がんの在宅療養のため、在宅医を探したい!そんなときに役立つ情報

家族に囲まれて過ごすことができ、自分の居場所があるという安心感も得られることから、在宅での療養生活を選ぶ人が増えています。在宅での療養を選択肢として考えたときに、まず気にかかるのが在宅医についてでしょう。在宅医はどこにいるのか、どうやって探せばいいのか、疑問は尽きません。そこで、今回は療養生活を支える在宅医についてご紹介します。

在宅医療とは?

在宅医について考える前に、まず、「在宅医療」そのものについて確認しましょう。

在宅医療とは、「医療を受ける者の居宅などにおいて提供される医療」と定義されています。つまり、自宅(自宅以外の養護老人ホームや有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅などの施設も含みます)で生活を送りつつ、医療サービスを受けるシステムです。

在宅医療の歴史を見ると、1986年に在宅自己注射管理指導と自己腹膜還流指導管理が医療保険で認められたことが始まりのようです。1988年には、それらの在宅患者への訪問診療が、診療項目として新設されました。そして、1992年の第2次医療法改正で「居宅」が「医療提供の場」と位置づけられ、在宅医療に法的根拠ができたとされています。

2006年にはがん対策基本法が成立し、2007年に施行されました。この法律によって、日本中どこでも同じような治療、標準的な治療が受けられるようになりましたが、同時にこの法律では、在宅医療の維持向上が明確にうたわれています。近年は、在宅医療への理解が進み、在宅医療に対する社会的な期待も大きくなっているといえます。

現在では、「在宅医療」は「外来」「入院」につぐ第3の医療と言われるほどになりました。

在宅医療を行う医師

さて、その在宅医療を行う医師が「在宅医」になります。在宅療養を考える場合には、365日24時間体制で対応をしてくれる在宅医にサポートをお願いしなければなりません。

在宅医療の特性から、在宅医は自宅に近ければ近いほど良いとされています。したがって、在宅医は近隣から探す必要があります。自宅から車で30分以内、自転車で15分以内が理想でしょう。

厚生労働省の調べでは、在宅医がいる在宅療養支援診療所の届け出数は、2006年の9,434から、2012年には13,758と増加しています。2012年の届け出13,758の内訳は、従来型の在宅療養支援診療所が10,933、連携強化型在宅療養支援診療所が2,604、強化型在宅療養支援診療所が221となっていました(機能強化型在宅療養支援診療所では、在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上おり、単独で対応している場合と、複数の医療機関が連携している場合とがあります。)

在宅療養支援診療所は増えているということですが、自宅近くの在宅医はどのように探せばよいでしょうか?

在宅医の探し方

在宅医の探し方には、治療を受けている病院に紹介してもらう方法や医師会に紹介してもらう方法、相談窓口を利用する方法などがあります。お住まいの県や市のホームページで、在宅医療を行っている医療機関を掲載している場合もありますので、インターネットでチェックしてみるのもよいでしょう。

現在かかっている病院に紹介してもらう

まずは主治医に相談するとよいでしょう。

病院にがん相談支援室や地域連携医療室がある場合には、そこが窓口となって在宅医を紹介してくれますので利用しましょう。医療ソーシャルワーカーが手助けをしてくれます。がん診療連携拠点病院であれば、相談支援センターがありますので、そちらに相談して探してもらうこともできます。

相談窓口を利用する

下記に挙げた相談窓口を利用して探す方法もあります。訪問看護ステーション、在宅介護支援センター、介護支援事業者などは、お住まいの市町村の「医療・福祉機関リスト」などに掲載されています。医師会にも在宅医療連携窓口などの部署があり、在宅医を紹介してくれますので問い合わせてみるとよいでしょう。お世話になる訪問看護ステーションが決まっている場合には、そちらから担当医の情報を教えてもらうのがよいでしょう。

  • 医師会
  • 市役所(介護保険担当窓口)
  • 保健所
  • 在宅介護支援センター
  • 訪問看護ステーション
  • 介護支援事業者(ケアマネージャー)

紹介状をもって相談に行こう

在宅医になってくれそうな先生が見つかったら、その先生に会って相談しましょう。最後の看取りは対応しないところもあるようなので、在宅医に何を希望するのか明確にしておくことが大切です。

相談は家族が行ってもよいので、まだ入院中であっても、退院を待たずになるべく早く相談することが勧められています。事前に相談しておくことで退院の際の準備についても助言がもらえ、在宅療養への移行もスムーズに行うことができるでしょう。相談の際には、主治医からの紹介状を持参することを忘れないようにしましょう。
参考: