫煙
    喫煙者は、大腸がんの発症リスクが非喫煙者の約7倍といわれています。
  • 運動不足
    運動は大腸がんの発生リスクの低減に効果があります。
  • 遺伝
    ポリープができやすい家系の人は要注意です。

大腸がんの兆候とは?

大腸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどないといわれています。以前はあまり感じなかった、以下に挙げるような症状が思い当たる場合は、一度診察を受けることをおすすめします。

お腹の様子

大腸がんの症状として、以下のようなお腹の変化がみられることがあります。がんが大きくなるにつれて便が通過しにくくなり、さまざまな症状を引き起こすようです。また、初期の段階では、おならに変化を感じる人も少なくないようです。お腹の違和感や腹痛が続く場合には、ぜひ受診するようにしましょう。

  • お腹が張る
  • おならの回数が増えた・臭いがひどい
  • ときどきお腹が痛む
  • お腹に違和感がある
  • 肛門が痛む
  • 食後にお腹が鳴る

排便の様子

腸の調子が悪くなると、排便にも変化が現れることが多いようです。排便の状態をチェックする習慣をつけるといいでしょう。以下のような症状、特に血便や下血がみられた場合には、すぐに受診するようにしてください。

  • 血便
  • 下血
  • 便が異様に臭う
  • なかなか便が出ず、トイレの時間が長い
  • 残便感
  • 便が細い、あるいは便の塊が小さい
  • 便秘と下痢を繰り返す

体全体の変化

その他、体全体の変化としては、以下のような症状がみられることもあります。

  • 体重の減少
  • 貧血
  • 嘔吐
  • 体がだるい

アスピリンに大腸がんの予防効果がある?

大腸がんの予防に関して、脚光を浴びている薬剤があります。解熱・鎮痛剤でおなじみのアスピリンです。

アスピリンは、1899年にドイツのバイエル薬品が鎮痛剤として売り出しました。解熱・鎮痛剤のイメージがありますが、血液が固まるのを防ぐ作用もあり、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの治療にも使われています。また、流産予防に用いられることもあるようです。

そして、1980~1990年代には、長期間アスピリンを服用している人に大腸がんが少ないという報告が欧米で多くなされ、大腸がんとの関連が注目されるようになりました。作用機序はまだ不明ですが、現在のところはアスピリンの臓器の炎症を抑制する作用が大腸がんの予防につながっているのではないかと考えられています。

日本では数百人規模の研究を経て、アスピリンに大腸がんの予防効果が本当にあるのかどうかを確認し、予防法を確立するための大規模な臨床試験が昨年秋に始まりました。ポリープを切除した7,000人を対象に、3年をかけて調べる予定とのことです。

アスピリンの効果が明確になれば、より積極的に大腸がんを予防することが可能になるかもしれません。

なお、アスピリンは簡単に入手できますが、自己判断でアスピリンを飲むようなことは絶対にやめてください。

早期発見・早期治癒を

大腸がんは、早期発見できれば100%に近い治癒率があります。今回ご紹介した症状があるとしても大腸がんだとは限りませんが、念のために検査してもらうと安心です。定期検診で要検査となった場合も、忘れずに精密検査を受けるようにしてください。大腸がんはある程度進行していても、治癒が期待できるがんといわれているので、不安があるときには積極的に診てもらうようにしましょう。


参考: