「ポリープ」「良性腫瘍」「悪性腫瘍」はそれぞれ何が違う?

健康診断でポリープや腫瘍が発見されると、がんではないかと不安になることがあるかと思います。しかし、精密検査の結果、がんではないと判断されるケースが少なくありません。このポリープや腫瘍とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。がんと診断されるものとの違いを確認し、正しく理解しましょう。

ポリープはイボのような突起物

ポリープは、細胞が異常に増殖して臓器の粘膜上に隆起してできた突起物です。大腸や胃のような管状、あるいは袋状の臓器に出現する一方で、肝臓や、すい臓のような中身が詰まっている臓器には出現しないとされています。

種類としては、声帯などにできる呼吸器のポリープ、大腸や胃などにできる消化器系ポリープ、そして子宮頸管や子宮内膜にできる女性特有のポリープがあります。

また、遺伝子の変異によってできたものを過形成性ポリープといい、遺伝子に変化のない炎症が原因でできたものを炎症性ポリープと呼んでいます。

ポリープは小さいうちは問題ないことが多いのですが、大きくなってポリープ自体がねじれたり炎症を起こしたりすると、痛みや出血をともなうことがあります。

一般的に、ポリープはある程度大きくなりますが、成長が止まれば心配はないといわれています。しかし、大腸にできる腺腫性ポリープ、胃にできる腺腫性ポリープと過形成性ポリープは、がん化する可能性も確認されています。

がん化するかどうかは一概にはいえませんが、ポリープが見つかった場合は専門医のもとで経過観察をすることが大切です。

腫瘍は過剰に増殖した異常な細胞の塊

遺伝子レベルの変異によって異常な細胞が発生し、その細胞が過剰に増殖したものが腫瘍です。腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があります。

良性腫瘍

増殖した細胞の塊がその場に留まり、ほかの細胞への浸潤が見られないものを良性腫瘍といいます。通常は転移しないため、大きくなるようであれば治療をして適切に処理すれば、影響が全身におよぶことはほとんどないようです。また、命に関わる状態になる可能性は低いとされています。なお、ポリープも良性腫瘍の一種です。

良性腫瘍には、一般的に知られる子宮筋腫をはじめ、胃腸や乳腺などにできやすい腺腫や、背中や肩の脂肪細胞が増殖したこぶ(脂肪腫)などがあります。

悪性腫瘍

悪性腫瘍は、がんのことです。周辺の細胞にまで深く浸潤し、異常な細胞が増えて広がります。そのスピードも速いものがほとんどです。

悪性腫瘍は、体内の器官や臓器をはじめ、皮膚、神経、生殖細胞など、体のどこにでも発生すると考えられています。また、発生した部位に留まらず、ほかの部位に転移する可能性が高いことが特徴です。

悪性腫瘍は増殖の制御がきかず、大きく広がると周りの細胞に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなってしまいます。やがて全身に影響がおよぶと体力の低下や体調の悪化などが進み、早急に見つけて対処をしないと命にかかわる状態になります。

良性腫瘍と悪性腫瘍は「感触」が異なる

良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは、その「感触」にも大きく現れるようです。

良性腫瘍は境界が明確

良性腫瘍を触ったときに感じる硬さはさまざまです。一般的には周囲との境い目が明確で、形が整っています。腫瘍部分を指先で軽くつまんで動かすと、グリグリと動きます。

悪性腫瘍は境界がわかりにくい

悪性腫瘍の感触の特徴は独特の硬さで、周辺との境い目が不明瞭なことが多いようです。また、形もでこぼことしていることがあります。指先でつまんで動かしても、周りと一体になっているような感じで、突起した部分だけがグリグリと動くことはありません。

自己判断ではなく専門医の診断を

ポリープや腫瘍に関する判断は、細胞を調べてみないとわからないことが多いようです。良性腫瘍と悪性腫瘍には感触の違いこそありますが、自己判断で決めつけるのは危険です。

また、良性腫瘍なら安心だとは言い切れません。例えば、脳幹部に発生する異型性髄膜腫はほとんどの場合が良性腫瘍です。しかし治療が困難なため、大きくなって脳幹を圧迫するようになると、命の危険な状態にもなりかねません。

したがって、ポリープや腫瘍が見つかった場合には、必ず専門医の診断を受けてください。早期発見ときちんとした診断により、最善の治療法を選択できます。

参考: