がんの療養中にアロマの力を活用しよう!

アロマというとリラクゼーションのイメージを持つ人が多いかもしれません。実はそれ以外にも、アロマはがんの療養中に活用できるパワーを秘めているのです。今回は自宅でも手軽に取り組むことのできる、がんの療養におけるアロマテラピーの活用方法についてご紹介します。

がんの療養中に活かしたいアロマテラピーの力

アロマテラピーで使われる精油には香りがあり、その刺激によってリラックス効果が得られるといわれています。また、香りとともに鼻から体へと取り込まれた精油の成分が血流に乗って全身をめぐることで、血行促進などの効果も期待できるのです。精油が直接肌に触れるアロママッサージなどでは、肌からも精油の成分を取り込むことができます。それでは、がんの治療中に活用できるアロマテラピーの作用と、精油の種類や特徴について見ていきましょう。

がんの治療や療養中に活用できるアロマテラピーの作用

  • 身体的苦痛の緩和(がん疼痛の緩和、むくみの軽減、入眠の促進など)
  • 精神的苦痛の緩和(ストレスや気分の落ち込みの緩和、気分転換など)
  • 化学療法の副作用の緩和(吐き気の抑制、口内炎のケアなど)
  • 放射線治療の副作用の緩和(ケロイドや色素沈着の緩和など)
  • 消化器のトラブルの緩和(食欲不振、便秘、下痢など)
  • 感染予防対策
  • 免疫力の向上

精油の種類と特徴

  • ラベンダー

三大鎮痛精油のひとつに数えられる精油です。精神的苦痛、胃痛、月経痛、神経痛などを緩和する効果があるといわれ、幼児から高齢者まで幅広く使用できるのが特徴です。また、心をリラックスさせることで入眠を促す作用も期待できます。がんの療養においては、化学療法の副作用である口内炎や感染症、放射線治療後に起こる皮膚の炎症の緩和に役立つといわれています。

  • レモン

柑橘系の爽やかな香りは、気分が滅入ったり落ち込んだりする精神的苦痛をはじめ、頭痛、消化器系の不快な症状、化学療法の副作用である吐き気の緩和にも役立つといわれています。

  • ペパーミント

痛みの軽減や自律神経のバランス調整に加え、消化器系の不快な症状や化学療法の副作用である吐き気の緩和にも役立つといわれています。

  • ローズ

免疫調整や女性ホルモンのバランス調整、皮膚再生の促進、肌の保湿効果のほか、心を癒す作用を持つといわれています。また、強い抗癌作用を持つゲラニオールという成分を含んでいます。

アロマテラピーに挑戦してみよう!

アロマテラピーには芳香浴で楽しむ方法やアロマバス、アロママッサージなど、さまざまな種類があります。ここでは、がんの療養中でも比較的手軽に挑戦できる方法を紹介します。

  • アロマバス(沐浴)

入浴するときにバスタブのお湯へ4~6滴の精油を落とし、全体になじませます。

  • フットバス(足浴)

足浴するときにお湯へ2~3滴の精油を落とし、全体になじませます。

  • 芳香浴

アロマポットやアロマディフューザーに適量のお湯を注ぎ、そこへ数滴の精油を落として空気中に広がる香りを楽しむ方法です。アロマポットは火を使いますが、アロマディフューザーは電気式でタイマー機能を持つタイプもあり、就寝時にも安心して使用できます。また、マグカップへ注いだ熱湯に精油を数滴落としたり、精油を含ませたティッシュを鼻に近づけて香りを楽しんだりする手軽な方法もあります。

  • アロママッサージ

適量のオリーブオイルに好みの精油を数滴よくなじませてから、リラックスさせたい体の部位をマッサージします。

注意点

初めての精油をいきなり使い始めてはいけません。まずはごくわずかな量から始め、心身への影響を確認しながら少しずつ増やしていきます。そして、万が一体調が悪くなったときには、すぐに使用を中止しましょう。なお、苦手に感じる香りでも精油成分の効果は得られるようです。嗅覚が慣れることで、使っているうちに気にならなくなることもあります。

また、アロマテラピーは治療法ではありません。「痛み止めの代わりにアロマテラピーを」「アロマテラピーをしたから薬はいらない」という考え方はとても危険です。アロマテラピーの効果については研究が進められているところですが、医師が行う治療や処方薬のような効果を期待することはできません。あくまでも、治療や療養を補助するものとして利用してください。

安価な精油は体に害のある不純物(人工的な香料など)が使われていたり、アルコールなどで希釈されていたりする場合があります。精油の作用を効果的に得るためには、天然由来のものを使用するようにしましょう。現在の日本には精油の成分や品質について安全を確保するための法的な規制がないので、精油選びの知識を持つことが大切です。なお、天然由来の精油かどうかを見分けるには、3つのポイントがあります。

  • 「エッセンシャルオイル(精油)」と明記されていること
  • 詳細な説明書と成分表があること
  • 製造方法が「水蒸気蒸留法」「圧搾法」「有機溶剤抽出法」のいずれかであること

上記のいずれかが欠けている場合には、天然由来ではない精油の可能性があります。併せて製造年月日、使用期限、ロット番号、生産者の情報、価格なども確認するようにしてください。確認が難しい場合には、病院に勤務するアロマセラピストやアロマの有資格者の看護師などに助言を受けるのもよいでしょう。

まとめ

アロマテラピーは場所を選ばず手軽に取り組むことができます。アロマの力で気分転換やリラックスをしたり心身のストレスを減らしたりして、少しでも快適な療養生活を送りましょう。

参考: