やっぱり運動はがんにも効果大!

適度な運動を続けることは、体の健康を保つために必要なことだと言われていますね。体を動かすことにより、血液の循環が良くなり代謝が活発になるため、健康上さまざまな良い効果がもたらされるのです。そして、最近の研究では、適度な運動はがん予防にも効果があるということが明らかになり始めています。それでは、一体どのような根拠により効果があると言われているのでしょうか?

日頃運動している人の調査により分かった、がんリスクの低下

これまで行われた数々の疫学調査により、日常的に運動している人(仕事で体を動かす場合を含む)は、がんにかかりいくい傾向のあることが分かってきました。例えば、全体的ながんの発症リスクを見てみると、日頃運動している人はしていない人に比べ、リスクが低いというデータがあります。どのくらいこのリスクが低いかというのは、がんの種類により差があります。胃がん、膵臓がん、膀胱がんなどについてはあまり差がなく、大腸がんなどや乳がんは比較的差があるようです。では、なぜ、これらのがんは運動するとかかりにくいというデータが得られたのでしょうか?

便秘と大腸がんの関係も運動で解消!

便秘の人は大腸がんになりやすいとされています。運動をする人は便秘になりにくいので、大腸がんにかかりにくいと考えられているのです。運動すると腸の動きが良くなり便が肛門まで到達しやすくなるため、便秘を防ぐことができます。だから、がんになりにくいというわけです。

乳がん・子宮がん・前立腺がんとホルモン分泌の関係

運動はいろいろなホルモンの分泌を変えるために、ホルモン依存性のがんを減らすのではないか、と考えられています。例えば、乳がんや子宮体がんは卵巣ホルモンの分泌と関係があることで知られていますね。運動をすると、月経の周期が変わり、卵巣ホルモンの分泌量に変化が現れるため、乳がんや子宮体がんの発症リスクが下がる可能性があるのです。

また、前立腺がんについても、同じような理由で発症リスクが下がる可能性があると言われているのです。テストステロンという性ホルモンが多いと前立腺がんにかかりやすい、とされていますが、運動選手の血中テストステロン濃度は低い、ということが知られているのです。つまり、運動するとテストステロンの分泌量が減り、それゆえ前立腺がんになりにくくなると考えられているのです。

運動によるリンパ球の増加、NK細胞の活発化によるがん予防効果

「運動ががん予防によい」とされる根拠は、ご紹介した疫学調査以外にもあります。それは、「運動と免疫力との関係」です。免疫力が高ければ、がん発症のリスクは低くなることが知られていますね。運動は免疫力をアップさせると言われています。それゆえ、がん予防によい、とされているのです。

では、なぜ運動は免疫力をアップさせるのでしょうか?それは、運動をするとリンパ球が増えるためです。免疫細胞の一種であるリンパ球は、特定の病原菌やがん細胞を攻撃します。そのリンパ球の中でも特にNK(ナチュラルキラー)細胞の効果が注目されていますが、運動するとこのNK細胞の活性が増すのです。NK細胞は、異物を発見するとすぐに攻撃する性質があり、がん細胞を見つけるとそれを殺傷する免疫細胞として知られています。

過度の運動は勧められない

さて、これまで見てきたように、日頃適度に運動することはがん予防によいと考えられています。ところが、一方で、過度の運動はかえってがん予防のためにはよくないとされているので、注意が必要です。運動すると、大量の酸素を急激に消費するため、多量の活性酵素が体内に作られ、体の酸化障害を促進してしまうのです。また極度の疲労により肉体的、精神的にストレスをかかえると、NK細胞などに関連した免疫系の働きが低下することが知られています。

がん予防のための運動量は、1週間に4~5回、20~30分くらい軽く汗を流す程度で十分と言われています。過度な運動は、がん予防の観点からも、また心身の健康状態を保つためにも、薦められません。適度に気持ちの良い汗を流すくらいの運動を続けるよう、心掛けましょう。