悩んでいませんか?治療や検査でのテープかぶれ

がんの治療中や療養中は入院、通院に関わらず、投薬や検査目的のため、定期的に点滴や採血が行われます。その際に必ず用いられるのが固定や止血のための医療用テープです。「短時間だから大丈夫」「少しかゆくなるだけだから我慢できる範囲」と医療用テープの不快感や苦痛を我慢していませんか? 今回は、医療用テープによる皮膚トラブルの原因と予防、対処方法についてのポイントをご紹介します。

テープかぶれとその原因

まず、テープかぶれとはどのような症状を指すのか、何が原因で起こるのかを見ていきましょう。

かぶれ(接触性皮膚炎)とは、皮膚にかぶれの原因となるものが直接触れることで起こる炎症や湿疹などの皮膚トラブルを指します。かぶれを生じる原因が明確な場合には、「テープかぶれ」「金属かぶれ」のように呼ばれています。テープかぶれの原因には、次の3つが挙げられます。

  • 機械(物理)的刺激

貼ったりはがしたりする行為など、テープを貼ることで皮膚に無理な緊張がかかることによるものです。貼り付けたテープによって皮膚が密閉され、本来は弱酸性を帯びている皮膚がアルカリ性に傾くことによる細菌の増殖も一因となります。蒸れにより皮膚のバリア機能が低下し、テープに含まれる刺激成分が吸収されやすい状態となることもテープかぶれの引き金になります。テープを貼ることで汗の出る孔が塞がれることや、汗自体の成分が刺激となることも原因になると言われています。

  • アレルギー物質

テープに含まれる成分が原因となり、テープが接する部分とその周囲の皮膚に発赤などのアレルギー反応が起こります。

  • 化学的刺激

テープに使用されている粘着剤やテープを貼る前に使用される消毒剤などが刺激となり、テープが接する部分の皮膚に発赤などを生じます。

テープかぶれの対策とポイント

それでは、原因別にテープかぶれの対策とポイントについて見ていきましょう。

  • 機械(物理)的刺激

テープを皮膚からはがすときに生じる皮膚へのストレスは、次章でご紹介する適切なはがし方で皮膚のダメージを防ぐことができます。また、テープを貼り付けている間の皮膚へのストレス対策には、皮膚を密閉する時間(使用時間)を短くすること、透湿性の高いテープを用いることなどがあります。 

  • アレルギー物質

アレルギー物質による皮膚トラブルを生じやすい人は、低刺激性のテープを使用するように医療者にお願いしましょう。新たな種類のテープを使用する際には、ごく小さな面積のテープでテストして安全性を確認してから使用するとよいでしょう。

  • 化学的刺激

処置の際に、使用される消毒剤が完全に乾いた後にテープ類で覆ってもらうように医療者に説明してください。また、皮膚トラブルを生じやすい人は、安全性が確認されたテープを使用してもらうように、医療者に希望を伝えましょう。

適切なテープのはがし方

テープを適切な方法ではがすことは、テープかぶれの予防につながります。以下のように、正しい方法でテープはがしを実践してみてください。

まず、テープをはがす前にテープをはがす際に引っ張られる部分の皮膚が動かないように指でしっかり押さえます。それから、皮膚にダメージを与えないように優しくゆっくりとテープをはがしてください。はがすときには、テープを180度折り返すようにして引きましょう。これが皮膚への負担を少なくする重要なポイントになります。もし、90度ほどの角度でテープを引っ張ってしまうと、皮膚が引っ張られる方向に皮膚の負担も増えてしまうので注意が必要です。一人でテープをはがすことが難しい部位の場合には、家族の方に手順と注意点を説明してから協力してもらいましょう。

がんの治療中や療養中には、皮膚に直接貼る貼り薬が処方される場合があります。その際にも、上記の手順に沿うと、皮膚へのダメージが少なく、貼り換えを行うことができます。

かぶれてしまったとき

テープかぶれに気づいたときには、できる限り早めにテープを取り除きましょう。炎症をおこしている皮膚は弱くなっていますので、はがすときは皮膚ごとはがさぬように注意してください。もし、自力では難しい場合には、できる限り早く看護師などに相談しましょう。医療用テープをはがすことのできる専用のリムーバーなどを用いて皮膚に負担をかけぬようにはがしてもらうことができます。そして、かぶれを生じたテープの一部を、メモに張りつけて財布に入れるなどして、常に持ち歩くようにしてください。もし、他の医療機関を受診することになっても、担当医師や看護師にそのテープを見せることで、かぶれが生じるテープを避けた処置を受けることができます。

かぶれを生じた部位に痛みやかゆみがあるときには、アイスノンなどで冷却してください。それでも症状が軽快しない場合や皮膚がはがれてしまった場合、また出血や浸出液が出ている場合には、早めに医療機関を受診しましょう。感染予防のためにも、自己判断による手持ちの傷薬などの使用はやめましょう。

まとめ

今までテープかぶれを生じることがなくても、皮膚への接触を何度も繰り返す間に、感作が生じてアレルギー反応を起こすことがあります。そのため、「今まで大丈夫だったから心配ない」と皮膚状態の確認を怠ると、重篤な皮膚トラブルを招くことがあるので注意しましょう。

時には、医療者が安全に処置を行うことができるように粘着力の強い医療用テープを使用する場合があります。テープかぶれの危険性を感じる場合には遠慮せずに相談してください。余計な皮膚トラブルを防ぐためにも医療者と相談しながら予防策を実践していきましょう。

参考: