再確認しよう!がんの治療中の外用薬の正しい服用方法と取り扱い方

がん治療中や療養中には、感染予防のために外用薬が処方されたり、嘔吐などの副作用を抑えるために坐薬が処方されたりします。それらの処方を受ける際には、医師、薬剤師から適切な服用方法、保存方法、注意点などの説明があります。しかし、「毎度のこと」と聞き流してしまったり、「もう知っていますので」と説明を断ったりしていませんか? 今回は、外用薬の服用方法や取扱い方法についてのポイントをご紹介します。薬効を最大限に得るためにも、再確認してみましょう。

要チェック!正しい服用方法

外用薬とは、消化管を経由せずに皮膚や粘膜を利用して薬の成分を体内に取り込むものを指します。具体的には、塗り薬(軟膏、クリーム、ローション)、坐薬、貼付剤、エアゾール(スプレー)、目薬などがあります。外用薬の種類別に一般的な服用方法を以下に挙げてみました。薬の種類によっては特別な服用方法や注意点があるので、処方を受けた医師や薬剤師の指示を守るようにしましょう。

  • 塗り薬(軟膏、クリーム、ローション)

塗り薬は、症状のある部位に直接塗布します。薬効を十分に得るために、薬を塗る部分は洗浄や清拭するなどして清潔にしましょう。手指を使って薬を塗る際には、手洗いも忘れずにおこなってください。

「薬を塗りこむと良く効く」ということはありません。皮膚にダメージを与えないようにそっと優しく伸ばすように塗りましょう。塗る量の目安としては、大人の人差し指の先から第一関節の節目までの量だと、両手のひら分の面積を十分に塗ることができると言われています。症状や薬の種類によって、医師や薬剤師から「ごく薄くのばす」「軟膏が○mmの厚さになるように塗る」などの指示がある場合には、それを守りましょう。

  • 坐薬

坐薬は、体内への薬の吸収が内服薬よりも早いため、薬効も早く得られるという特徴があります。坐薬は、挿入後に違和感や便意を感じることを理由に苦手な人も多いようですが、次のポイントを参考にしてみてください。

挿入する際には、挿入時の違和感を和らげるために包装から取り出した薬を手で覆うようにして、軽く体温に近くなるように温めます。長時間温めますと薬が溶けてしまいますので注意しましょう。挿入時には、坐薬を押し出してしまう腹筋の力を抜くためや、ふらつきなどによる転倒を防ぐためにも横向きに寝て、膝を曲げた姿勢が安全です。薬の根元(切り口が平らな方)をティッシュペーパーなどでつまみ、先のとがった方から肛門にゆっくりと薬の全体を挿入してください。その姿勢を2~3分とってからゆっくりと膝を伸ばすと、薬が無理なく肛門に収まります。同じ姿勢を続けることがつらい場合には、指で薬を挿入する方法もあります。その場合には、肛門括約筋の収縮で挿入した坐薬が押し出されてしまうことをふせぐために、肛門から4cmほど奥を目安に挿入しましょう。感覚としては、きゅっと肛門の圧がかかったところを通り越した、圧の少ない部位です。挿入後はできるだけ安静にしましょう。

坐薬を入れた直後に出てしまった場合や、少し時間が経ってからもとの薬の形のまま出てしまった場合には、再度入れ直しましょう。坐薬の形が崩れた状態で出てしまった場合には、薬がどの程度吸収されているかが分からないため、少し時間をおいて薬効の有無を確認し、必要な場合に新しい薬を挿入してください。ほとんど薬が溶けた状態で出た場合には、再挿入の必要はありません。

  • 貼付剤

服用の際には、枚数、貼りつける体の部位、貼り換えの期間などの指示はきちんと守りましょう。枚数はもちろんですが、貼る場所を自己判断で変更すると(例えば「上腕に貼付」の指示を「背中」に貼り付けるなど)、期待する薬効が十分に得られないだけでなく、副作用を生じる危険性があるので絶対にやめましょう。長期間の使用によって、テープかぶれのような皮膚トラブルや何らかの不便さを感じるときには、処方を受けた医師や薬剤師に貼付部位の変更について相談してください。

また、貼付薬の交換を忘れないようにするためには、貼付薬の表面に、貼りつける日付と時間を記載してから貼付すると、入浴や着替えの際に確認しやすくなります。

外用薬の適切な保存方法

外用薬の一般的な保存方法は、内服薬同様に「直射日光を避ける」「湿度を避け、室温30度以下、可能であれば25度以下の場所」になります。薬の種類により、冷所保存、密閉して保存など特別な指示がある場合には、指示内容を守ってください。

また、気をつけなければならないのは、内服薬と同じ場所に保管すると、内服薬と形状の似ているものがある場合には間違える可能性が出てくることです。外用薬と内服薬は、保存する箱や缶などをきちんと分けておきましょう。

塗り薬を使い切らずに「また同じ症状があれば使えるから」「もったいない」と長期間保存していることはありませんか? 一度開封すると薬の成分が変質、分離してしまっている場合がありますので、古いものを自己判断で使用することは避けてください。新しい処方薬が出された際に、古いものを処分するようにしましょう。薬の整理には、開封日を薬の容器に記載しておくと便利です。

参考: