聞きづらいけど知りたい!がん治療中の性生活

がんの治療を始めると、生活や仕事において、いろいろな変化が起こります。夫婦やパートナーとの関係も以前とは変わってしまうのではないかと不安に感じる人も多いのではないでしょうか?

例えば「性生活」。これが絆の全てではないとはいえ、がんの治療中や療養中は大切なパートナーとの関係をどのように考えていけばよいのでしょうか? 今回は、特に相談しづらいと思われる内容についてご紹介したいと思います。

がん治療中、療養中の性生活は安全?

がん治療中や療養中の性生活について、安全かどうか不安に感じる人もいるでしょう。

性生活の安全を判断する材料には、血液の状態があげられます。抗がん剤、放射線、手術などの治療の影響によって赤血球や白血球の数が減少しますが、血球数は性生活を考えるうえでひとつの目安になります。

赤血球数が低下している場合には強い疲労感や息切れを生じるために、自然と性生活への関心が低くなることが多いようです。また、血小板数が20000未満に低下すると出血の危険性があり、白血球数が1000未満になると感染の危険性を生じます。体調の良し悪しで自己判断するのではなく、検査結果などから身体の状況を確認するようにしましょう。

治療を順調に進めるためには、性生活を避けるべき時期もあります。相談しづらい内容ですが、不必要な出血や感染を防ぐためにも性生活を避けるべき期間を主治医や担当看護師に確認しておくほうが良いでしょう。

変化はある?痛みなどの不快感は大丈夫?

がんの治療中、療養中の性生活には、考慮すべきデリケートな問題がいろいろ生じる可能性があります。

婦人科系のがんの治療で放射線治療を受けた人では、治療後2週間ほどで膣に不快感を生じる場合があります。これは、膣周囲の組織が放射線の影響を受けるためです。性生活に対して特に制限はありませんが、不快感が強い場合は、それらの組織が回復するまで待つほうが良いでしょう。また、放射線治療によって膣に炎症が起こる場合もあります。その際には、精液によって灼熱感を生じることがあるためコンドームを使用するなど配慮が必要です。感染症を防ぐためにオーラルセックスを控えるべきとも言われています。化学療法後は痛みを生じる場合もあるので、潤滑剤を使用し不快感を緩和する工夫が大切です。

男性の場合も、前立腺がんの手術で勃起神経切除をした際には、性欲はあっても勃起しなくなります。そのため、それまで通りの性生活を送ることが難しくなります。薬物治療によって回復することもありますが、これは早めの治療が重要です。そのため、手術の前から主治医と術後の勃起障害の対応についてきちんと話し合っておきましょう。化学療法後は勃起がしにくくなり、その維持が困難に感じる人もいるようです。原因としては、薬剤による影響だけでなく、治療にともなう心身へのストレス、体調が十分に回復していないことなどが影響していると考えられています。数カ月間の休養をとり、それでも改善しない場合は勃起障害の検査で原因を調べ、カウンセリングや薬物治療など必要な治療を受けることが可能です。

がん治療中、療養中の性生活の考え方

がんの治療中や療養中の性生活については、まずは焦らずに心身の回復を待つことです。焦って考えてしまうと「やっぱり変わってしまった」「もう性的な魅力はなくなってしまったのではないか」と悲観的になりがちです。今まで通りの性生活を送るためには、時間をかけ、お互いの配慮が不可欠だということを心にとめておきましょう。多くの場合はゆっくりと回復していきます。回復期間の目安は、主治医に確認するとよいでしょう。

まとめ

性生活以外でもパートナーと親密な関係を保つ方法はたくさんあります。性生活について苦痛や不快感に一人で悩まずに、まずはパートナーに今はどう感じるのか、何に悩んでいるのかを伝えることが大切です。もし、自らパートナーに治療や療養による影響について打ち明けにくい場合は、主治医や担当看護師にその旨を伝えておくと、検査結果の説明で同席したパートナーに説明してもらうことも可能です。

重要なことは、二人で性生活についてどうしていきたいのかを具体的に話し合い、疑問や不安に感じることは小さなことでも専門家に相談することです。「こんなこと相談してもいいの?」「気が引けるから」と相談せずにいると、パートナーとの関係を悪化させてしまう場合もあります。主治医をはじめとする専門家は、いろいろなサポート方法を備えていますので、パートナーとの良好な関係を保っていくためにも、どんどん相談していくようにしましょう。

参考: