ストレスはがんの発症リスクを高める?

「ストレスを溜め込んでいるとがんになる」「まじめすぎる人はがんになりやすい」という話を耳にすることがあります。ということは、心安らかに楽しく暮らしている人はがんになりにくいのでしょうか? そして、ストレスはそこまで体に悪影響を与えるものなのでしょうか?

今回はストレスを感じたときの体の変化と、それによるがん発症リスクについて考えてみましょう。

ストレスの正体は刺激

ストレスは「辛いこと、嫌なこと」というイメージが強いですが、実はそうではありません。何らかの外的要因が刺激となって体や心におよぼす影響のことをストレスといいます。うれしいことや悲しいこと、嫌なこと、幸せなことのすべて刺激であり、ストレスの要因となるのです。

さらに、気温の変化もストレス要因です。激しい雨に見舞われたり雷雨に遭遇すしたりすることも、ストレスを感じたことになります。

例えば、何か新しいことに挑戦しようとすると、ドキドキしたり、緊張したり、不安に感じたりしますよね。これは「新しいことへの挑戦」がストレス(刺激)となり、体が反応しているのです。

逆に外的な変化や刺激がなく「退屈」「平凡」と表現される状況は、ストレスがないといえます。

ストレスを感じたときの体の変化は?

私たちはストレスを感じると交感神経を緊張させ、ストレス要因(刺激)に対応できるような態勢を整えます。これは自律神経によって無意識にコントロールされます。

自律神経のひとつである交感神経は、活性化と興奮に対応しています。一方、副交感神経は落ち着いてリラックスした状態で優位に働きます。つまり、ストレスと向き合っているときには交感神経が優位に働いているのです。

ストレス要因が解消されると交感神経の緊張は和らぎ、副交感神経の働きによって心を落ち着かせてくれます。そして、消耗した体力やエネルギーを睡眠や栄養摂取によって回復すれば、免疫機能なども正常に働くようになります。

しかし、ストレスが強く継続的に存在すると常に交感神経が優位に働き、自律神経のバランスを崩した状態が続くこととなります。また、ストレスが解消されても消費したエネルギーなどを十分に補えない場合には疲労がたまり、代謝や免疫機能に悪影響を及ぼすことにもなります。こうなるとがんだけではなく、さまざまな病気になる危険性が高まるといえるでしょう。

ストレスは体に悪いものなの?

ストレスによって自律神経のバランスを崩し、病気のリスクが高まるのであれば、やはりストレスは体に悪いものなのでしょうか。

「ヤーキーズ・ドットソンの法則」には生産性とストレスの関係が示されています。これは、心理学者のロバート・ヤーキーズとJ・D・ドットソンが適度な刺激があったときのほうが学習やパフォーマンスの効率が上がることを発見したものです。

また、カリフォルニア大学の研究チームによると、適度なストレスが脳を活性化させて代謝を上げることが明らかにされています。

つまり、適度なストレスを感じながら変化を楽しめる暮らしを送ることは、脳や体を活性化させることにもなっているのです。良し悪しではなくバランスの問題であり、ストレスとの向き合い方がカギを握っているといえそうです。

ストレスとのいい向き合い方とは?

ストレスが体に良い刺激になる場合と悪影響を及ぼす場合があるようです。それを見極めるには、まず自分のストレス状態を確認することが大切だといわれています。

  • 夜中に目が覚める
  • 不安で眠れない
  • イライラすることが多い
  • すぐに疲れる
  • 集中力が続かない
  • 風邪を引きやすい
  • お腹の調子が悪い
  • 何事にも興味が持てない

これらの自覚がある場合は、継続的なストレスがあるのかもしれません。しかし、何かの仕事を前に不安で眠れない夜があったとしても、その不安や緊張が仕事への意気込みなどになっている場合は、ストレスといい向き合い方をしているといえそうです。

まとめ

ストレスを溜め込むと体に悪い影響を与えてしまい、がんの発症リスクにもなり得る可能性があります。

しかし、ストレスがないことが必ずしもいい状態だとはいえません。ストレスをうまく向き合い、メリハリのある生活を楽しく過ごすことが大切なのです。

参考: