がんの予防:予防医学とは?

「人口動態統計月報年計」(厚生労働省)によると、平成26年の日本人の死亡原因第1位はがんです。がんは、誰もが罹りうる病気であるといえます。

医療の進歩が著しい昨今、がんは治せる病になってきているとはいえ、罹患しないことが一番です。がんは生活習慣病のひとつとされ、予防できる病気だともいわれています。そこで注目したいのが「予防医学」。今回はがんにおける予防医学について探ってみましょう。

一次予防、二次予防とは?

まずは予防医学の考え方を知っておきましょう。予防医学は病気にならないための工夫だけを目的としたものではありません。病気を発症したあとの進行抑制や再発の防止、障害の予防や緩和、寿命の延長、心身の健康増進といった部分にまで目がむけられています。つまり、その時々の段階において身体的、精神的に悪い状態にならないような対策(治療)を施すものなのです。

また、健康なときの疾病予防や健康増進は「一次予防」に、発症後の対処は「二次予防」に分類されます。それでは、がんにおける一次予防と二次予防とは、どのようなものなのでしょうか。

一次予防

  • がんの発症リスク要因を知り、がん予防を図るとともに健康を増進する。

がんの発症を抑えられるような生活の維持が、一次予防の中心になります。例えば生活習慣を改善したり、生活環境を見直したりすることです。また、さまざまな種類のがんについて知識を高め、発症リスクの回避と健康増進を心がけることも含まれます。

二次予防

  • 早期発見・早期対処によって適切な治療を受け、疾病の重症化を予防する。

二次予防はがんをより早く発見し、適切に対処をして完治の可能性を高めることを目的としています。そのため、定期的ながん検診の受診が、二次予防の第一歩だといえるでしょう。毎年、健康診断を受けている人でも、早期がんを発見することはなかなか難しいとされています。特に消化器系のがんには自覚症状が弱いものがあり、なかでも膵(すい)がんは発見された時点でかなり進行していることも珍しくありません。そこで、がんに特化した検診の受診が重要になってくるのです。

具体的な一次予防、二次予防とは?

それでは、予防医学を実践するには具体的にどのようなアクションを起こせばよいのでしょうか。胃がんの一次予防、二次予防を例に解説します。

胃がんにおける一次予防

まずは胃がんについて知ることが大切です。胃がんのリスク要因として考えられるのが、塩分の多量摂取につながる食生活です。また、喫煙もがん発症のリスクを高めることがわかっています。さらに、ピロリ菌も胃がんのリスク要因に挙げられています。

一方、予防の要因として確認されているのが、緑黄色野菜やアブラナ科の野菜(ブロッコリーなど)、ネギ類の野菜(ニンニクや玉ネギなど)、海藻、果物などに含まれているカロテノイドやポリフェノール、フラボノイドの摂取です。これらの栄養素が持つ抗酸化作用や抗プロモーター作用によって、がんの発生リスクが抑えられると考えられています。

また、日ごろから胃粘膜層を破壊しやすい食塩の摂取を抑えるとともに、がん全体のリスク要因でもある喫煙を控えることも一次予防として取り組む必要があります。

さらに、精神的なストレスを長く抱えていることも体調不良や免疫力低下を招く要因となるので、ストレス解消を図るような生活面での工夫も大切です。

胃がんにおける二次予防

胃がん検診を受けましょう。がん治療を終えた人にとっては、再発予防のためにも定期的な検診は重要です。

特に40歳以上の人は年に1回、胃がん検診を受けるのが良いとされています。医師による問診とX線検査を受け、異常が認められた場合には精密検査によって胃がんであるかどうかの診断がなされます。

そして、診断結果によって、適切な治療や生活改善のアドバイスを受けることとなります。

まとめ

がんの発症を予防するためには、そのリスクとなるものを知ることが重要です。正しい知識を持って一次予防を心がけましょう。また、二次予防として定期的な検診の受診も大切です。予防医学を意識して、生活を見直してみましょう。

参考: