再確認しよう!がんの治療中の内服薬の正しい服用と取り扱い方

がんの治療中や療養中は、がんの治療薬をはじめ、鎮痛薬や睡眠導入剤などいろいろな薬が処方されます。薬の内服は医師の指示通りに適切に行う必要があります。ところが、長期間にわたり薬を服用していると、いつのまにか適切な服用方法を忘れてしまっていることも。誤った服用方法は薬の効果の低下や副作用を強めることがあります。この機会に、正しい服用方法について再確認し、薬の効果が最大になるように心がけましょう。

要チェック!正しい内服方法

薬の正しい内服方法をポイント別に具体的に見ていきましょう。医師や薬剤師から内服方法について特別に指示がある場合には、その内容にそった内服方法を守るようにしてください。

  • 内服時に準備するもの

処方薬。内服方法が明記されている薬袋や内服表。コップ一杯の水またはぬるま湯。

牛乳やグレープフルーツ、濃い緑茶などで内服すると薬の効果に影響が出る場合がありますので、必ず水か白湯で内服するようにしましょう。また、水や白湯の量が少なすぎると、薬が胃に届く途中で止まってしまい、その部分で潰瘍を生じてしまう可能性があります。さらに、水分が少ないと薬の吸収を低下させ、薬の効き目を悪くしてしまう場合があるので、水や白湯はコップに一杯程度飲みましょう。

  • 内服するときの姿勢

薬のひっかかりや誤嚥を防ぐために、きちんと体を起こした姿勢で内服するようにしましょう。体調が悪くとも、寝ながら薬を飲むのは避けてください。

  • 内服方法

薬は、患者さんの体重や年齢、体調などの情報をもとに、効果が現れる量を計算して処方されています。血液中の薬の濃度が一定に保たれるように服用方法も指示されています。そのため、「朝飲み忘れたから、昼に朝の分もまとめて飲む」「熱が下がったから抗生剤はやめても大丈夫」などの自己判断で、量、時間、期間を調整することは絶対にやめましょう。

服用の量や期間を守っても、飲むタイミングが不適切であると、薬の効果に影響が出る場合があります。さまざまな服用時間についてここで再度、確認してみましょう。

「食前」食事をとる30~60分前に服用すること。食事の前に飲むことで薬の効果を高めるもの。

「食直前」食事をとる直前に内服すること。糖の吸収を抑える効果のある薬など。

「食間」食事後2時間ほど経った空腹時に服用すること。

「食直後」食事を終えた直後に服用すること。

「食後」食後から約30分の間に服用すること。薬によって胃荒れを生じる可能性のあるものなど。

「頓服薬」痛み、咳、下痢など症状が生じた時に内服すること。

「就寝前」就寝する前に内服すること。効果が現れるまでに30分ほどかかりますので、それを考慮することが大切です。睡眠薬の場合には、内服した直後に効果が発揮されるわけではありませんので、床につく時間をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

  • 薬の形状について

内服薬には、散剤、錠剤、カプセル、シロップなどのさまざまな形状があります。その形状は、薬の効果を発揮したい臓器や時間などの目的によって異なります。そのため、「飲みにくいから砕こう」「カプセルが嫌いだから中身だけ飲む」などの自己判断で薬の形状を変えて内服することは絶対にやめましょう。例えば、錠剤やカプセルで薬をコーティングしてあるのは、薬を胃ではなく他の目的とする臓器に届いた時に効果を発揮させるためです。自己判断で砕いて内服すると、薬の効果が十分に得られなかったり、副作用を生じてしまったりします。薬が飲みにくいと感じるときには、医師や薬剤師に相談しましょう。錠剤が喉につかえる場合には、同様の効果をもつ散剤に変更してもらうこともできます。

内服薬の適切な保存方法

内服薬の適切な保存方法についても再確認してみましょう。内服薬の保存の基本は「直射日光を避ける」「湿度を避け、室温30度以下、可能であれば25度以下の場所」です。薬の種類により、冷所保存など特別な指示がある場合には、指示内容を守ってください。

  • 錠剤・カプセル・散剤

薬を湿気から守るため、密閉することのできるプラスチックや缶などの容器に乾燥剤と一緒に保管してください。誤って乾燥剤を内服しないために、乾燥剤自体の表面に目立つ色や太い文字で「乾燥剤」と明記しておきましょう。プラスチック容器を選ぶ場合には、透明ではなく黒、赤、褐色などの色のあるものを選ぶと遮光効果も得られます。

室温が高いことを心配して冷蔵庫に保存することは絶対にやめましょう。内服のために冷蔵庫から出した際に結露が生じ、内服薬が湿気を帯びてしまう危険性があります。

  • 液剤・シロップ剤など

がんの治療中には、例えば、口腔内や消化管の真菌の感染の予防、治療のためにシロップ状のうがい薬が処方されることがあります。液剤やシロップ剤は、雑菌などの汚染を防ぐために冷蔵保存の場合が多いですが、なかには冷蔵保存してしまうと薬の成分が結晶化してしまう薬もあります。そのため、処方時に指示された保存方法はきちんと守りましょう。冷凍保存は薬の成分が変質する可能性がありますので避けてください。冷蔵庫に保存する場合には、家族みんなが薬であることがわかるように明記しておきましょう。

液剤・シロップは特に糖分で甘みを付けている場合があるので、雑菌やカビが繁殖しやすい状態です。キャップや注ぎ口、計量カップなどは常に清潔に保ちましょう。

参考: