がんの治療について、家族できちんと話し合おう!

がんと診断を受けることで、患者さん自身だけでなく家族もはかり知れない不安を抱えます。

患者さんが治療に専念し、療養生活を快適に過ごしていくためには、家族やパートナーのサポートが欠かせません。それには、がんの治療についてお互いの感じ方や考え方を十分に話し合うことが大切です。

しかし「病気について話すとついつい感情的になってしまう」「何から話したらいいかわからない」という人もいるのでは? 今回は、患者さん本人とがんの治療について向き合い、話し合っていくために大切なポイントをご紹介します。

話し合いが必要な理由

長年連れ添った家族やパートナーであっても、思考や価値観はお互いに異なります。そのため、相手にとって「よかれ」と思った判断でも、思いがけず心理的な負担をかけてしまうことがあるのです。例えば、患者さんが「これまでどおりの生活を送りながら、そっと見守ってほしい」と思っていても、家族が「何かしてあげないと」「こうしてあげるのがよい」と思っていたとすれば、気持ちのすれ違いに気がつかないまま、お互いにストレスを抱えてしまうことになってしまいます。

このような問題を避けるためも、できるだけ早い段階でがんの治療や療養に対するお互いの考え方を理解しあうことが必要になります。家族やパートナーが患者さんと一丸となることで、患者さんに対して、最も適したサポートをすることができ、スムーズな治療や快適な療養生活を支えることにつながるのです。

話し合うための準備

がんの治療や療養生活について「理解を深めたいけれど何から話せばいいのか?」「話を聞こうとすると本人を傷つけてしまうのではないか?」と悩む人もいるはずです。家族が患者さんときちんと向き合って話し合い、お互いに理解を深めるためには、事前にある程度の準備が必要です。

  • 気がかりなことをどんどんメモする

がんと診断を受けた直後はいろいろなことが気がかりで、何から話し合うべきか迷ってしまうのも無理はありません。そんなときには、気がかりなことや治療や療養を始める前に相手に確認しておきたいことを思いつくままメモに残しましょう。そうすることで気持ちも落ち着き、話し合うべきことの優先順位も見えてきます。

  • 情報を収集する

患っているがんの治療や療養に関する情報を収集しましょう。インターネット、書籍、テレビなどさまざまな手段がありますが、いずれにしても信頼性の高い情報を見極めて参考にしてください。信頼性の判断が難しい場合には、主治医や看護師などに相談することで正確な情報がまとめられた冊子、相談窓口、がん専門の情報機関などの紹介を受けられます。

  • 気持ちを落ち着かせる

気持ちが焦っていたり悲観的になっていたりすると、話し合いをしても解決に至らないばかりか新たな問題が生じてしまう危険性があります。そのため、話し合いの前には十分な休息や睡眠、栄養補給、気分転換をして気持ちを落ち着かせるようにしましょう。自分だけの努力では難しい場合には、患者さんの主治医や看護師に相談してください。必要に応じて専門家によるサポートを受けることもできます。

  • 話し合いをイメージしてみる

患者さんに聞きたいことや確かめたいことが山ほどあったとしても、相手の気持ちを無視してどんどん話を進めてはなりません。事情聴取ではなく相手の考えや感じ方を理解するための話し合いなのです。事前に話し合いの流れをイメージしておくといいでしょう。大切なのは、患者さんから語られる言葉を大切にして、そのひとつひとつをていねいに理解することです。聞き手に徹する時間が8割、自分の気持ちや思いを伝える時間が2割ぐらいのバランスが患者さんへの圧迫感もなく、お互いの理解を深めていくのに望ましいといわれています。「○○について絶対確認しなければ」と気負わず、話の流れに任せることがお互いの理解につながるはずです。

  • 話し合いをもつタイミングを見分ける

両者が話し合いのできるコンディションでないと、お互いの理解を深めることは難しいでしょう。確認したいことがあるときには、「○○について話をしたいのだけれど、体調はどう?」「いつ頃なら話せそう?」などのように声をかけて、体調や気持ちに余裕のもてるタイミングを見つけるようにするとよいでしょう。

話し合いで困ったときには

がんの治療や療法は、患者さん本人が希望する方法を選択できるのがベストですが、ときには家族やパートナーと考え方がぶつかったり気持ちがすれ違ったりしてしまうことがあります。そんなときにはどのように対処していくのがよいのでしょうか?

もっとも望ましい方法は「専門家に相談する」ことです。患者さんやその家族の状況を周知している主治医や担当看護師は気軽に相談できる相手となるでしょう。また、自治体や専門機関で行っているがんに関する相談窓口を利用するのもよい助けとなるはずです。

問題を抱えたまま過ごすことは、患者さんにとっても家族にとって大きなストレスになりかねません。できる限り早めに対策をとるようにしてください。

まとめ

患者さんとしっかり話し合うことで、がんの治療や療養に対する理解を深め、できるだけ互いにストレスを少なく抑えて、快適な療養生活を送ることができるようにしましょう。

参考: