マイクロアレイ血液検査について詳しく知りたい!

医学の進歩にともない、がんは完治の可能性が高くなってきました。検査精度の向上によって、より早期のがんを発見できるようになったことが大きな要因だといえるでしょう。その一方でいまだに早期発見が難しく、発見後の治療も有効性が高くないとされるがんも存在します。消化器系のがんである膵がんは、その代表的な例です。自覚症状のない膵がんを、いかに早期に発見するか。この課題への解決の糸口になると考えられるのが「マイクロアレイ血液検査」です。

今回は、マイクロアレイ血液検査とはどのような検査なのか、がんを早期発見するために利用するにはどうしたらよいのか、また、気になる検査方法や料金についてご紹介します。

血液反応を遺伝子レベルで解析

血液検査によるがん検査には、「腫瘍マーカー検査」が知られています。腫瘍マーカー検査はがん細胞が出すタンパク質などを測定してがんの有無を測る方法ですが、現状ではある程度がん細胞が大きくなっていないと正確な判定が難しいとされています。そのため、腫瘍マーカー検査だけではがん診断の決め手とはならず、補助的な検査あるいは経過観察の一環として行われています。

マイクロアレイ血液検査は早期がんの発見を目的としており、体内に現れた異物に対して体が起こす遺伝子レベルの反応を分析して、がんの有無を診断するものです。消化器がんに対しては90%以上もの精度で判定できるとされています。

それでは、その仕組みをご紹介しましょう。

血液にはさまざまな細胞が含まれています。そして、そのひとつである白血球に、「単核球」というがんの免疫に関与する細胞があります。血液によって全身を巡る単核球が、まだ他の検査では発見できないレベルの初期のがん細胞のすぐそばを流れたとしましょう。すると単核球はそのがん細胞の存在を認識し、反応を始めるのです。しかも単核球は、認識したがん細胞が胃がんなのか、大腸がんなのか、それとも発見の難しいとされる膵がんなのかを区別して情報を発信しはじめるのです。

その特性を利用しているのが、マイクロアレイ血液検査の特徴です。

消化器がんに有用性を確認

現在、マイクロアレイ血液検査は消化器系のがんの発見における有用性が確認されています。なかでも胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がんについては、がん細胞の発症場所も含めた情報を得られるとされています。

しかし、食道がんについてはがんの有無は発見できても、場所を特定するには至っていないのが現状です。

とはいえ早期発見につながる検査であることに違いはなく、他の検査と組み合わせることで多くの消化器がんを早期に発見し、治療の可能性を高めることを期待できるとされています。

なお、肺がん、子宮がんに対してはまだ研究段階で、検査対象にはなっていません。

検査方法は血液を5ml採取するだけ!

マイクロアレイ血液検査は、採血のみの簡単な検査です。つまり放射線による被曝もなく、体への負担が少ない検査だといえます。しかも、採取する血液は5mlだけ。この血液で胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がんの有無を一度に調べられるのです。なお、検査の流れは下記のとおりです。

  1. 検査可能な医療機関で採血をします。
  2. 採取した血液から遺伝物質(RNA:リボ核酸)を抽出します。
  3. 抽出した遺伝物質を蛍光検出し、解析します。
  4. 遺伝物質の反応パターンでがんを判定します。

自由診療の検査です

マイクロアレイ血液検査は健康診断と同様に自由診療の検査なので、健康保険の利用ができません。つまり費用がすべて自費負担になります。

検査費用は医療機関によってさまざまです。10万円を超えるところもありますが、平均的な額は7万~8万円程度のようです。

また、どの医療機関でも検査ができる状況ではありません。まず主治医に相談して、検査可能な医療機関の紹介をしてもらう、あるいはインターネットなどで対応医療機関の情報を見つけて申し込みが必要です。

高額な検査をいつ受ける?

現状では高額な検査であるマイクロアレイ血液検査を受けるかどうかは、非常に迷うところです。しかし、健康診断の一環として、1年に一度はいくつかの検査を組み合わせてがん検査を受けると決めている人もいらっしゃるでしょう。その際に、がんの有無を診断することにおいてはとても高い精度をほこるマイクロアレイ血液検査を選択するのもよいといえそうです。

では、マイクロアレイ血液検査を実施している医療機関がどのような人に受診をすすめているのか、おもな例をご紹介しましょう。

  • 内視鏡検査が苦手な人
  • 消化器系のがんを発症した家族がいる人
  • 経営者や個人事業主など、今がんで倒れるわけにいかないと強く感じている人
  • 消化器がんによる、死亡を含めたリスクをできる限り避けたい人

こういった人は、まず一度マイクロアレイ血液検査を受けてみて、以降は毎年受診するのか、間隔をあけて受診するのかを判断するのも、うまく最先端医療を活用する方法だといえそうです。


参考: